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金融政策のビハインド・ザ・カーブとは

記事作成日:2018年5月11日
最終更新日:2021年6月16日

金融政策のビハインド・ザ・カーブとは

ビハインド・ザ・カーブ(behind the curve)とは、一般的に「遅れる、後手に回る」という意味があり、投資に関しては金融政策において景気の過熱や物価の上昇に遅れる形で政策金利の引き上げ(利上げ)を行うことを意味します。戦略的・意図的に利上げを遅らせる場合と、意図しないうちに利上げが遅れてしまっている場合の両方にビハインド・ザ・カーブという言葉を用いることができます。ビハインド・ザ・カーブは、米国の中央銀行に相当する連邦準備理事会(FRB:Federal Reserve Board)による金融政策の決定においてよく用いられる言葉で、景気回復局面・好況時における利上げタイミングに関する議論でよく目にします。

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景気の過熱や物価の上昇の時には利上げが必要

利下げなどの金融緩和によって景気が過熱している場合や物価や資産価格が上昇している場合には、急激なインフレやバブルの発生を防ぐために利上げによる金融引き締めを行い、景気を適度に冷ます必要があります。

もし、利上げが適切な時期・タイミングで行われないと、バブルを発生させてしまい、不良債権処理などのためにバブルがはじけた後の金融市場の調整や景気の後退が長期化する恐れがあり、景気の振幅が増大してしまいます。

戦略的・意図的に利上げを遅らせる

中央銀行が景気を冷ましたくないために、戦略的・意図的に利上げを景気の過熱や物価の上昇に対して遅らせることをビハインド・ザ・カーブといいます。利上げを遅らせることで、好景気の時期をできるだけ長くすることを狙っていると考えられています。

中央銀行の金融政策が原因で景気後退に陥ると中央銀行の金融政策に非難が集まってしまうことから、中央銀行は利上げをできる限り遅らせようとすることがあります。

一方で、利上げを遅らせてしまうと、不況期となり金融緩和が必要となった場合に、政策金利の引き上げをほとんど行ってこなかったために政策金利の水準が低く、政策金利の引き下げ(利下げ)幅が足りずに十分な景気刺激が行えないという問題をかかる可能性もあります。

米国のFRBは、戦略的なビハインド・ザ・カーブの金融政策を行う傾向があるとされていて、米国の金融政策を論じる際に、意図的に利上げを遅らせるという意味で、ビハインド・ザ・カーブという言葉を使うことが多くあります。

意図せず利上げが遅れてしまうことも

また、中央銀行が意図しないまま利上げが遅れてしまうこともあります。本来は景気の過熱や物価の上昇に対して利上げを行い、バブルの発生を防ぐ必要があったのに、対応が後手に回ってしまい、バブルの発生を防ぐことができないような場合です。

この場合にも、中央銀行の利上げなどの金融引き締めによって景気を冷やしたくないという思惑が関係していることが多いとみられます。焦って利上げをしてしまうと、金融政策の失敗を指摘されかねないためです。

まとめ

  • ビハインド・ザ・カーブ(behind the curve)とは、一般的に「遅れる、後手に回る」という意味があり、金融政策において、景気や物価に遅れる形で政策金利の引き上げ(利上げ)を行うことを意味します。
  • 金融政策のビハインド・ザ・カーブは、戦略的・意図的に行われる場合と、意図しないで結果的に遅れてしまっている場合の両方に用いることができます。

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【金融政策のビハインド・ザ・カーブとはの記事は終わりです】

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