生活に役立つお金の知識と情報です。
※本サイトは広告を掲載しています。

信用リスク・デフォルトリスク・クレジットリスクとは

記事作成日:2017年8月8日
最終更新日:2021年6月29日

信用リスク・デフォルトリスク・クレジットリスクとは

信用リスク(デフォルトリスク、クレジットリスク)とは、債務が不履行になるリスクのことですが、要は支払ってもらえるはずだったお金や貸したお金が返ってこないリスクのことです。国債や社債に投資する場合には国家や企業の債務不履行のリスクが問題になります。事業活動を行う場合は取引先の債務不履行のリスクが問題となります。

スポンサーリンク

投資における信用リスク(デフォルトリスク・クレジットリスク)

投資に関係する信用リスク(デフォルトリスク・クレジットリスク)についてです。

債券(国債・社債)の信用リスク(デフォルトリスク・クレジットリスク)

国債や社債に投資している場合には、信用リスクについては、投資先の国や企業の債務不履行が問題となります。国家の財政が破綻すると国債の利子(クーポン)の支払いが行われなくなったり、元本の償還が行われなくなったりします。

企業の場合には、経営が破綻すると社債の利子や元本の支払いが行われなくなります。最終的には破産手続きにおける配当で取り戻すことを期待することになります。

通貨の場合

通貨に投資している場合には、投資先通貨の国債の債務不履行(デフォルト)が問題となります。国家が破綻すると、通常はその国の通貨が大きく下落するため大きな損失が生じる場合があります。また、国家の破綻の場合には資本移動規制が行われる場合があり、投資資金の回収がままならない場合があります。

株式の場合

株式の場合には、債券とは異なりますが、投資先の企業が経営破綻した場合、株式の価値が大きく減少するか全くなくなってしまう可能性があります。株券が発行されている場合にはまさに株券が紙くずになってしまう訳ですが、近年はペーパーレス化されているため、紙くずになるという表現はあまり使われなくなっています。

事業活動における信用リスク

事業活動では、取引先の信用リスクが問題となります。現金による取引でその場で完結する取引であれば取引相手の債務不履行リスクは通常問題となりません。しかし、掛け取引、商品の代金が後払いとなり売掛金が発生する場合や小切手・手形の振り出しがあった場合に問題となります。

取引相手に商品を引き渡した、サービスの提供を行ったけれど、代金の支払いを後回しにした場合を想定します。代金の支払いまでに取引相手の経営状況が悪化すると、取引相手から代金の支払いが遅れたり、支払いが行われなかったりする可能性があります。これが事業活動における信用リスク(デフォルトリスク)です。

金融機関であれば、融資相手の信用リスク(デフォルトリスク)が問題になります。お金を貸したけど返ってこないというリスクです。企業に限らず、個人相手でも住宅ローンやカードローン、クレジットカードなどで問題になります。

個人間における信用リスク(デフォルトリスク)

個人の間でも信用リスク(デフォルトリスク)の問題はあります。お金を貸しても返ってこないという場合が典型ですが、お金をちゃんと期限までに返す人と、期限を過ぎても返さない人、踏み倒そうとする人がいます。信用できるかどうかという意味で正に信用リスクですが、個人の間でも関わりを持つ人は信用できるかを見極めることがとても重要です。

信用リスク(デフォルトリスク・クレジットリスク)への対応方法

信用リスク(デフォルトリスク・クレジットリスク)に対応するための基本的な考え方についてです。

情報収集

国債投資であれば、国家の財政状況、例えば財政収支やプライマリーバランス、経常収支、外貨準備高、債務残高、対外債務残高、経済成長率、インフレ率などの経済指標、格付け会社や調査会社が提供する情報などを確認することが重要です。

債券投資であれば、投資先企業の財務情報、関連ニュースなどに注意を払うことが大切です。財務諸表から資金繰りに問題がないか財務分析を行うことが有効です。ただし、粉飾決算の場合には、財務諸表が虚偽の内容を含んでいることがあるため頼りにならないことがあります。監査法人による監査でも粉飾を見逃してしまうことが残念ながらあるのです。

事業活動においても同様で取引先についてできる限り情報を集めるということが重要になります。

分散投資

投資においては信用リスク(デフォルトリスク)の影響を減らすため分散投資を行うことが重要です。特定の国債や社債だけに投資をしていると、その国債や社債が債務不履行(デフォルト)となった場合に大きな損失を出してしまう可能性が高いです。複数の国や銘柄に分散して投資することでリスクを分散させることができます。

高い利回りの追求(リスクプレミアムの考慮)

信用リスク(デフォルトリスク)が高い場合には、投資において高い利回りが期待できる場合でない限り、投資しないとすることも投資効率の上では意味があります。つまり、ハイリスクな投資であるならば、ハイリターンを求めるということです。

別の言い方をすれば、高いリスクに見合ったリスクプレミアム(リスクに見合う上乗せされる収益、超過的な収益)を求めるということです。ただし、ハイリターンな投資はそもそもリスクが高いことを忘れてはいけません。

与信管理

事業活動における信用リスク(デフォルトリスク)の低減では与信管理が重要になります。取引先の信用に応じて、与信、つまり債権の金額の上限を決めておいて、一定金額以上の貸しを作らないようにすることで、債務不履行の被害を減らすことができます。

まとめ

  • 信用リスク(デフォルトリスク・クレジットリスク)とは、投資先や事業活動での取引先の債務不履行のリスクのことで、支払ってもらえるはずの代金が支払ってもらえない、貸したお金が返ってこないリスクのことです。
  • 信用リスク(デフォルトリスク・クレジットリスク)は特に国債や社債など債券投資で重要になりますが、投資先の情報収集を行い、分散投資を心掛けることで、リスクを軽減することができます。

スポンサーリンク

【信用リスク・デフォルトリスク・クレジットリスクとはの記事は終わりです】

「資産運用|お金を増やす」のページに戻る



SNSでシェア・ブックマーク・後で読む

Twitter Facebook LINE はてな Pocket
最近よく読まれているページ
家計・節約のおすすめページ

ページの先頭へ