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為替ヘッジあり(ヘッジ付き)とヘッジなしのメリットとデメリット

記事作成日:2019年10月7日

為替ヘッジとは、為替の先物取引の一種である為替予約などを活用し、あらかじめ将来行う為替取引の為替レートを固定するなどして、外貨建て資産の為替変動リスクを回避することを意味します。為替ヘッジを行うと通貨国間の短期金利差に相当するヘッジコストと呼ばれるコストが生じます。

為替予約による為替ヘッジ

為替ヘッジは外貨建て資産全体に対して行うフルヘッジ(ヘッジ率100%)の場合もあれば、部分的に為替ヘッジを行う場合もあります。ヘッジ率0%は為替ヘッジなしとなり、一部でも為替ヘッジが行われていれば為替ヘッジあり(為替ヘッジ付き)となります。為替ヘッジあり(ヘッジ付き)でも必ずしもフルヘッジ(ヘッジ率100%)とは限らないことに注意が必要です。

個人投資家の場合は外貨建て資産を購入した時に自ら為替ヘッジを行うということは現実的ではなく、外貨建て資産に投資する投資信託で為替ヘッジありのものを選ぶか、為替ヘッジなしのものを選ぶかというような時に、為替ヘッジが関係してきます。

為替ヘッジありと為替ヘッジなしの大きな違いは、為替変動リスクがあるかどうか、ヘッジコストが発生するかどうかです。ヘッジありは為替変動リスクがない代わりにヘッジコストが生じ、ヘッジなしは為替変動リスクはありますがヘッジコストは生じません。

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為替ヘッジありのメリット

為替ヘッジありのメリットは為替変動リスクを回避できるため、為替差損が発生しない(フルヘッジの場合)、為替レートによる価格変動リスクが抑えられることが挙げられます。

為替変動リスクを回避できる

為替ヘッジを行うことで、外貨建て資産の為替変動リスクを回避することができます。円高ドル安のように外国通貨安となった場合でも、為替ヘッジを行っていれば為替差損が生じない(ヘッジ率100%の場合)か、為替差損が生じても損失が限定されます(ヘッジ率100%未満の場合)。

外貨建ての外国株式は外国株式と為替の価格変動リスクがありますが、100%の為替ヘッジを行うことで、ヘッジコストがかかるものの、為替変動リスクをなくし、外国株式の為替変動リスクに限定することができます。

為替ヘッジによる為替変動リスクの回避

為替ヘッジありのデメリット

為替ヘッジありのデメリットは、ヘッジコストがかかることと、為替で儲けられないことです。

ヘッジコストがかかる

ヘッジコストとは、為替ヘッジを行う時に生じる為替ヘッジの対象となる通貨の金利と円の金利の差に相当するコスト(費用)のことです。

ヘッジコストは金利が低い通貨の方で高金利通貨から低金利通貨に変える為替予約取引を行う場合に発生します。例えば、円(日本)の金利よりもドル(米国)の金利が高い場合、円にとっての外貨はドルになりますが、取引開始時に現在の為替レートで円をドルに変換して運用し、取引終了時に為替予約のレートでドルを円に変換する場合、取引終了時の「ドル→円」の為替予約の取引でヘッジコストが発生します。つまり、高金利通貨を低金利通貨に変える時に為替予約を行うと低金利通貨側でヘッジコストの負担が発生します。

ヘッジコストが発生しないとすると、高金利通貨で運用した方が有利となるため、為替予約などの取引で取引者間に有利不利が出てしまいます。為替予約を行った時に取引者双方に理論上有利不利が生じないように調整する役割を果たすのがヘッジコストです。

為替レートが有利な方向に動いても儲からない

為替ヘッジ(ヘッジ率100%)で将来の取引の為替レートを固定してしまうと、仮に為替レートが自分にとって有利な方向に動いたとしても、為替差益を受け取ることはできません。儲けられるはずだった為替差益を手に入れることができず、いわば機会損失となってしますのです。

もちろん、為替レートは不利な方向に動くこともあれば、有利な方向に動くこともあるので、一概には言えませんが、為替ヘッジを行うことで為替レートの変動による収益の機会を失ってしまうことになるのです。

為替ヘッジなしのメリット

為替ヘッジをかけなければ為替差益が得られる場合があります。ヘッジコストがかからないこともメリットです。

為替差益が発生することがある

為替ヘッジをしないということは、為替変動リスクを取るということなので、為替レートが有利に動いた場合(日本からドル建て資産に投資する場合は円安ドル高)には為替による利益、為替差益が発生することがあります。

為替ヘッジをすると得られたはずの為替差益を得られないことがありますが、為替ヘッジを掛けなければ外貨に投資していることになるので、為替レートの変動も収益の源泉とすることが可能です。

ヘッジコストがかからない

為替ヘッジをすると将来の取引を行う際の為替レートが固定されますが、2通貨間の金利差によって生じるヘッジコストの負担をしなければいけなくなります。2通貨間で金利差が大きい場合、ヘッジコストが大きくなってしまうため、ヘッジコストを上回るリターンが外貨建て資産から生じないと、ヘッジコストだけで損失になってしまうこともあります。

しかし、為替ヘッジを掛けなければヘッジコストがかからないため、ヘッジコストの分だけ多く稼がなければいけないということがなくなります。

為替ヘッジなしのデメリット

為替ヘッジなしの場合には為替変動リスクが生じることがデメリットです。

為替変動リスクが生じる

為替ヘッジをしない場合には為替変動リスクを負うことになります。そのため、為替レートが不利に動いた場合(日本からドル建て資産に投資する場合は円高ドル安)には為替による損失、為替差損が発生してしまいます。

また、外貨建て資産自体の現地通貨建ての価格変動リスク(外国株式であれば株価変動リスク、外国債券であれば債券価格変動リスク)に加えて、為替変動リスクを負うため、外貨建て資産の円建ての価格変動リスクは大きくなります。

まとめ

  • 為替ヘッジとは、為替の先物取引の一種である為替予約などを活用し、あらかじめ将来行う為替取引の為替レートを固定するなどして、外貨建て資産の為替変動リスクを回避することを意味します。
  • 為替ヘッジありのメリットは為替変動リスクを回避できることです。デメリットはヘッジコストがかかることと為替差益が得られなくなることです。

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【為替ヘッジあり(ヘッジ付き)とヘッジなしのメリットとデメリットの記事は終わりです】

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