通貨スワップと為替スワップの違いと共通点
記事作成日:2020年10月13日
最終更新日:2021年10月2日
通貨スワップと為替スワップは、取引当事者が相互に通貨を交換するという点は共通していますが、取引期間中に金利(利息)の交換を行うものが通貨スワップ、金利(利息)の交換を行わないものが為替スワップという違いがあります。また、通貨スワップは1年以上の長期、為替スワップは1年以内の短期となる傾向がありますが、取引期間は絶対的なものではありませんが、特徴的な違いとなります。
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通貨スワップと為替スワップの共通点
通貨スワップと為替スワップは取引当事者が相互に異なる通貨を一定期間交換するという点は共通です。また、単に通貨を一定期間交換するだけではなく、通貨が異なると金利も異なりますが、何らかの形で通貨間の金利の調整が行われることも共通点です。ただし、金利の調整方法が異なります。
通貨スワップと為替スワップの違い
通貨スワップと為替スワップの違いは取引期間中の金利の交換の有無です。取引期間中に金利の交換を行って通貨間の金利差を調整するのが通貨スワップ、取引期間中に金利の交換を行わず取引終了時に金利差が反映されたフォワードレートで逆方向の通貨の交換を行うことで金利差を調整するのが為替スワップです。
利払い時の金利の交換の有無の違い
通貨スワップと為替スワップの違いは、取引期間中に金利(利息)の交換をするかどうかという点で分けることができます。通貨スワップでは取引期間中に、固定金利あるいは変動金利を交換して相互に利息に相当する金額の支払いを行います。一方、為替スワップでは、取引期間中の金利の交換は行いません。
では、為替スワップでは通貨同士の金利の違いを考慮しないかというとそうではなく、通貨間の金利の違いは取引終了時の交換レートに反映されます。通常の為替スワップでは、今の為替レート(スポット)で今通貨を交換する為替直物取引と、今予約できる将来の為替レートで将来通貨を交換する為替先渡取引をセットで行いますが、将来の交換レートには金利差が反映されているため、期中に金利を交換しなくても通貨間の金利差を取引に反映させることが出来るのです。
通貨スワップの取引の流れの図
通貨スワップ(クロスカレンシースワップ)の取引の流れは次のようになります。
為替スワップの取引の流れの図
為替スワップの取引の流れは次のようになります。
取引期間の違い
通貨スワップと為替スワップの違いとして取引期間の違いを挙げることができます。例外はありますが、通貨スワップは1年以上の長期間、為替スワップは1年以内での短期間になる傾向があります。ただし、取引期間の長短によって通貨スワップと為替スワップが分類されるわけではない点に注意が必要です。
為替スワップは取引開始時のフォワードレートに基づいて取引終了時の交換レートをあらかじめ決めておきますが、1年以上の長期間となる場合は、極端なレートになってしまう場合があることなど取引のしづらさが背景にあると考えられます。
まとめ
- 通貨スワップと為替スワップは、取引当事者が相互に通貨を交換することが共通点です。
- 通貨スワップと為替スワップの違いは、通貨スワップは取引期間中に金利の交換を行う一方、為替スワップは取引期間中に金利の交換を行わないということです。