ナンピン(難平)・ナンピン買い(難平買い)とは
記事作成日:2018年5月25日
最終更新日:2021年6月17日
株式投資などで用いる言葉であるナンピン買い(難平買い)やナンピン売り(難平売り)、ナンピン(難平)という言葉の意味についてです。ナンピン買い(難平買い)とは、保有している銘柄が値下がりした時に追加で購入を行い、平均購入価格を引き下げることを意味します。ナンピン売り(難平売り)は信用取引の売りにより追加売りを行うことで、平均売却価格を引き上げることを意味します。
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ナンピン(難平)の意味
ナンピン買い(難平買い)の「ナンピン(難平)」とは、平均化する、均す(ならす)、平らにするという意味があります。ナンピン買い(難平買い)は平均化するための買いというような意味を持つことになります。
ナンピン買い(難平買い)の意味
ナンピン買い(難平買い)とは、保有している銘柄の株価が購入時よりも下がった時に、追加して購入を行い、平均購入価格を引き下げることを意味します。例えば、1,000円で1,000株している時に、株価が900円に値下がりしたら追加で1,000株を購入するというようなことがナンピン買い(難平買い)です。平均購入価格は950円に下がります。
ナンピン買いは、購入時期をずらすことになるため、時間分散の効果があり、上手に使うことができれば、投資で損失を出す確率を下げることができます。ただし、誤った判断を下してしまうと損失を拡大させてしまうことになりかねません。
ナンピン売り(難平売り)の意味
ナンピン売り(難平売り)とは、信用取引で売りを行っているときに、株価が上昇したことを受けて、追加して売却(売り)を行い、平均売却価格を引き上げることを意味します。
平均売却価格を引き上げれば、損失が出てしまう可能性を減らすことができる場合もあるのですが、上昇トレンドが続いているときにナンピン売り(難平売り)をすると、空売りして、値上がりして、損失が出てというように悪循環に陥ることがあります。
ナンピン買い(難平買い)が有効な局面
ナンピン買い(難平買い)は相場の下落が一時的である場合に効果を発揮します。株価が再び上昇するのであれば、価格が下落したときに買うことは効果的です。しかし、下落基調(下落トレンド)が継続しているときにナンピン買いを行うと、損失が拡大してしまいます。
ナンピン買い(難平買い)は今後上昇するかどうかで判断する
ナンピン買いを行うかどうかは、これまでどれだけその銘柄に投資をしてきたかや、平均購入金額がいくらか、含み損がどれだけあるかで判断するのではありません。あくまで数ある銘柄の中で、その銘柄に今投資をすることの魅力度合いが高いかどうかで判断をすることが重要です。
もし、ナンピン買いを入れようとしている銘柄の魅力度が高く、購入を検討している他のどの銘柄よりも値上がりが期待できるというのであれば、ナンピン買いを入れても問題はありませんが、過去の購入歴や保有状況に引きずられてナンピン買いを入れてはいけません。
ナンピン買い(難平買い)は冷静に判断できず失敗することも多い
ナンピン買いを行う場合、保有している銘柄の購入価格よりも大幅に下がったから割安に違いない、平均購入価格を下げようといったような雑念が混じってしまうため、冷静に判断できないことが多く失敗に終わってしまうことが多くあります。
株価などの値下がりが続いている場合、何かの理由があって弱い動きとなっているので、単に値下がりしたからという理由で購入しても上手くいかないことがあります。既に保有している銘柄だと、過去の購入価格や含み損を意識してしまうため、なおさら冷静な判断が出来なくなることがあります。
相場の格言で「下手なナンピン素寒貧(すかんぴん)」という言葉がありますが、ナンピンでかえって失敗してしまうことがあるのです。
まとめ
- ナンピン買い(難平買い)とは、保有している銘柄の株価が購入時よりも値下がりしたときに追加購入を行うことで、平均購入価格を引き下げることを意味します。ナンピン(難平)には平らにする、均すという意味があります。ナンピン売り(難平売り)とは空売りをしている時に価格が上昇したため追加で売却(空売り)を行うことを意味します。
- ナンピン買い(難平買い)は上手く行えば損失を抑えることにつながりますが、下落基調の相場でナンピン買いをすると、購入した分からも更に損失が拡大するということになりかねないため、慎重に行う必要があります。