債券のラダー型ポートフォリオの特徴とメリットやデメリット
記事作成日:2018年5月12日
最終更新日:2021年10月23日
債券のラダー型ポートフォリオとは、残存期間が異なる債券をほぼ均等に保有する債券のポートフォリオです。
ラダー(ladder)とははしごという意味がありますが、各年限の債券をほぼ同金額ずつ保有するポートフォリオは、残存期間と保有残高をグラフ化すると、グラフがはしごのように見えるためラダー型ポートフォリオと呼ばれます。
ラダー型は、基本的に債券は満期まで持ち切って償還金で再投資を行い、ポートフォリオを維持します。また、保有する債券を一定年数で区切ることもあります。例えば11年以上20年以下のラダー型ポートフォリオを組む場合には残存期間が11年未満となった時点でその債券を売却し、20年の債券に再投資することでポートフォリオを維持することもあります。
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ラダー型ポートフォリオの特徴とメリット
ラダー型ポートフォリオを、他のブレット型など比べた場合の特徴やメリットについてです。
リスクの分散になる
ラダー型は異なる残存期間の債券に分散投資をすることになります。債券の中では残存期間ごとに分散投資を行うことになるため、特定の年限に集中的に投資した場合と比べて、金利変動リスクなどを軽減することができます。他の投資戦略と比較して中間的なパフォーマンスとなりやすい傾向があります。
機械的に売買できる
ラダー型は異なる残存期間の債券を一定金額ずつ保有する戦略であるため、複雑な投資判断などを必要としません。年数が異なる債券を淡々と一定金額ずつ購入していけばよいため、判断をする必要がなく機械的に投資を行うことが可能です。満期で償還された債券が出ても、一定のルールに従って機械的な再投資が可能です。
一定の流動性がある
ラダー型は残存期間が異なる債券を一定金額ずつ保有しますが、定期的に満期を迎える債券が発生するため、一定の流動性が確保でき、流動性リスクを下げることができます。状況次第で満期を迎えた償還金の再投資方法を変えることや、再投資を控えるということもできます。
ラダー型ポートフォリオのデメリット
ラダー型ポートフォリオを、他のブレット型など比べた場合のデメリットについてです。
中間的で大きく儲からない
ラダー型は残存期間が異なる債券に分散投資を行うため、リスクの分散に役立ちますが、同時に他の戦略よりも優れたパフォーマンスを期待することは難しくなります。分散投資になるため、他の投資戦略の中間的なパフォーマンスとなるため、他の戦略よりも大きく儲けることは難しくなります。
再投資が頻繁で手間がかかる
ラダー型は異なる残存期間の債券を一定金額ずつ保有しますが、定期的に満期償還を迎える債券が発生するため償還金での再投資が比較的高い頻度で行われ、ブレット型などと比較すると手間となります。また、満期まで持たないで一定期間未満となった場合に売却する場合でもラダー型の場合には売買の手間がかかります。
安定的に買える債券でないと構築できない
ラダー型は異なる残存期間の同種の債券を一定金額ずつ保有していきますが、異なる年限の債券が安定的に発行(供給)されていないとポートフォリオを組むことができません。そのため、必然的に安定的に発行されていて、市場での流通も多い国債でラダー型ポートフォリオが組成されることが多くなります。
まとめ
- 債券のラダー型ポートフォリオとは、残存期間が異なる債券をほぼ均等に保有する債券のポートフォリオを意味します。
- ラダー型は、異なる残存期間の債券に分散投資を行うことになるため、集中的に投資をする戦略と比較すると価格変動リスクが抑えられることがメリットですが、他の戦略よりも大きく儲けるのは難しいことがデメリットです。