弱気相場(ベアマーケット)・弱気相場入りとは
記事作成日:2018年5月27日
最終更新日:2021年6月20日
弱気相場とは、株式市場などの下落が継続的に続いていて、当面の間上昇が見通せないような相場環境を意味します。投資家が株式市場などの先行きに対して悲観的な見方を強めている時に弱気相場となる可能性が高まります。弱気相場はベアマーケットとも呼ばれ、ベアとは熊の"Bear"から来ていて攻撃する時に爪を下に振りかざすところが転じて下落や弱気な見方を意味しています。
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弱気相場入りの定義
どういう状態が弱気相場入り(ベアマーケット)なのかという定義については、明確に定まっているものはありませんが、投資家の間では直近の高値から2割以上(20%以上)株価が下落した場合には弱気相場入りという考え方が広く受け入れられています。また、2か月間で20%下落すると弱気相場入りだという考え方もあります。
直近の高値から20%下落という考え方は、株価がピークアウトし、今後もしばらく下落基調が続くというやや長めの弱い相場を想定している傾向があるのに対して、2か月で20%という考え方は単に悪材料やイベントで急落した状態を指していてその後も弱い相場が続くことまでは意味していないこともあります。
実際の相場の動きでも、下落率が20%いないで収まると弱気相場入りが回避されたとみなされて、株価などは反発することがあります。20%以上下落するかどうかが相場で注目されていることがあるのです。
弱気相場入りとなる原因
弱気相場入りとなる原因は、投資家の間で株式市場の先行きに対して悲観的な見方が広がることです。例えば、深刻な不況となって企業業績の悪化が止まらないような状況、世界同時不況のような状況では弱気相場入りする可能性が高まります。
また、主要国における金融危機の発生も世界的な金融危機へと発展する可能性があり、弱気相場入りの原因となる可能性があります。更に主要国での金融引き締め(利上げ)も弱気相場入りの引き金となることがあります。利上げによって経済活動が停滞し、企業収益が悪化する可能性があるためです。
弱気相場を脱する条件
経済指標の底打ちなどによって景気が回復の兆しを見せると弱気相場は終了を迎える可能性が高まります。経済や企業業績の見通しが上向けば株価の上昇につながるためです。
また、政府による財政出動や中央銀行による金融緩和が積極的に行われ株価などの反発が見込まれる場合は弱気相場が終了することがありますが、政府や中央銀行の対策がすぐには効果を発揮しないと受け止められてしまうと弱気相場が継続してしまうことがあります。
弱気相場での対応
弱気相場では継続的な株価などの下落に備えて、株式の保有量を減らすなど自分が抱えるリスク資産を減らすことが基本となります。ただし、通常はいつまでの弱気相場が続くことはなく、いつか反転するタイミングが訪れるため、弱気相場を脱するタイミングを伺い、チャンスに備えておくことも必要になります。
まとめ
- 弱気相場とは、株式市場などが継続的に下落する弱い相場環境のことを意味します。弱気相場入りの定義は、直近の高値から20%以上下落すること、あるいは短期間(2か月間程度)で20%以上下落することとされています。
- 投資家が市場の先行きについて悲観的な見方を強め、当面の間株価などの相場は上がらないと考えるようになると弱気相場となる可能性が高まります。弱気相場では株式などのリスク資産の保有量を減らして下落に備えることが基本となります。