債券の額面・額面金額とは
記事作成日:2018年5月31日
最終更新日:2021年11月19日
債券の額面・額面金額とは、実際に発行される債券に記載される債券の価値を示す金額ですが、現在ではペーパーレス発行が基本となるため券面上には記載されませんが発行体によって定められた債券の価値を示す金額を意味し、満期時に受け取る償還額を示します。また、利息(クーポン)は額面(額面金額)に利率を掛けることによって計算されます。
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額面とは債券の基本単位
額面は債券の基本単位として用いられます。日本では額面100円に対して債券価格がいくらと表示されたり、額面100円に数量をかけて額面金額を計算したり、発行価格を額面100円当たりで表示したりします。
債券は満期時に額面金額が償還される
債券には満期があり、満期時には額面金額が償還されることになっています。例えば、額面金額が100万円の債券は、満期まで保有すれば100万円が償還されるのです。
日本の債券の価格は額面100円当たりで示される
日本の債券の価格は通常額面100円分に対していくらかということで示されます。例えば、ある債券の価格は98.5円とされていたら、特に明示されていなくてもこれは額面100円当たりの価格ということになります。
債券のクーポンは額面×利率で計算される
利付債の場合には、一定期間ごとに利息(利子、クーポン)が支払われますが、利息は債券の時価(価格)ではなく額面金額×利率によって計算されます。
額面金額と発行金額は違うことがある
額面金額が10万円であっても発行金額が10万円とは限りません。発行金額と額面金額が同じ場合をパー発行(平価発行)、発行金額が額面金額を上回るオーバーパー発行(打歩発行)、発行金額が額面金額を下回るアンダーパー発行(割引発行)があります。
オーバーパー発行の場合は例えば額面100円の債券を105円で購入するような形となり、償還差損となりますが、通常はクーポンがあるため損失とはならないようになっています。ただし、各国のマイナス金利政策を受けてマイナスの利回りで発行される場合もあり、その場合はオーバーパー発行でかつ、クーポンをすべて受け取っても損失となることがあります。
発行に限らず、市場での取引価格についてもオーバーパー、パー、アンダーパーという表現をします。
額面と額面金額を使い分けることがある
額面と額面金額を使い分けて、額面を100円として、額面金額=額面(100円)×額面数と考える場合があります。日本では、基本的に債券の額面を100円と考えた上で、額面を整数倍することで額面金額と考えることがあります。例えば、額面100円を100単位集めると額面金額1万円となります。
また、額面金額が債券の最低投資金額を意味することもあります。例えば額面金額が1万円であれば、額面金額1万円が最小取引単位となるのです。
まとめ
- 債券の額面・額面金額とは、債券の価値を示す金額で、満期時に償還される金額を意味します。また、債券のクーポンは額面金額×利率で計算されます。
- 債券は額面金額で発行されるとは限らず、額面金額を下回った金額で発行されたり、額面金額を上回る金額で発行されたりします。額面金額よりも高い金額で発行されても、クーポンの支払いがあるため満期まで保有すれば損失とならないことがあります。