日米金利差・内外金利差とは
記事作成日:2018年5月8日
最終更新日:2022年2月2日
日米金利差とは日本と米国の金利差のことで通常米国の金利の方が高いため、「日米金利差=米国の金利-日本の金利」で計算されます。日本と米国の金利は2年国債利回りや10年国債利回りが良く用いられます。内外金利差とは、日本と特定の海外の国の金利差を意味し「内外金利差=特定の海外の国の金利-日本の金利」で計算されます(差し引く順序が逆の場合もありえます)。日米金利差や内外金利差は為替レートの動きと密接な関係があります。
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日米金利差・内外金利差と為替レート
2国間で金利差がある場合には、金利が低い国から金利が高い国へと資金の移動が発生します。高い金利の国は期待収益率(期待リターン)が高いからです。そのため、金利が低い国の通貨は売られて通貨安となります。金利が高い国の通貨は買われて通貨高となります。
そのため、日米金利差・内外金利差と為替レートには密接な関係があり、日米金利差や内外金利差が拡大する場合には、円安ドル高、円安外国通貨高の傾向となります。逆に日米金利差や内外金利差が縮小する場合には、円高ドル安、円高外国通貨安の傾向となります。
もちろん、日本と他の国という関係に限らず、他の国同士の金利差と為替レートについて同様の関係があります。
日米金利差・内外金利差で用いる金利
金利として、2年国債利回りが良く用いられますが、10年国債利回りや政策金利などを金利として用いる場合もあります。その時々で注目されている指標、為替レートとの高い連動性を示す指標が変化することに注意が必要です。ある時は2年の金利差が為替レートとの連動性が高く、別の時は10年の金利差が為替レートとの連動性が高い、というようなことがあります。
金利差以外の要因によっても為替レートは変動する
為替レートは金利差によって変動することもありますが、金利差以外の要因によっても変動します。例えば、日米金利差とドル円レートの長期的な推移をグラフ化しても、大まかな傾向として連動する場合があることを見出すことができますが、完全には連動しません。
日米金利差はドル円レートを動かす要因の1つではありますが、他にも為替レートを動かす要因があるためです。その時々で為替レートに影響を与える要因は異なっていて、内外金利差との連動が大きい場合もあれば、そうでない場合もあるのです。
為替レートの重要な変動要因として金利差を意識しておく
日米金利差などの2国間の金利差はその2国間の通貨ペアの為替レートの重要な変動要因の1つです。しかし、金利差がすべてではありません。
そのため、外国為替投資(FXなどを含む)では、為替レートの先行きを予測するためには、為替レートの重要な変動要因として金利差を意識しておくことは必要ですが、他の様々な要因も同時に意識しておくことが大切です。
まとめ
- 日米金利差とは、日本と米国の金利差のことで通常は「日米金利差=米国の金利(10年国債利回りや2年国債利回り)-日本の金利(10年国債利回りや2年国債利回り)」で計算します。内外金利差とは、日本と特定の海外の国の金利差を意味し「内外金利差=特定の海外の国の金利-日本の金利」で計算します。
- 日米金利差や内外金利差、あるいは日本以外の国同士の金利差は、為替レートの動きと密接な関係があります。金利が高い国の通貨は買われやすいため通貨高となりやすく、金利が低い国の通貨は売られやすいため通貨安となりやすいため、金利差の拡大・縮小と為替レートの動きが連動することがあります。