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外国債券為替ヘッジあり(ヘッジ付き外債)とは・メリットとデメリット

記事作成日:2019年10月8日
最終更新日:2021年11月11日

外国債券為替ヘッジあり(ヘッジ付き外債)のメリットとデメリット

外国債券投資を行う場合、為替ヘッジの有無で悩むことがあります。個人投資家が投資信託を通じて米国債などの外国債券に投資する際には、為替ヘッジありと為替ヘッジなしの2つの種類が選べる場合があります。為替ヘッジとは、為替予約などを活用してあらかじめ将来の為替レートを固定することで外貨建て資産の為替変動リスクを回避することです。為替ヘッジを行うことで為替変動リスクを回避できますが、ヘッジコストがかかってしまいます。為替ヘッジがある外国債券を「ヘッジ付き外国債券」や「ヘッジ外債」、「ヘッジ付き外債」などと呼ぶことがあります。為替ヘッジは100%のフルヘッジの場合もあれば、100%未満の部分的な為替ヘッジの場合もあります。

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外国債券為替ヘッジあり(ヘッジ付き外債)の特徴

外国債券為替ヘッジあり(ヘッジ付き外債)は、為替ヘッジを100%行った場合、為替変動リスクが回避され為替差益や為替差損が生じなくなる代わりに、ヘッジコストが発生します。

外国債券の為替ヘッジありと為替ヘッジなしの違い

外国債券の為替ヘッジありと為替ヘッジなしの違いについて、為替ヘッジがない外国債券のリターン(円建て)は「外国債券のリターン(現地通貨建て)+為替のリターン」となります。一方、100%の為替ヘッジを行うことで、為替のリターンがなくなり、ヘッジコストが発生するためヘッジ付き外国債券のリターン(円建て)は「外国債券のリターン(現地通貨建て)-ヘッジコスト」となります。

外国債券の為替ヘッジありと為替ヘッジなしの違い

国内債券とヘッジ付き外債のリターンは理論上ほぼ同じになる

一方で、ヘッジコストは通貨間の金利差に応じて生じるので、国内債券(円債)よりも外国債券の金利が高くても、金利の高さに応じてヘッジコストがかかってしまうため、「国内債券(円債)」と「ヘッジ付き外国債券(円建て)」のリターンはほぼ同じになることになります。

ただし、実際には市場には歪みが生じていて、「ヘッジ付き外国債券(円建て)」のリターンが「国内債券(円債)」のリターンを上回ることがしばしばあります。逆に下回る場合もあります。

ヘッジ付き外債は国内債券(円債)の代替投資先となりうる

ヘッジ付き外債は、100%の為替ヘッジを行うことで為替変動リスクを回避できるようになるため、国内債券(円債)とほぼ同じ性質を持つことになります。もちろん、債券の発行体が日本国内か、海外かという違いはありますが、ヘッジ付き外債は国内債券とほぼ同じ特性があるとみなせるのです。

一方で、ヘッジ外債に期待されるリターンが国内債券に期待されるリターンを上回る場合もあるため、ヘッジ外債が国内債券の代替投資先とみなされることがあります。

資産配分を考える時に、ヘッジ付き外債を外国債券の資産クラスとして扱うのではなく、国内債券の資産クラスとして扱う場合があります。

外国債券為替ヘッジあり(ヘッジ付き外債)のメリット

ヘッジ付き外債は為替変動リスクを回避できるため、ヘッジがない場合と比較すると相対的にリスクが低い資産となることがメリットです。

為替変動リスクを回避できる

為替ヘッジありの外国債券を選ぶことで為替変動リスクを回避することができます。債券固有の価格変動の大きさと比較した時に為替の価格変動の大きさの方が大きい場合があるため、為替ヘッジなしで外国債券に投資すると思っていた以上の価格変動に直面することがあります。しかし、ヘッジ付きの外国債券を選ぶことで、為替変動リスクを回避することができます。

相対的にリスクが低い資産になる

為替ヘッジ付きの外国債券は国内株式や外国株式、為替ヘッジなしの外国債券などと比較すると為替変動リスクがないことから相対的に価格変動リスクが小さい資産となります。ヘッジ付き外債は国内債券に近いリスク特性となることから、ポートフォリオ全体のリスクを抑制したい場合に有力な投資対象の候補となることがあるのです。

国内債券(円債)よりも高いリターンとなることがある

ヘッジ付き外債は為替変動リスクがないため国内債券(円債)とほぼ性質を持つことがありますが、日本よりも海外の方が金利が高い場合があり、ヘッジコストが発生したとしてもヘッジ付き外債のリターンが国内債券のリターンを上回る場合があります。ヘッジコストの発生により、理論的には国内債券のリターンとヘッジ付き外債のリターンは近い値になるはずですが、実際には理論通りいかないことがあるのです。

外国債券為替ヘッジあり(ヘッジ付き外債)のデメリット

ヘッジ付き外債は、為替ヘッジに伴いヘッジコストが発生することや、為替のリターン(為替差益)がなくなることがデメリットです。

ヘッジコストが発生する

ヘッジ付き外債では為替ヘッジを行うことでヘッジコストが発生してしまうため、ヘッジコスト以上のリターンを稼がないとヘッジコストで損失となってしまう場合があります。ヘッジコストとは、為替ヘッジを行う時に生じる為替ヘッジの対象となる通貨の金利と円の金利の差に相当するコストのことを意味します。

為替のリターン(為替差益)を得られなくなる

ヘッジ付き外債は為替ヘッジを行うことによって為替変動リスクを回避します。ヘッジ外債では為替ヘッジによって為替による損失(為替差損)が生じることを防ぐことができますが、同時に為替による利益(為替差益)も得られなくなってしまいます。

自分にとって有利な方向(日本から外債に投資する場合は円安ドル高など)に為替レートが動いても為替ヘッジをしていると為替からのリターンは得られなくなります。

まとめ

  • 外国債券ヘッジあり(ヘッジ付き外国債券)とは、為替ヘッジによって為替変動リスクを回避した外国債券です。外国債券ヘッジあり(ヘッジ付き外国債券)は現地通貨建て外国債券のリターンからヘッジコストを引いたものがリターンとなります。
  • ヘッジ付き外債のメリットは為替変動リスクを回避でき相対的に低リスク資産であることですが、ヘッジコストが発生することや為替差益が得られないことがデメリットです。

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【外国債券為替ヘッジあり(ヘッジ付き外債)とは・メリットとデメリットの記事は終わりです】

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