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通貨危機(国際収支危機)とは

記事作成日:2018年5月15日

通貨危機(Currency crisis)とは、特定の国の通貨価値が急激に下落することによって大規模な混乱が生じることを意味します。かつては固定相場制の国でしばしばみられましたが、変動相場制の国においても発生しえます。通貨危機は経常収支の赤字を背景としていることも多いため、国際収支危機(Balance of payment crisis)と呼ばれることもあります。

固定相場制を採用している国においては、経常収支の赤字や外貨準備の減少を背景に固定相場制を維持するのが困難だとの懸念が強まることによって通貨下落圧力が強まり、固定相場制の維持が困難となり混乱が生じることを意味します。変動相場制を採用している国においては、急激な通貨下落が生じることを意味します。

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通貨危機の原因

通貨危機は、経常収支の赤字を背景として引き起こされる傾向があります。慢性的な経常赤字に陥ると外貨を獲得できないため海外からの資本調達によって外貨を獲得し対外的な支払いをしなければいけなくなります。また、経常赤字が続くと外貨準備が減少していきます。

経常赤字や外貨準備の減少によって信用力が低下し、海外からの資金調達が困難になると海外への支払いが困難となります。そのため、食料品や工業製品などの原材料、原油などのエネルギーなどの輸入が難しくなります。

経常赤字が続くことによって国に対する信用が低下すると、通貨の価値も低いと投資家が考えるようになって、通貨下落圧力が強まりまり、通貨危機へと至ります。

通貨危機が起こるプロセス

通貨危機は、通貨価値の下落によって引き起こされます。通貨価値の下落は投機的な通貨取引によって引き起こされることがあります。

固定相場制の場合

固定相場制の場合には、公式レートがある場合には非公式レートと公式レートがかい離してしまって固定相場制の意味がなくなってしまう場合、事実上固定している場合には通貨当局が通貨防衛を行いますが外貨準備の減少などによって通貨防衛が困難となる場合には、通貨切り下げや変動相場制への移行を迫られ、通貨価値の下落を招きます。

変動相場制の場合

変動相場制の場合には、通貨価値が市場取引の中で急激に下落することで通貨危機が引き起こされます。通貨当局は口先介入や為替介入によって買い支えを行い大幅な下落を食い止めようとしますが、上手くいかない場合には通貨危機へと至ります。

通貨危機による影響

通貨下落による外貨建て債務の膨張

自国の通貨価値が下落すると、外国通貨建て債務の自国通貨換算額が増加してしまい、返済負担が重くなってしまいます。国や企業、家計など外貨建て債務がある主体の返済負担が重くなり、投資や消費に回せるお金が減ってしまうため、経済活動が停滞し、景気後退に至る可能性があります。

通貨下落による輸入品価格の上昇

自国の通貨価値が下落すると、輸入品の価格が上昇することいなるため、輸入品への依存度合いが高い場合には、急激なインフレが発生し、国民生活に重大な影響を及ぼす可能性があります。特に食料品やエネルギーなどを輸入に頼っている場合には、急激な価格上昇によって日々の生活用品を購入することすら難しくなるため、社会不安を招いてしまうことがあります。

通貨下落による輸入の減少

通貨価値が大幅に減少してしまうと、輸入品が購入できなくなってしまう場合があります。食料品、原材料、エネルギーなど生活や経済に重要な品目も輸入できなくなってしまうと、国民生活が困窮し、大規模な反政府運動へとつながってしまうこともあります。生活必需品まで輸入が減少すると、社会問題となります。

通貨下落による債務危機や金融危機への発展

通貨下落によって外貨建て債務が返済が困難となった場合には、銀行など金融システムが機能しなくなることもありますし、国際的な金融危機に至ることもあります。通貨危機は単なる通貨価値の下落にとどまらず、債務危機や金融危機へと発展していく恐れがあるのです。

通貨危機の例

通貨危機の例として1994年のメキシコ通貨危機、1997年からのアジア通貨危機(タイ、インドネシア、韓国など)、2002年前後のアルゼンチン通貨危機などがあります。また、2018年5月にもアルゼンチンペソが急激に下落する現象がみられました。

まとめ

  • 通貨危機とは特定の国の通貨の価値が急激に下落することによって引き起こされる混乱を意味します。
  • 通貨危機は経常赤字が引き金となる傾向があり、通貨価値の下落によって、外貨建て債務の膨張、輸入品価格上昇によるインフレ、金融危機、債務危機、景気後退などが起こる可能性があります。

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【通貨危機(国際収支危機)とはの記事は終わりです】

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