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債券のOAS(オプション調整後スプレッド)とは

記事作成日:2019年3月4日

OAS(オプション調整後スプレッド)

債券のOAS(Option-Adjusted Spread、オプション調整後スプレッド)とは、満期前に繰り上げ償還の可能性がある債券等について、発行体の繰り上げ償還の権利をオプションとみなして、オプション価値を調整して求めた対国債スプレッドのことを意味します。オプション価値調整前のスプレッドからオプション価値に相当する利回りを差し引くことでOASを求めることができます。

OASは住宅ローン担保証券(モーゲージ証券(MBS)の一種)や満期前に繰上償還される可能性がある債券(コーラブル債)など利子等のキャッシュフローが不確実な資産の分析に用いられます。

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繰上償還の可能性がある債券は利子を受け取れないリスクがあり利回りが高くなる

繰上償還の可能性がある債券(コーラブル債)と、繰り上げ償還がない以外は全て条件が同じ債券(ノンコーラブル債)を想定します。

債券で満期前に繰上償還があると繰上償還以降は得られるはずだった利子が得られなくなってしまいます。そのため、繰上償還の可能性がある債券と可能性がない債券を比較すると、同じ最終利回り(繰上償還を考慮しないで計算した場合)であれば繰上償還のリスクがない債券の方が投資家にとって魅力的に移ります。繰上償還の可能性がある債券は、繰上償還されてしまえば想定していた最終利回りが得られないからです。

そのため、繰上償還の可能性がある債券は繰上償還の条項がない債券よりも利回りを高く設定しないと投資家に買ってもらえなくなります。

繰上償還の可能性がある債券は利回りが高くなるため調整をしないと比較できない

債券は繰上償還以外の条件、例えば信用力や満期などが全て同じであっても、繰上償還があるかないかで利回りに差が出ることになります。

そのため、繰上償還の可能性がある債券の最終利回りから何の調整もしないで対国債スプレッドを計算すると繰上償還の可能性がある債券のスプレッドは大きめに計算されてしまい、繰上償還の可能性があるからスプレッドが大きいのか、信用力が低いからスプレッドが大きいのか分かりづらくなってしまいます。

そこで、繰上償還の影響分を調整してスプレッドを比較することができるようにOAS(オプション調整後スプレッド)が用いられます。

繰上償還が可能な債券はコールオプションが組み込まれていると考える

繰上償還が可能な債券は発行体が買い戻すことが可能であると考え、コールオプションが組み込まれていると考えます。発行体は債券を発行し投資家が債券を購入しますが、同時に投資家は債券を買い戻す権利、すなわちコールオプションを発行体に売ったと考えます。発行体はコールオプションの権利を行使すると債券を買い戻せるのです。

そして、繰上償還可能な債券の利回りから求めた対国債スプレッドからコールオプションの価値に相当する利回りを差し引いたものをOAS(オプション調整後スプレッド)とします。OASは次のように計算されます。

「繰上償還可能な債券の対国債スプレッド」-「コールオプションの価値に相当する利回り」=「OAS(オプション調整後スプレッド)」

なお、OASを求めるためには繰上償還の部分をオプションとみなしてオプションの価値を計算する必要がありますが、オプションモデルの構築方法によってオプション価値が揺れ動く場合があることに注意が必要です。

OASは、債券など満期前に償還の可能性があるなどの理由により利払い等のキャッスフローが不確実な場合に、不確実さをオプションとみなしてオプション価値を調整した後のスプレッド(通常は無リスク資産とされる対国債スプレッド)を意味します。

まとめ

  • OASとはOption-Adjusted Spreadの略でオプション調整後スプレッドで、繰上償還の可能性がある債券(コーラブル債)等で発行体による繰上償還の権利をオプションとみなし、オプション価値を調整した後のスプレッドのことを意味します。
  • OASによって繰上償還がある債券の利回りの割高感・割安感を分析しやすくなります。

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【債券のOAS(オプション調整後スプレッド)とはの記事は終わりです】

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