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株式先渡取引とは

記事作成日:2019年11月12日
最終更新日:2021年9月20日

株式先渡取引とは

株式先渡取引とは、買い手と売り手の個別的な取引によって株式を将来の特定の日に特定の金額で売買することを約束して行う取引です。先渡取引は現物の受け渡しで決済を行うことが多いですが、株式先渡取引ではよく差金決済が行われます。株式先渡取引は株式予約取引と呼ばれることもあります。

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先渡取引とは

先渡取引(フォワード(foward))とは、買い手と売り手の間の個別的な相対取引(店頭取引)で、将来の特定の日に特定の資産をあらかじめ決めた特定の金額で売買することをあらかじめ約束して行う取引のことをいいます。金融デリバティブのうち先物取引の一種です。

株式先渡取引での先渡価格

株式先渡取引での先渡価格や決済時の基準とする株価は現在の株価(時価)を基に、将来の特定の日までの金利の影響や手数料を考慮して当事者間の合意の下で条件が決められます。

株式先渡取引の損益

株式先渡取引は将来の決済の時点で基準とする株価と先渡価格の差によって損益が決まります。契約によっては単純な差ではなく、差の何%を決済するという取引内容としている場合があります。例えば、将来の特定日の株価と先渡価格の差の90%を受け渡すというような場合です。

買い建ての場合は「将来の株価-先渡価格」が利益あるいは損失となります。株価が上がれば利益になります。

売り建ての場合は「先渡価格-将来の株価」が利益あるいは損失となります。株価が下がれば利益になります。

ヘッジ目的の株式先渡取引

金融機関などでは価格変動リスクをヘッジ(回避)することを目的として株式先渡取引を行うことがあります。長期間保有が想定される株式があるものの、保有していることに意味があって、株価変動リスクは負いたくないという場合には、株式先渡取引で売り建てます。

株価が下落した場合には、保有株式が値下がりしてしまいますが、売り建てた株式先渡取引は値下がりした分だけ差金を受け取ることができます(実際には単純な「先渡価格-決済時の株価」だけ差金をやり取りするとは限らず、契約内容に応じてどの程度の差金のやりとりが発生するかは異なります)。

ヘッジ目的の株式先渡取引(株価下落時)

株価が上昇した場合には、保有株式が値上がりしますが、売り建てた株式先渡し取引からは値上がり分だけ差金を払うため損失となります。

株式先渡取引を行うと、保有株式の株価が上がっても、下がっても、契約に含まれる手数料に相当する何らかのコストを除いて、価格変動の影響を回避できます。

ヘッジ目的の株式先渡取引(株価上昇時)

  • 株価下落時:保有株式→値下がり、株式先渡取引(売建)→利益
  • 株価上昇時:保有株式→値上がり、株価先渡取引(売建)→損失

自社株式先渡取引とは

事業会社などでは、自社株式の先渡取引を行うことがあります。自社株式先渡取引は自社株式を対象に先渡取引を行いますが、通常は決済時に現物決済ではなく差金決済が行われるため、自社株式先渡取引で買い建てても、実際に自社株式を購入することはなく差金のやりとりだけで取引が完結します。

自社株式先渡取引の買建は、株価が上昇すると将来の決済時に差金を得ることができます。

自社株式先渡取引(株価上昇時)

将来自社株買いを行う可能性があるものの、現時点では財源の問題などから実施できない場合に、自社株式先渡し取引が行われることがあります。

自社株式先渡取引を行うことで自社株が値上がりしても値上がり分の差金が得られるようにしておくことで、将来の自社株買いを円滑に行うことができるようにするのです。

自社株買いは分配可能額の範囲内で行わなければならないという財源規制があることや、資産状況に十分なゆとりがないことなどから直ちには実行が難しいことがあります。その場合に自社株が値上がりしてしまうと、自社株式の取得コストが上がってしまいますが、自社株式先渡取引で買建ておくと、値上がり分をカバーできるのです。

なお、自社株式先渡取引は自社株式予約取引と呼ばれることもあります。

まとめ

  • 株式先渡取引とは、株式の先物取引の一種で、買い手と売り手の個別的な取引によって将来の特定の時点に特定の株式をあらかじめ決めた先渡金額で売買することを約束して行う取引です。先渡取引は現物の受渡しが基本ですが、株式先渡取引では損益の金額のみをやりとりする差金決済が中心です。
  • 株式先渡取引は、金融機関などがヘッジ目的で行うほか、事業会社などが自社株買いに備えて行うことがあります。

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【株式先渡取引とはの記事は終わりです】

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