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ゼロクーポン債(割引債)とは何か・特徴と投資の注意点

記事作成日:2017年12月11日
最終更新日:2021年10月25日

ゼロクーポン債(割引債)とは

ゼロクーポン債とは、クーポン(利子・利息)がゼロ、つまり利息がない債券のことです。ゼロクーポン債はクーポン(利子・利息)がない代わりに、満期で償還される金額(額面金額)よりも低い金額で発行(割引発行)されるため、発行金額と償還金額の差額が償還差益として利益・儲けになります。ゼロクーポン債は割引債と呼ばれ、反対の言葉はクーポン、つまり利子・利息がある利付債になります。

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ゼロクーポン債(割引債)の特徴と投資する場合の注意点

ゼロクーポン債(割引債)の特徴と投資する場合の注意点についてです。

ゼロクーポン債は発行金額と額面金額の差額が利益に

ゼロクーポン債の利益

ゼロクーポン債(割引債)では、クーポンがないため発行金額(購入金額)と償還金額(額面金額)の差額が償還差益として儲けになります。通常ゼロクーポン債は満期時の償還金額(額面金額)よりも低い価格で発行されます。

なお金利が極めて低い環境下では、理論的には発行金額(購入金額)が償還金額(額面金額)を上回って償還差損となる場合も考えられます。額面金額よりも高い金額で発行される場合を打歩発行、額面金額と発行金額が同じ場合を平価発行と呼びます。

ゼロクーポン債は利息がないため途中でお金が入ってこない

ゼロクーポン債はクーポン(利子・利息)がないため、途中で売却をしない限りお金が全く入ってきません。購入してから満期までの間全くお金が入ってこないことになるため、途中でお金が入ってくる金融資産よりも資金の拘束性が高くなってしまいます。

満期になれば償還金額がまとまって入ってくるかもしれませんが、ゼロクーポン債の場合には途中で得た利息を再投資、というようなことができないため注意が必要です。

ゼロクーポン債の流動性リスクに注意

債券は全般的に株式よりも流通市場が活発ではなく、流動性リスクがあります。途中でゼロクーポン債を手放したいと思った場合には、流通市場が活発であれば適正な市場価格が形成されやすいため、証券会社に相対取引で買い取ってもらう場合でも妥当な価格で売却できるかもしれません。

しかし、流通市場が活発でない場合に証券会社に相対取引で買い取ってもらう場合には、参考にできる価格がなく、安く買いたたかれてしまうリスクがあります。証券会社も顧客からゼロクーポン債を買い取ることにはリスクがあるため、ある程度価格に余裕を見て買わなければいけないからです。

途中で売却する可能性に備えて、購入時には途中で売却をする場合にはどうなるのかよく確認しておくことが大切です。

ゼロクーポン債は利回りの計算がしやすい

ゼロクーポン債は途中でクーポン(利子・利息)による収入がないため、お金の流れが発行時の購入(あるいは途中での購入)と償還(あるいは途中での売却)時の2時点だけになるため、お金の流れが分かりやすく、利回りの計算もしやすいと言えます。

単利の利回りの計算は、利回り=((償還金額(額面金額)-発行金額(購入金額))÷満期までの年数)÷発行金額(購入金額)となります。

複利の利回りの計算は、発行金額(購入金額)×(1+利回り(%))満期までの年数=償還金額(額面金額)なので、利回り=満期までの年数√(償還金額÷購入金額)となります。

ゼロクーポン債は利回りが倒産などデフォルトの場合を除き確定する

ゼロクーポン債に限りませんが、債券で満期保有を前提とする場合、確定利付債、ゼロクーポン債(割引債)は発行体が倒産する、財政破綻するなどによって予定通り償還されないデフォルトの場合を除いて、利回りが確定することになります。

デフォルトの場合を除く、購入金額はいくら、額面金額はいくらとはっきり決まっているため、利回りが基本的に確定し、いくら利益が出るかが確定します。

ゼロクーポン債は予定通り償還されるかに注目(信用リスク)

ゼロクーポン債は購入した後は、途中で売却しない限り満期で償還されるまでお金が入ってきません。つまり、満期で予定通りきちんと額面金額が償還去れるかどうかが重要になります。万が一全く償還されなかったり、減額されて償還されたり、償還時期が延期されてしまったりしてしまうと、予定通りの利回りが得られないことになります。

債券全般に言えることですが、満期保有を目的にする場合、債券で重要なのは債券の発行体は予定通り満期に償還するか、つまり信用力があるかどうかということになります。

ゼロクーポン債が外国債券の場合は為替変動リスクにも注意

日本にもゼロクーポン債(割引債)はありますが基本的に機関投資家向けの商品となることが多いです。一方で、外国通貨建ての外国債券であるゼロクーポン債を購入する場合には為替変動リスクがあることに注意が必要です。

特に新興国のゼロクーポン債の場合には、新興国通貨の為替変動リスクが大きすぎて、為替変動だけで償還差益を上回る変動をしてしまうことも考えられます。

まとめ

  • ゼロクーポン債(割引債)とはクーポン(利子・利息)がない債券で、通常は償還金額よりも割安な金額で発行されます。ゼロクーポン債は購入金額と償還金額(売却金額)の差額が利益または損失になる債券です。
  • ゼロクーポン債に投資する場合には、他の債券投資と同様に予定通り償還されるかどうかに注意が必要です。また、途中で売却する場合にどうなるのかについても購入時には確認しておいた方がいいでしょう。ゼロクーポン債が外国通貨建ての外国債券の場合には為替変動リスクにも注意が必要です。

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【ゼロクーポン債(割引債)とは何か・特徴と投資の注意点の記事は終わりです】

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