為替スワップとは
記事作成日:2020年10月11日
最終更新日:2021年10月1日
為替スワップ(foreign exchange swap)とは、取引開始時に異なる通貨を交換し、一定期間経過後に逆の交換を行う為替取引のことを意味します。例えば、片方の取引当事者から見て、取引開始時は日本円売り・米ドル買いを行い、取引終了時は日本円買い・米ドル売りを行うことを約束するスワップ取引です。
為替スワップは、通常は、現在の為替レート(スポットレート)で為替取引を行う為替直物取引と、取引終了時の先渡為替レート(フォワードレート、先物為替レート)で反対方向の売買を行う為替先渡取引を同時に行います。ただし、先物(先渡)取引同士の組み合わせでスワップ取引を行うことも考えられます。
- 為替直物取引:今の為替レートで、今通貨を交換
- 為替先渡取引:今予約した将来の為替レートで、将来為替を交換する
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為替スワップを行う意味
為替スワップ取引で取引開始時に自国通貨売り、外国通貨買いを行うことで、外国通貨を調達することができます。自国通貨を担保にした外貨の調達と位置付けることも可能です。また、為替先渡取引を同時に行うため、為替リスクをヘッジする(避ける)ことになります。
為替スワップの仕組みの図
通常の為替スワップは、取引開始時に異なる通貨を、現在の為替レートで交換します(直物取引)。そして、取引終了時には、逆方向の取引を行いますが、あらかじめ取引開始時に将来の取引終了時の為替レートを決め固定しておき、取引期間中の為替レートの変動に関わらず、予約しておいた為替レートで取引開始時と逆方向の為替取引(先渡取引)を行います。取引期間中に金利(利息)の交換などは発生しません。
為替スワップのレート
為替スワップの取引レートは、取引開始時は現在の為替レート(スポットレート)となります。
一方、取引終了時の為替レート(フォワードレート)は現在予約する将来の為替先渡レート(フォワードレート)となります。
将来の特定の時点の現在の為替レートの水準と、取引を行う2通貨間の金利差によって決定されます。例えば、現時点で3か月後に予約可能な為替レートを求める場合、現在の為替レート(スポットレート)が、1ドル=100円、3か月物の円金利が年率0.08%、3か月物の米ドル金利が年率1.00%の時、日本円100円をそのまま3か月運用すると100+100×0.0008×3/12=100.02(円)、日本円100円を米ドル1ドルと交換して3か月運用すると1+1×0.01×3/12=1.0025(ドル)となります。100.02円と1.0025ドルが等価となる為替レートは100.02÷1.0025=99.77057…≒99.77から、1ドル=99.77ドルが3か月物の為替先渡レート(フォワードレート)となります。
ただし、為替先渡レートは、将来その為替レートがスポットレートとして実現されること意味しているわけではなく、また、為替がそのように動くという市場の予想を反映したものとも異なります。
まとめ
- 為替スワップ(foreign exchange swap)とは、取引開始時に異なる通貨を交換し、取引終了時に逆の交換を行う為替取引のことを意味します。
- 通常は、現在の為替レート(スポットレート)で為替取引を行う為替直物取引と、取引終了時の先渡為替レート(フォワードレート)で反対方向の売買を行う為替先渡取引を同時に行います。