コールオプションの売り(ショートコール)とは
記事作成日:2020年10月29日
最終更新日:2022年3月24日
コールオプションとは、一定の期日または一定の期間内に対象となる原資産を権利行使価格で買うことができる権利のことを意味します。コールオプションの売り(ショートコール)とは、一定の期日または一定の期間内に対象となる原資産を権利行使価格で買う権利を売る(ショート)ことを意味します。
原資産を買うのではなく、原資産を買う権利(コールオプション)を売るのがコールオプションの売り、ショートコールです。なお、ショートは売るという意味です。
コールオプションの売り(ショートコール)は権利を売っていて、権利を行使するかどうかを決めるのは権利を買った相手方となります。相手が権利を行使したら権利行使に応じる義務があります。
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コールオプションの売り(ショートコール)の例
原資産の権利行使価格が100、オプション料(プレミアム)が10となるコールオプションを仮定します。
このコールオプションを売る(ショートコール)と、原資産価格100以下では買い手は権利行使をすると損なので権利行使をせず、オプション料(プレミアム)の受け取り分(10)が売り手の利益となります。
原資産価格が100を超えると買い手は権利行使をすれば売却益が得られるため、権利行使をします。そのため、コールプションの売り手は、「原資産価格-権利行使価格」の分だけ損失が発生します。
原資産価格が「権利行使価格(100)+オプション料(10)」を超えるまではオプション料の支払いと損失が相殺されるため、損失にはならず利益となります。コールオプションの売り(ショートコール)では「権利行使価格+オプション料」が損益分岐点となります。
原資産価格が「権利行使価格(100)+オプション料(10)」を超えると、原資産価格の上昇分がコールオプションの売り手の損失となっていきます。
コールオプションの売り(ショートコール)の損益の特徴
コールオプションの売り(ショートコール)は原資産を権利行使価格で買う権利を売っており、コールオプションを買った側は原資産が権利行使価格を上回ると売却益を得られます。
そのため、コールオプションの買い手は原資産価格が権利行使価格より高くなると権利行使をするため、売り手は権利行使価格で原資産を売却する義務が発生します。権利行使時点の原資産価格で買って権利行使価格で売却するとなると、「権利行使時の原資産価格-権利行使価格」分の損失が発生します。
コールオプションの売り(ショートコール)では、原資産価格が権利行使価格を上回るとその分だけ損失が増えていきます。厳密にはコールオプションを売る際にオプション料(プレミアム)を受け取っているため、「権利行使価格+オプション料」が損益分岐点になり、原資産価格が「権利行使価格+オプション料」を超えるまではオプション料と相殺されていき、原資産価格が「権利行使価格+オプション料」を超えると損失が膨らんできます。
一方、コールオプションは権利なので、権利を買った側は自分に不利であれば権利行使をしません。原資産価格が権利行使価格を下回る場合はコールオプションの買い手は何もしないため、売り手は受け取ったオプション料が利益となります。
つまり、コールオプションの売り(ショートコール)では、利益が発生する場合でもオプション料に限定されますが、損失は原資産価格が値上がりすればするほど増えていくことになります。
コールオプションの売り(ショートコール)は原資産価格の値下がりを見込んでいる時に活用されます。
まとめ
- コールオプションの売り(ショートコール)とは、一定の期日または一定の期間内に対象となる原資産を権利行使価格で買うことができる権利を売る(ショート)ことを意味します。
- コールオプションの売り(ショートコール)は原資産価格が値上がりした時は値上がり分だけ損失が増えていきますが、値下がりした場合は利益がオプション料に限定されます。