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OIS(オーバーナイト・インデックス・スワップ)とは

記事作成日:2019年8月8日
最終更新日:2021年10月6日

OIS(オーバーナイト・インデックス・スワップ)とは

OIS(Overnight Index Swap:オーバーナイト・インデックス・スワップ)は、1か月や3か月など一定期間の翌日物金利を加重平均した金利と、固定金利を交換する金利スワップ取引で、交換する固定金利のことをOISレートと呼びます。OISレートは、一定期間の市場の翌日物金利の予想を反映して設定されるため、OISレートの動きから、市場の政策金利の予想を推測することができます。

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OIS(オーバーナイト・インデックス・スワップ)とは

OIS(Overnight Index Swap:オーバーナイト・インデックス・スワップ)とは、1週間、2週間、1か月、3か月、6か月、1年など一定期間の翌日物金利を加重平均した金利(変動金利)と固定金利を交換する金利スワップ取引のことを言います。変動金利と交換する固定金利のことをOISレートと呼びます。OISレートは、市場の短期金利の見通しが反映されるため、OISレートの動きを見ることによって、市場の政策金利の予想を推測することができます。

翌日物金利(オーバーナイトレート)は、日本の場合は無担保コールレート、米国の場合はFFレート(Federal Funds rate:フェデラルファンド金利)となり、市場取引によって金利水準が動く変動金利となります。ただし、夜をまたぐごく短期間の金利なので、信用リスクが小さく、リスクフリーレートに近い金利であるとみなすことができます。

翌日物金利で1か月、3か月など一定期間というのは、例えば、1週間の場合は1日目に適用される翌日物金利から7日目に適用される翌日物金利まで1週間分の翌日物金利を加重平均して金利を求めます。

この場合の加重平均は金利が適用される日数で重みづけが行われます。土曜日や日曜日、祝日などは市場の取引が行われないため、土曜日や日曜日は金曜日の金利が適用され、金曜日の翌日物金利を3日分重みづけして計算します。

金利先物やOISなどを利用した利上げ確率・利下げ確率の織り込みの計算方法

市場参加者の見方を基にした利上げ確率や利下げ確率、政策金利の織り込み確率については、金利先物が用いられますが、OISレートの動きからも市場の政策金利の織り込み状況を推計することができます。なお、以下の計算方法の例では計算の簡便化のためいくつか課程を置いているため、実際の市場の動きとは異なる部分があることをご承知ください。

金利先物から利上げや利下げの織り込み確率を計算する場合

金利先物の場合は、現在の政策金利が1.00%(年率、以下すべて同じ)だとして、政策金利に近い動きをする金利の先物の3か月ものが1.25%となっている場合、0.25%ポイント分の利上げが織り込まれていることになります。1回の利上げ幅が0.25%ポイントだとすると、金利先物の3か月ものが1.10%だった場合、1.10-1.00=0.10、0.10÷0.25=40(%)なので、1回の利上げが40%の確率で織り込まれている、というイメージになります。

なお、実際には金融政策の決定日と先物の満期日などを考慮して計算する必要がありますが、簡略化のため大雑把な計算をしています。

OISから利上げや利下げの織り込み確率を計算する場合

OISレートは満期までの期間における市場の翌日物金利の想定に基づいて決まります。翌日物金利は政策金利を反映するため、OISレートは市場に政策金利の変更の予想を織り込んでいることになります。つまり、OISレートの動きを見ることによって、市場が金融政策をどう見ているか、利上げや利下げを織り込んでいるかが分かるのです。

注意すべき点として、OISはある特定の日の翌日物金利を反映しているのではなく、その期間中の日の翌日物金利の加重平均であるということです。例えば、3か月のOISレートが0.50%だったとして、3か月後の満期の日の翌日物金利が0.50%なのではなく、3か月の期間を加重平均して0.50%になったということです。

利上げや利下げが行われる場合に翌日物金利の加重平均値がどう動くかを想定したOISレートを計算し、実際の市場のOISレートと比較することで利上げや利下げの織り込み確率を推計することができます。

例えば、仮に5日満期のOISレートがあるとして(あくまで想定上ので現実とは無関係です)、3日目に金融政策決定があり、新しい金利は翌日から適用されるとします。そして、市場の翌日物金利は政策金利に完全に連動するとし、OISの金利スワップでは変動金利と固定金利が完全に等価で交換されると仮定します。

最初の政策金利が0.10%として、0.20%ポイントの利上げが想定される場合、利上げが行われた場合の翌日物金利は、次の通りになるとします。

  • 1日目:0.10%
  • 2日目:0.10%
  • 3日目:0.10%
  • 4日目:0.30%
  • 5日目:0.30%
  • 加重平均:0.18%

利上げが行われない場合は1日目から5日目まで0.10%となるため加重平均も0.10%となります。この時、5日ものOISレートが0.18%なら、利上げが100%織り込まれていて、市場実勢のOISレートが0.14%なら、0.18-0.10=0.08(利上げ100%織り込みの場合のOISレートと利上げ織り込みなしの場合のOISレートの差)、0.14-0.10=0.04、0.04÷0.08=50%となるため50%の確率で0.20%ポイントの利上げが織り込まれているということになります。

なお、OISの取引が活発でない場合は、利下げや利上げの織り込みを上手く推測することができないほか、日本のイールドカーブコントロールにおける長期金利の誘導目標のように、短期金利以外が政策金利の目標となっている場合も推測することができません。

まとめ

  • OISとは、一定期間の翌日物金利を加重平均した金利と、固定金利を交換する金利スワップ取引で、交換する固定金利のことをOISレートと呼びます。
  • OISレートは、市場の翌日物金利の予想を反映して動くので、市場の政策金利の見方を読み取ることができます。

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【OIS(オーバーナイト・インデックス・スワップ)とはの記事は終わりです】

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