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先物取引と先渡取引の違い

記事作成日:2017年8月11日
最終更新日:2021年9月19日

先物取引と先渡取引の違い

先物取引とは何か、先渡取引とは何かについてと、先物取引と先渡取引の違いについてです。先物取引と先渡取引は将来の特定の時点に特定の資産を特定の金額で売買することをあらかじめ約束して行う取引であることは共通していますが、先物取引が取引所を介する取引である一方、先渡取引は個別性が高い相対取引(店頭取引)である点が異なっています。

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先物取引(フューチャーズ(futures))とは

先物取引(フューチャーズ(futures))とは、将来の特定の日に特定の資産をあらかじめ決めた特定の金額で売買することをあらかじめ約束して行う取引のことをいいますが、特に取引所が介在する取引所取引を意味します。

取引所が介在するため、取引単位、取引品目、取引の満期日、決済方法などが標準化されています。取引所が取引の保護を行うため取引リスクは低いと言えます。

先物取引は取引が標準化されて、取引所に多数の取引参加者がいるため、満期日前に反対売買によって取引を完結させることも可能です。先物取引は原則として差金決済が行われますが、例外的に現物決済が行われる場合があります。

先渡取引(フォワード(foward))とは

先渡取引(フォワード(foward))とは、買い手と売り手の間の個別的な相対取引(店頭取引)で、将来の特定の日に特定の資産をあらかじめ決めた特定の金額で売買することをあらかじめ約束して行う取引のことをいいます。

取引内容は買い手と売り手の間で交渉によって個別的に決められます。個別性が高い取引になるため、流動性は低く、取引にはカウンターパーティーリスクがあります。

先渡取引は、原則として満期日に現物で決済が行われます。ただし、差金決済を行う場合もあります。また、満期日前に取引を解消する場合には相手方との交渉が必要となりますが、基本的に難しいと言えます。

先物取引と先渡取引の共通点と違いの比較表

先物取引と先渡取引の共通点と違いを比較すると次の表のようになります。

先物取引と先渡取引の共通点と違いの比較表
共通点・違い先物取引先渡取引
共通点将来の特定の時点に特定の資産を特定の金額で売買することをあらかじめ約束して行う取引
取引形態多数が参加する取引所取引個別性が高い店頭取引(相対取引)
取引内容標準化されている個別に交渉で決定
取引保護取引所が介在相手方次第
決済日満期日前も可能満期日・変更には交渉が必要
決済方法原則差金決済(現物決済の場合も)原則現物決済(差金決済の場合も)
価格形成取引所取引なので歪みづらい歪む可能性がある
取引リスク低い高い(カウンターパーティーリスク)
流動性高い低い
証拠金必要な場合がある基本的に不要
必要資金基本的に100%は必要ない基本的に取引金額の100%が必要

(出典)fromportal.comの担当者が作成

先物取引(フューチャーズ)と先渡取引(フォワード)の共通点

先物取引も先渡取引も、将来の特定の日に特定の資産をあらかじめ決めた特定の金額で売買することをあらかじめ約束して行う取引であることは共通しています。将来の売買を約束して取引するのです。

先物取引(フューチャーズ)と先渡取引(フォワード)の違い

先物取引と先渡取引の違いは、取引内容が標準化されている取引所取引であるか、個別性が高い売り手と買い手の相対取引(店頭取引)であるかどうかということです。

先物取引と先渡取引の違いとして、差金決済か現物決済であるかが挙げられることがあります。先物取引は原則差金決済ですが、現物決済が行われる場合もあります。同様に先渡取引も原則は現物決済ですが、差金決済が行われることがあります。

なお、先物取引と先渡取引の特徴から次のような違いが生じます。

取引内容

先物取引では取引単位、取引品目、取引の満期日、決済方法などの取引の内容が標準化されています。一方先渡取引では、買い手と売り手の交渉によって個別的に取引の内容が決められます。

取引保護

先物取引は間に取引所が入るため、取引所による規制などの効果もあって、取引が保護される可能性が相対的に高くなっています。一方で先渡取引は相対の店頭取引となるため、取引相手次第ということになります。

決済日

先物取引は満期日より前に反対売買を行って持ち高の解消を行うことが可能です。一方先渡取引は原則として満期日に決済が行われます。満期日前に持ち高を解消したい場合は取引相手との交渉によります。ただし、事前に満期日前の持ち高解消(決済)について約束をしていれば、満期日前の持ち高解消も可能です。

価格形成

先物取引は取引所取引で多数の参加者がいるため、妥当な価格形成が行われやすい傾向があります。一方で先渡取引は売り手と買い手で取引情報が片方に偏ってしまう可能性があり、価格形成がどちらかに不利になるような形で歪んでしまう可能性があります。

取引リスク

先物取引は取引所取引で相対的に取引のリスクは低いと考えられます。一方で先渡取引は相手方次第となり、カウンターパーティーリスクがあります。取引相手の信用リスクが高い場合には、取引のリスクは高いと言えます。

流動性

先物取引は取引所取引で、満期日前の持ち高解消もしやすいことから相対的に流動性が高いと言えます。一方で先渡取引は個別性が高く、流動性は相対的に低いと言えます。

証拠金

先物取引は証拠金が必要となる場合があります。先渡取引は基本的には証拠金が必要となりませんが、例外はあります。

必要資金

先物取引は通常は差金決済となるため、取引金額の100%の資金が必要になるというわけではありません。逆に先渡取引は現物決済となる場合が多く、取引金額の100%の資金が通常は必要となります。

まとめ

  • 先物取引と先渡取引はともに将来の特定の日に特定の資産をあらかじめ決めた特定の金額で売買することをあらかじめ約束して行う取引であることが共通点です。
  • 先物取引と先渡取引の違いは、先物取引は取引所を介する取引で取引内容が標準化されている一方、先渡取引は相対取引(店頭取引)で取引内容は個別に決定されるという点です。

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【先物取引と先渡取引の違いの記事は終わりです】

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