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イールドカーブとは

記事作成日:2018年7月10日
最終更新日:2021年11月1日

イールドカーブとは

イールドカーブとは、債券の満期までの残存期間と利回りの関係をグラフ化した利回り曲線のことを意味します。

イールドカーブと水準・傾き・曲率

イールドカーブは、横軸(X軸)を債券の満期までの残存期間(年数・年限)、縦軸(Y軸)を利回りとして、同種の債券について、1年、2年、3年、4年、5年、・・・10年、20年、30年といったように満期までの残存期間ごとに利回りの点を描き(プロット)、点をつなぎ合わせて作成します。

イールドカーブは、各期間の金利が分からないと作成できないため、年限別に債券が多く発行されている国債の利回りを基に作成されることが多くなっています。スワップ金利などでもイールドカーブを作成することができます。

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イールドカーブは金利の期間構造を示している

イールドカーブは、1年、2年といった期間ごとの金利水準を示していて、いわゆる金利の期間構造を示しています。なお、金利については短期金利といった場合は1年以内(場合によっては3年以内の金利を指すこともあり)、中期金利は5年前後(2~7年程度)、長期金利は10年前後、超長期金利は10年超の期間の金利を指します。ただし、使用する人によって意味する期間が若干異なります。

イールドカーブの形状を決める3つの要素

イールドカーブ(利回り曲線)の形状を決める重要な3つの要素は水準、傾き、曲率(曲がり具合)です。

イールドカーブの水準

イールドカーブ全体の金利水準が高いか、低いかということです。個々の期間の金利は傾きや曲率によって高かったり、低かったりすることがありますが、主にイールドカーブ全体の金利水準が高いか低いかを意味します。

イールドカーブの傾き

イールドカーブの傾きが右上がりか右下がりかあるいは平たんか、傾きは急なのか緩やかなのかということです。長期金利と短期金利の差が大きいと傾きは急になり、差が小さいと傾きは緩やかとなります。差がなければ平たん(フラット)となります。

順イールドと逆イールド

イールドカーブが右上がりで期間が長くなるほど金利が高くなる場合を順イールド(短期金利<長期金利)、右下がりで期間が長くなるほど金利が低くなる場合を逆イールド(短期金利>長期金利)といいます。

イールドカーブの曲率

イールドカーブの曲率(曲がり具合)が大きいか小さいかということです。中期金利と長期・短期金利の差が大きいとイールドカーブはより丸みを帯び(バタフライ)、差が小さいとより直線的になります。

イールドカーブの形状変化

イールドカーブの形状変化には、イールドカーブの各期間の金利がほぼ同程度変化することでイールドカーブが平行に動くパラレルシフトと、各期間の金利の変化が異なるために平行ではない動きをするノンパラレルシフトがあります。

ノンパラレルシフトには、傾きが急になるスティープ化(スティープニング)、傾きが緩やかになるフラット化(フラットニング)、イールドカーブにねじれが起きるツイスト(ツイストは基本的にスティープ化あるいはフラット化となります)、曲率が変化するバタフライなどがあります。

パラレルシフトの例

各期間の金利が同じ方向に同程度に変化するパラレルシフトの例です。

パラレルシフト(金利上昇)

ノンパラレルシフトの例(スティープ化、フラット化、ツイスト、バタフライ)

イールドカーブが平行ではない移動をするノンパラレルシフトの例です。

スティープ化

ベア・スティープニング

フラット化

ブル・フラットニング

ツイスト

ツイスト・スティープニング

バタフライ

ネガティブバタフライシフト(金利上昇)

ブルとベア

金利が低下して債券価格が上昇することとブル、金利が上昇して債券価格が下落することをベアといいますが、金利が低下しながらスティープ化することをブルスティープ、金利が低下しながらフラット化することをブルフラットといいます。金利が上昇しながらスティープ化することをベアスティープ、金利が上昇しながらフラット化することをベアフラットといいます。

イールドカーブの形状を決める要因

イールドカーブの形状を決める要因として、期待理論(純粋期待仮説)、流動性プレミアム仮説、市場分断仮説などがあり、債券市場における市場関係者の金利の見方や需給が反映されています。

期待理論(純粋期待仮説)

期待理論(純粋期待仮説)とは、イールドカーブは投資家の金利の期待(予想)に基づいて決定されるという考え方で、長期金利は将来の短期金利の予想の平均によって決まるとされています。

流動性プレミアム仮説

流動性プレミアム仮説とは、金利は期間が長くなるほど価格変動や流動性に関するリスクが大きくなり、リスクの大きさに見合った金利の高さでないと投資家が投資をしないため、金利は期間が長くなるほど高くなるためイールドカーブは順イールドになるという考え方です。

市場分断仮説

市場分断仮説とは、年限が異なる債券間では裁定取引が働かず、債券間で市場が分断されているため、それぞれの債券の需給によって金利、イールドカーブが決定されるという仮説です。短期金利よりも長期金利が高い順イールドは、短期の金利への投資家が多いためだと説明されます。

まとめ

  • イールドカーブとは、債券の満期までの残存期間と利回りの関係をグラフ化した利回り曲線のことを意味します。横軸(X軸)を債券の満期までの残存期間(年数・年限)、縦軸(Y軸)を利回りとして、同種の債券について、満期までの残存期間ごとに利回りの点を描き(プロット)、点をつなぎ合わせて作成します。
  • イールドカーブは水準、傾き、曲率(曲がり具合)によって形状が決まります。イールドカーブの形状を決定づけている要因の考え方には、期待理論(純粋期待仮説)、流動性プレミアム仮説、市場分断仮説などがあります。

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【イールドカーブとはの記事は終わりです】

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