プットオプションの買い(ロングプット)とは
記事作成日:2020年10月30日
最終更新日:2022年3月25日
プットオプションとは、一定の期日または一定の期間内に対象となる原資産を権利行使価格で売ることができる権利のことを意味します。
プットオプションの買い(ロングプット)とは、一定の期日または一定の期間内に対象となる原資産を権利行使価格で売る権利を買う(ロング)ことを意味します。なお、ロングは買うという意味です。プットオプションの買いはあくまで権利を買っているだけなので、権利を行使しないで放棄することもできます。
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プットオプションの買い(ロングプット)の例
原資産の権利行使価格が100、オプション料(プレミアム)が10となるプットオプションを仮定します。
このプットオプションを買う(ロングプット)と、原資産価格100以上では権利行使をすると損なので権利行使をせず、オプション料(プレミアム)の支払い分(10)だけの損失となります。
原資産価格が100を下回ると権利行使をすれば、原資産を権利行使時の価格で買って権利行使価格で売った分だけ利益(権利行使価格(100)-行使時の原資産価格)となります。ただし、原資産価格が「権利行使価格(100)-オプション料(10)」を下回るまではオプション料の支払いの元を取れていないため損失となります。プットオプションの買い(ロングプット)では「権利行使価格-オプション料」が損益分岐点となります。
「権利行使価格(100)-オプション料(10)」を下回ってからは原資産価格の値下がり分だけ、プットプオションの買いから生じる利益は増えていきます。
プットオプションの買い(ロングプット)の損益の特徴
プットオプションの買い(ロングプット)は原資産を権利行使価格で売ることができる権利なので、原資産価格が権利行使価格を下回っている時、原資産価格で買い、権利行使価格で売ることになるため、「権利行使価格-行使時の原資産価格」だけ売却益がでることになります。
厳密にはプットオプションを買うためにオプション料(プレミアム)を支払っているため、オプション料の分だけ原資産価格が権利行使価格を下回らないと利益にならず、損失になります。つまり、「権利行使価格-オプション料」が損益分岐点になり、権利行使時の原資産価格が「権利行使価格-オプション料」を下回ると利益となります。その後は原資産価格の下落に伴って利益が増えていきます。
一方、プットオプションの買い(ロングプット)は権利を購入しているだけなので、権利を行使する義務はありません。そのため、プットオプションの買い(ロングプット)では原資産価格が想定とは異なり値上りした場合、売る権利の行使を放棄すれば、オプション料(プレミアム)の負担だけに損失が限定されます。
つまり、利益は原資産価格が下落するにつれて増えていき、損失はオプション料(プレミアム)に限定されます。
プットオプションの買い(ロングプット)は原資産価格の値下がりを見込んでいる時、値上がり時の損失を限定したい時に活用されます。
まとめ
- プットオプションの買い(ロングプット)とは、一定の期日または一定の期間内に対象となる原資産を権利行使価格で売ることができる権利を買う(ロング)ことを意味します。
- プットオプションの買い(ロングプット)は原資産価格が値下がりした時は値下がり分だけ利益が増えていきますが、値上がりした場合は損失がオプション料に限定されます。