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逆イールドとは

記事作成日:2018年5月1日
最終更新日:2021年10月30日

逆イールドとは

逆イールドとは、債券の残存年限が長くなるほど、金利(利回り)が低下する関係になっていることを指します。

逆イールドのイールドカーブ

債券の残存年限を横軸、金利(利回り)を縦軸としてグラフ化したものをイールドカーブといいますが、イールドカーブが右下がりとなっている状態が逆イールドで、通常の状態は右上がりとなっています(順イールド)。

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イールドカーブは通常右上がり

債券は残存年限が長くなるほど、タームプレミアム(残存期間の長さに対する利回りの上昇)が発生するため順イールドとなります。債券は満期までの残存期間が長くなると、価格変動リスクや流動性リスクが高まります。

同じ利回りの債券があると仮定すると、価格変動リスクと流動性リスクが高い銘柄と低い銘柄があった場合、リスクが低い銘柄を投資家は選好します。同じ利回りであれば、できる限りリスクを避けたいと考えるのが通常の投資行動だからです。

債券の残存年限が長くなると、価格変動リスクや流動性リスクに応じた高い金利(利回り)を投資家が要求するようになり、金利(利回り)が高くないと買われなくなるため、市場での金利(利回り)が高くなるのです。

そのため、イールドカーブは通常右上がりとなり、残存年限が長くなるほど金利(利回り)が高くなるのが通常で、順イールドと呼ぶのです。

逆イールドが生じる要因

債券では通常タームプレミアムが存在しているため、順イールドとなります。しかし、タームプレミアムが働いていたとしても、短期金利が異常に高くなる要因か、長期金利が異常に低くなる要因が存在していれば逆イールドとなることがあります。

例えば、急激な金融引き締めによって政策金利の影響を受ける短期金利が急上昇した場合、景気悪化が予想される環境で将来の政策金利の大幅な引き下げが想定される場合、金融危機が発生するなど大幅な金融緩和が必要とされる状況になり将来急激に政策金利の引き下げが想定される場合などが考えられます。

急激な金融引き締めで短期金利が急上昇した場合

中央銀行によって、急激に政策金利が引き上げられた場合、短期の金利が長期の金利を上回る場合があります。過去の平均よりも政策金利の水準が異常に高い場合には、いつか政策金利が引き下げられるだろうという思惑が出て、長期金利がそれほど上がらないことがあります。そのため、短期金利が長期金利を上回る逆イールドの状態が生じることがあります。

景気悪化の予想から政策金利の大幅な引き下げが想定される場合

景気循環などにより景気の悪化が想定される場合、中央銀行による金融緩和が予想されます。一方で、短期の金利は政策金利の影響を受けます。将来の景気悪化が深刻で、大幅な政策金利の引き下げが予想される場合は、短期の金利があまり下がらない一方で、長期金利が政策金利の引き下げを織り込む形で大幅に低下して、逆イールドの状態が生じることがあります。

金融危機等により政策金利の引き下げが想定される場合

景気悪化以外にも金融危機が発生するなどして、将来大幅に金融緩和が行われる可能性が高まった場合にも逆イールドが生じることがあります。短期金利は政策金利が引き下げられるまで政策金利の影響を受けてあまり下がらない一方で、長期金利は将来の政策金利の引き下げを織り込む形で下がっていくことがあります。

逆イールドあまり良くない兆候とされる

逆イールドが生じるような状況はどちらかといえば特殊で、あまり良い兆候ではないことが多いとされます。そのため、逆イールドが生じるような状況では、今後の投資環境について警戒する必要があります。景気悪化や金融危機の可能性があるのかどうかなどについて慎重に見極める必要があります。

まとめ

  • 逆イールドとは、債券の残存年限が長くなるについて金利(利回り)が低下している状況を意味し、イールドカーブが通常とは異なり右下がりとなっています。
  • 逆イールドが生じる場合は、景気後退などが予想されていることがあるため警戒が必要です。

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【逆イールドとはの記事は終わりです】

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