ストラドルの買い(ロングストラドル)とは
記事作成日:2020年11月1日
最終更新日:2022年3月27日
ストラドルとは、行使の満期の期日が同じで、権利行使価格も同じコールオプションとプットオプションを同じ単位組み合わせて買うまたは売るものです。
ストラドルの買い(ロングストラドル)とは、権利行使期日と権利行使価格が同じコールオプションとプットオプションを同じ単位買うことを意味します。ロングは買うという意味です。
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ストラドルの買い(ロングストラドル)の例
原資産の権利行使価格が100、オプション料(プレミアム)が15となるコールオプションと権利行使価格100、オプション料(プレミアム)が10となるプットオプションを仮定します(価格は仮定のもので実際のものとは関係ありません)。
ストラドルの買い(ロングストラドル)の損益図は、購入したコールオプションとプットオプション(ロングコールとロングプット)の損益図を合成したものになります。
このストラドルの買い(ロングストラドル)では、原資産価格100の時はコールオプション、プットオプションとも権利行使をしても儲けが出ないためコールオプションとプットオプションのオプション料(15+10=25)が損失となります。この時点が最大損失でこれ以上損失が膨らむことはありません。
原資産価格が100を超えて上昇した場合は、コールオプションの行使によって「行使時の原資産価格-権利行使価格」分だけ利益がでますが、2つのオプション料(25)と相殺されるため、「行使時の原資産価格-権利行使価格」が「2つのオプション料」を上回る原資産価格(125)となるまでは損失となります。「権利行使価格(100)+2つのオプション料(25)」が損益分岐点となります。損益分岐点を超えてからは原資産価格の値上がり分が利益となっていきます。
原資産価格が100を下回った場合は、プットオプションの行使によって「権利行使価格-行使時の原資産価格」分だけ利益がでますが、2つのオプション料(25)と相殺されるため、「権利行使価格-行使時の原資産価格」が「2つのオプション料」を下回る原資産価格(75)となるまでは損失となります。「権利行使価格(100)-2つのオプション料(25)」がもう1つの損益分岐点となります。損益分岐点を超えてからは原資産価格の値下がり分が利益となっていきます。
ストラドルの買い(ロングストラドル)の損益の特徴
ストラドルの買いは同じ権利行使価格のコールオプションとプットオプションを同じ単位買うものですが、原資産価格=権利行使価格ではどちらのオプションも権利行使をしても儲けが出ないため、2つのオプション料(プレミアム)が損失となります。この時が最大の損失となります。
原資産価格>権利行使価格の時は、プットオプションは利益が出ないため権利行使をしませんが、コールオプションから儲けが出ます。しかしコールオプションとプットオプションの2つのオプション料(プレミアム)を支払っているため、権利行使価格と原資産価格の差が2つのオプション料(プレミアム)を上回るまでは損失となります。権利行使価格と原資産価格の差が2つのオプション料を上回ると、原資産の価格上昇分が利益となります。
原資産価格<権利行使価格の時は、コールオプションは利益が出ないため権利行使をしませんが、プットオプションから儲けが出ます。しかしコールオプションとプットオプションの2つのオプション料(プレミアム)を支払っているため、原資産価格と権利行使価格の差が2つのオプション料(プレミアム)を上回るまでは損失となります。原資資産価格と権利行使価格の差が2つのオプション料を上回ると、原資産の価格下落分が利益となります。
ストラドルの買い(ロングストラドル)は、「原資産価格=権利行使価格-2つのオプション料の合計」または「原資産価格=権利行使価格+2つのオプション料の合計」の2つが損益分岐点となります。そして、「原資産価格=権利行使価格」が最大損失(2つのオプション料分)となり、原資産価格が権利行使価格付近の場合は損失、原資産価格が値上がりあるいは値下がりのいずれの場合でも大きく動けば利益となります。
つまり、ストラドルの買い(ロングストラドル)は原資産価格が権利行使価格から大きく動いた場合に利益となるオプション投資戦略です。
まとめ
- ストラドルの買い(ロングストラドル)とは、同じ権利行使期日・権利行使価格のコールオプションとプットオプションを同じ単位だけ購入するオプション戦略です。
- ストラドルの買い(ロングストラドル)は、原資産価格が権利行使価格から大きく変動して値上がりあるいは値下がりすると利益となり、変動が小さいと損失となります。損失は2つのオプション料の合計に限定されます。