債券のライジングスター(希望の星)とは
記事作成日:2019年7月11日
最終更新日:2021年10月15日
債券のライジングスター(rising star:希望の星)とは、発行体の歴史が浅いため格付けが低く非投資適格債と位置付けられているものの、経営状況が良好で将来格上げによって投資適格債となることが期待される債券のことを意味します。
また、ライジングスターは非投資適格債から投資適格債となった債券を意味している場合もありますが、基本的には非投資適格(投機的格付け)の債券(ジャンク債)で今後が期待される債券を意味します。
発行体の実績があまりない場合は、経営状況が良好であっても、将来に対する不確実性が高いため、格付けが低く位置付けられることがあります。特に設立されてからそれほど期間が経過していない会社はいつ経営状況が変化するか、財務の健全性が損なわれるか不透明な要素が大きくなると考えられます。そのため、将来性が期待できる発行体の債券であっても、非投資適格債とされることがあるのです。
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ライジングスターの特徴やメリット
ライジングスターは相対的に利回りが高く、将来の値上がりが期待されるため、ライジングスターを適切に選別することができれば、債券投資家は大きな利益を手にすることができる可能性があります。ただし、実績がないためにライジングスターとなっていて、思惑通りに格付けが上がるとは限らないため注意が必要です。
相対的に利回りが高い
ライジングスターは将来性があるとはいえ低い格付けである非投資適格債ため、投資適格債と比べると利回りは相対的に高くなります。
もちろん、格付けが低いためリスクは相対的に高いと考えられるのですが、格付けが低い理由が単に実績が短いから、設立間もないからということであれば、逆に有望な高利回りの銘柄を手に入れるチャンスだとも考えられます。
期待通り格上げされれば債券価格は上昇する
ライジングスターが期待通り格上げされていくと、リスクが低い債券だとみなされるようになるため投資家の需要が高まり、利回りは低下し、債券価格は上昇していきます。
投資家の中には非投資適格債は購入せず、投資適格債だけを購入するとしている投資家がいるため、非投資適格債から投資適格債になると購入する投資家の層に厚みが出てくる傾向があります。
ライジングスターの注意点やデメリット
ライジングスターは将来性が期待される債券ではありますが、思い通りにいかないことがあります。特に創業してから期間が短い場合は、事業が必ずしも安定しておらず、何かのきっかけで急速に経営状況が悪化することもあります。
実績は一定の信頼性を示しているため、実績があまりない会社はやはり実績がある会社よりもリスクが高いと考えられます。ライジングスターとされている債券であっても、将来が保証されているわけではないため、経営が破たんしてしまうリスクもあるのです。
まとめ
- 債券のライジングスターとは、非投資適格に分類されているものの発行体の将来性から、いずれ投資適格に格上げされることが期待される債券のことを意味します。また、非投資適格債から投資適格債となったものをライジングスターと呼ぶ場合もあります。
- ライジングスターは相対的に利回りが高いだけでなく、将来の価格上昇が見込まれることが特徴ですが、思惑通り格上げされるとは限らないことに注意が必要です。