循環物色とは
記事作成日:2020年1月27日
最終更新日:2021年6月18日
循環物色とは、投資家の関心が高い銘柄が次々と変化して順番に物色されて買われていく状態のことを意味します。循環物色は、金融株、不動産株、機械株、化学株、食品株、情報通信株、輸出関連株、景気敏感株といったように業種やテーマ・材料などで循環していくこともあれば、大型株、中型株、小型株、超小型株のように規模で循環していくこともあり、相場環境によって循環の仕方は異なります。循環物色は循環買いと呼ぶこともあります。
なお、循環とは本来巡り巡って元に戻ることを繰り返すという意味があります。しかし、循環物色という言葉は業種など一通り買われて元の業種に戻り更に複数回順番に繰り返されて買われるということを必ずしも意味しておらず、単に物色が繰り返されているという意味合いで使われることが多いことに注意が必要です。例えば、大型株→中型株→小型株の物色の流れ何回か繰り返されることが「循環」の本来の意味のようにも思えますが、物色の対象が次々と移っていくだけでも循環物色と表現することが多いのです。
スポンサーリンク
循環物色が起こる理由・原因
株価が上昇する場合、個別銘柄の動きは市場全体の動きにある程度連動しますが、先に上がる銘柄があれば後から上がる銘柄もあります。その時々で注目度が高い業種やテーマの銘柄は先に上がりやすく、注目されていない業種やテーマの銘柄は後から上がる傾向があります。
投資家の買い意欲が強く株価の上昇相場となる場合、一部の銘柄が先行して力強く上昇することがあります。しかし、いつまでも際限なく上昇するわけではなく、先行して上昇した一部の銘柄は上昇が続くと割高感が出てきて上昇ペースが鈍ってきます。そのため、投資家は他の割安な株を探そうとするため、異なるテーマ、異なる切り口の銘柄が買われるようになり、循環物色が起こるのです。
循環物色が起こりやすい相場環境
投資家の買い意欲が強ければ、買う銘柄を探して循環物色が起きます。他に割安で買える業種やテーマを求めて投資家が次々と買いを入れていきます。逆に言えば、循環物色が起きている間は投資家の買い意欲が強いため、相場は堅調に推移しやすいと言えます。
ただし、循環物色が続くと多くの業種やテーマの銘柄が上昇し割安感がなくなってくるため、高値警戒感や割高感が出てきて投資家が買いを手控えるようになってきます。そうなると、株価上昇がひと段落し一相場が終わることが多くなります。
循環物色と投資戦略
市場で買われて上昇している銘柄が次々と変化している循環物色の状態は、投資家の買い意欲が強いと考えられます。そのため、循環物色の流れに乗ることが出来れば株価上昇によって利益を得られる可能性があります。ただし、循環物色が一巡すると相場の上昇が落ち着くため、循環物色の流れがいつまで続くのかの見極めが重要になってきます。
まとめ
- 循環物色とは、買われる銘柄が次々と変化していく相場の状態を意味します。循環物色は循環買いと呼ばれることもあります。
- 循環物色は投資家の買い意欲が強い時に発生します。買われていた銘柄の株価がある程度上昇すると、次に上昇する銘柄を求めて投資家が買いを入れるため循環物色が発生します。