ストラドルの売り(ショートストラドル)とは
記事作成日:2020年11月2日
最終更新日:2022年3月28日
ストラドルとは、行使の満期の期日が同じで、権利行使価格も同じコールオプションとプットオプションを同じ単位組み合わせて買うまたは売るものです。
ストラドルの売り(ショートストラドル)とは、権利行使期日と権利行使価格が同じコールオプションとプットオプションを同じ単位売ることを意味します。ショートは売るという意味です。
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ストラドルの売り(ショートストラドル)の例
原資産の権利行使価格が100、オプション料(プレミアム)が15となるコールオプションと権利行使価格100、オプション料(プレミアム)が10となるプットオプションを仮定します(価格は仮定のもので実際のものとは関係ありません)。
ストラドルの売り(ショートストラドル)の損益図は、売却したコールオプションとプットオプション(ショートコールとショートプット)の損益図を合成したものになります。
このストラドルの売り(ショートストラドル)では、原資産価格100の時はコールオプション、プットオプションとも買い手は権利行使をしても儲けが出ないため権利行使をせず、コールオプションとプットオプションのオプション料(15+10=25)が売り手の利益となります。この時点が最大利益でこれ以上利益が増えることはありません。
原資産価格が100を超えて上昇した場合は、買い手はコールオプションの行使によって「行使時の原資産価格-権利行使価格」分だけ利益がでますが、売り手の損失は受け取った2つのオプション料(25)と相殺されるため、「行使時の原資産価格-権利行使価格」が「2つのオプション料」を上回る原資産価格(125)となるまでは売り手は利益が出ることになります。つまり、「権利行使価格(100)+2つのオプション料(25)」が損益分岐点となります。損益分岐点を超えてからは原資産価格の値上がり分が売り手は損失となっていきます。
原資産価格が100を下回った場合は、買い手によるプットオプションの行使によって「権利行使価格-行使時の原資産価格」分だけ利益がでますが、売り手に発生する損失は2つのオプション料(25)と相殺されるため、「権利行使価格-行使時の原資産価格」が「2つのオプション料」を下回る原資産価格(75)となるまでは売り手は利益が出ます。つまり、「権利行使価格(100)-2つのオプション料(25)」がもう1つの損益分岐点となります。損益分岐点を超えてからは原資産価格の値下がり分が売り手の損失となっていきます。
ストラドルの売り(ショートストラドル)の損益の特徴
ストラドルの売りは同じ権利行使価格のコールオプションとプットオプションを同じ単位売るものですが、買った側は原資産価格=権利行使価格ではどちらのオプションも権利行使をしても儲けが出ないため権利行使をせず、売り手は2つのオプション料(プレミアム)が利益となります。この時が最大の利益となります。
原資産価格>権利行使価格の時は、プットオプションの買い手は利益が出ないため権利行使をしませんが、コールオプションから儲けが出ます。しかし売り手は買い手からコールオプションとプットオプションの2つのオプション料(プレミアム)を受け取っているため、権利行使価格と原資産価格の差が2つのオプション料(プレミアム)を上回るまでは利益となります。権利行使価格と原資産価格の差が2つのオプション料を上回ると、原資産の価格上昇分が損失となります。
原資産価格<権利行使価格の時は、コールオプションの買い手は利益が出ないため権利行使をしませんが、プットオプションから儲けが出ます。しかし、売り手はコールオプションとプットオプションの2つのオプション料(プレミアム)を受け取っているため、原資産価格と権利行使価格の差が2つのオプション料(プレミアム)を上回るまでは利益となります。原資資産価格と権利行使価格の差が2つのオプション料を上回ると、原資産の価格下落分が損失となります。
ストラドルの売り(ショートストラドル)は、「原資産価格=権利行使価格-2つのオプション料の合計」または「原資産価格=権利行使価格+2つのオプション料の合計」の2つが損益分岐点となります。そして、「原資産価格=権利行使価格」が最大利益(2つのオプション料分)となり、原資産価格が権利行使価格付近の場合は利益、原資産価格が値上がりあるいは値下がりのいずれの場合でも大きく動けば損失となります。
つまり、ストラドルの売り(ショートストラドル)は原資産価格が権利行使価格からあまり動かなかった場合に利益となるオプション投資戦略です。
まとめ
- ストラドルの売り(ショートストラドル)とは、同じ権利行使期日・権利行使価格のコールオプションとプットオプションを同じ単位だけ売却するオプション戦略です。
- ストラドルの売り(ショートストラドル)は、原資産価格が権利行使価格からあまり変動しなかった場合は利益となりますが、利益は2つのオプション料の合計に限定されます。大きく変動して値上がりあるいは値下がりすると損失となります。