金投資のメリットとデメリット・リスク
記事作成日:2017年9月5日
最終更新日:2022年1月10日
金を買うメリットとデメリット・リスクについてです。金に投資する方法には、先物投資、ETF、積立投資、金貨などの方法がありますが、金投資のメリットは、金には株式や債券のようなデフォルトリスクなどがなく、価格の動きも株式とは異なるため投資によって分散効果があることです。一方で金には金自体の価格変動リスクと為替変動リスクがあるほか、金自体は配当や利息がないため価格変化だけが収益の源泉になることがデメリットです。
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金投資のメリット
金投資のメリットについてです。
金自体に価値がある
金は実物資産で昔から金自体に価値が認められてきた資産です。金は埋蔵量に限りがあり希少性がある資産で、産業用・宝飾用・投資用の需要があるほか、各国の中央銀行も外貨準備の手段として金を保有しています。
金は安全資産とされ株価などと価格の動きが異なる
金は安全資産と呼ばれることがあります。金は株式などのリスク性資産と違って、株価が下落するような場合に資金の逃避先として選ばれ価格が上昇することがあるからです。そのため、投資対象に組み入れることで分散投資につながり分散効果が得られます。金と株式の相関係数は低めになっています。
金にカントリーリスクやデフォルトリスクがない
金はどこかの国に所属しているわけではありません。株式や債券であれば発行元の国や企業があり、国や企業にリスクが生じた時は価格が下落します。通貨も発行元の国があるため、国にリスクが生じた時は価格が下落します。つまり、金にはカントリーリスクや信用リスク、デフォルトリスクのようなものがないのです。ただし、将来何らかの理由で金が無価値になる可能性がないという意味ではありません。
金の実物(現物)を持つことができる
金は実物がある資産です。価値がある金の現物を引き出して手元に置いておくこともできます。いざという時は自分でもって運べるのです。手元にあるということに安心感を得られる場合もあります。
生産コストが下値のめどになる
金などの実物資産は、需給によって価格が形成され、妥当な価格水準を見いだすのが難しいですが、下値の目途として生産コストがあります。金の価格が生産コストを割ると採算割れとなるため、供給が手控えられるようになって減少するため、価格が生産コストを割り込むような水準まで下落すると、価格が下がりづらくなるのです。
金はインフレへの対応が可能
金は実物資産で物価が上昇すると価格が上昇する傾向があるため、インフレにも対応が可能な資産だと考えられます。
積立投資は時間分散になる(ドルコスト平均法)
積立投資の場合には、一定の期間ごとに定期的に買い付けるため、ドルコスト平均法によって購入価格の時間分散を図ることができます。購入価格が平均から極端に高くなったり、低くなったりする可能性が低下します。
金投資のデメリット・リスク
金投資のデメリットやリスクについてです。
金からは配当金や利息がない
金には株式の配当金や預金や債券の利息(利子)がありません。金に投資して利益を得るためには金価格が値上がりして、買った金額よりも高い金額で売らなければいけません。なお、金の積立投資では利息のようなボーナスが付く場合がありますが、金が配当金や利息を生み出したわけではなく、金の販売会社が特典として付けているものです。
価格変動リスクがある
金価格は、市場で取引が行われるため、比較的変動が大きくなっています。株価のように大きな価格変動が生じることがあるため注意が必要です。当然、金価格は元本が保証されているわけではないので、元本割れをする可能性があります。将来、何らかの理由によって金の価値が失われてしまう可能性もあります。
金価格は為替変動リスクがある
金はドル建てで取引されるためドル建ての金の売買を行う場合は直接的に為替変動の影響を受けるため為替変動リスクがあります。また、国内において日本円建てで金を購入する場合でも、国内の金相場は国際的な金相場に連動するため、国際的な金価格の変動とドル円レート(為替)の変動の影響を受けます。そのため、金投資には為替変動リスクの影響があります。
保管する場所が必要
金は実物資産なので保管する必要が生じます。通常は購入先の貴金属販売会社などに預けておきますが、年会費や保管料などが発生する場合があります。また、自分で保有する場合は金庫などを準備する必要が生じます。もちろん、金庫などではなく普通のタンスや収納の引き出しに入れておくことも可能ですが、保管する場所は必要になります。
預け先の破綻の影響を受ける場合がある
金投資を行う際に、貴金属販売会社などに購入した金を預ける方法として消費寄託と混蔵寄託または特定保管があります。消費寄託を行う場合には、預けている金が戻ってこないリスクがあります。
消費寄託
消費寄託は貴金属販売会社などに金を預ける際に一旦貴金属販売会社などに金の所有権が移ります。そのため、貴金属販売会社などが倒産した場合には預けた金が差し押さえられて戻ってこないリスクがあります。
混蔵寄託・特定保管
混蔵寄託・特定保管は貴金属販売会社に金を預かってもらいますが、金の所有者は投資家のままです。そのため、貴金属販売会社などが倒産した場合に、預けた金が戻ってこないリスクは基本的にありません。
金の実物は紛失・盗難のリスクがある
金の実物は紛失や盗難のリスクがあります。金は安定した物質なので損傷・破損のリスクは低いと考えられますが、失くしてしまうリスクや盗まれてしまうリスクがあります。自然災害の場合には保管場所が被害を受けた場合に、金がなくなってしまうかもしれません。
まとめ
- 金投資のメリットとして、金自体に価値がある、株価などとの相関が低く分散投資になる、デフォルトリスクがないことなどが挙げられます。
- 金投資のデメリット・リスクとして、金には配当や利息がない、価格変動リスクや為替変動リスクがある、紛失・盗難のリスクがあるなどが挙げられます。