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財政危機・債務危機・ソブリン危機とは

記事作成日:2018年5月16日

財政危機(financial crisis)・債務危機(debt crisis)・ソブリン危機(sovereign debt crisis)とは、いずれも国などの債務(借り入れ)が増大によって、予定通り返済されなくなるのではないかとの懸念が強まり、信用不安が生じることによって、金利の上昇、通貨の下落、金融危機などが引き起こされ、経済や社会が混乱することを意味します。

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財政危機・債務危機・ソブリン危機とは

財政危機、債務危機、ソブリン危機はほぼ同じ意味ですが、やや異なる意味を持つ場合があります。敢えて違いを挙げれば財政危機、債務危機、ソブリン危機は次のような意味・違いとなります。

財政危機とは

財政危機とは、国家財政の状況が悪化し公的な債務残高が積み上がることによって、国債の利払いや償還への懸念が生じ、信用不安から金利が大幅に上昇し、経済に混乱が生じる危機を意味します。基本的には国や地方自治体など公的な部門の財政状況の悪化を意味します。

債務危機とは

債務危機とは、国や民間の債務が増大し、利息の支払いや返済が困難になることによって信用不安が生じることによって、金利が大幅に上昇し、経済に混乱が生じる危機を意味します。国の債務である国債だけでなく、銀行や家計など民間の債務の増大によって生じる場合を幅広く意味します。

ソブリン危機とは

ソブリン危機とは、国債の元本や利子の支払いが行われずに債務不履行となる恐れが高まることによって発生する危機、または債務不履行となったことによって発生する危機です。ソブリン(sovereign)とは主権者、国王、統治者というような意味がありますが、ソブリン債は国の中央政府や政府関係機関が発行する債券、つまり国債や政府関係機関債、政府保証債という意味になります。

財政危機と債務危機の意味と違い

日本語では、財政危機と債務危機の意味はほぼ同じです。財政危機は基本的に国や地方自治体など公的部門の財政が悪化したため、信用不安から金利が上昇し、経済に悪影響を及ぼす危機を意味します。

債務危機は、債務の増大によって信用不安が生じ、金利が上昇し経済に悪影響を及ぼす危機を意味します。ただし、債務危機の「債務」は必ずしも国家の債務に限られるわけではなく、民間の債務(対外債務を含む)によって問題が生じた場合も債務危機と呼ぶことがあります。

債務危機とソブリン危機の意味と違い

債務危機とソブリン危機はほぼ同じ意味です。ただし、ソブリン危機のソブリンは基本的に国債を意味しますが、債務危機の債務は国の債務だけに限らず、民間債務を指すこともできます。そのため、債務危機の方が意味する範囲は広くなります。

財政危機と債務危機の英語

財政危機を英語にすると財政が「finance」なので、「financial crisis」となりますが、金融危機という意味になってしまい、国家財政の悪化によるという印象が薄れてしまいます。国家財政悪化によって債務残高が増加した結果として危機が発生した場合には、「debt crisis」という債務危機という言葉を用います。

財政危機・債務危機・ソブリン危機の原因

財政危機・債務危機・ソブリン危機は債務が増大することによって生じます。国家財政であれば、景気刺激のために歳出拡大や減税を実施することによって財政収支の赤字が拡大し、国債債務残高が増加します。また、少子高齢化の進展によって年金・医療・介護などに関する社会保障費用が増大することによって国家財政を圧迫することがあります。

民間の債務であれば、企業部門では過剰な設備投資、バブルの発生による投機的な不動産投資などによる債務残高の増大が挙げられます。家計部門では、過剰な融資や借り入れによる住宅ローンや自動車ローン、消費者ローンなどの増大、クレジットカードの利用増加などが挙げられます。

特に外国通貨建てで借り入れを行っている場合、為替レートの変動によって債務残高が急増することがあります。

財政危機・債務危機・ソブリン危機の影響

金利の上昇

財政危機・債務危機・ソブリン危機によって、国や地方自治体、銀行などの民間部門の信用不安が高まると、市場の金利が上昇します。そのため、新たな資金調達が困難となって資金繰りが難しくなり、債務不履行に至る場合があります。

通貨の下落

財政危機・債務危機・ソブリン危機によって、国などの信用が低下するとその国の通貨価値が下落します。信用不安から投資資金を引き揚げようとする動きが強まる一方、新たな投資は手控えられるためです。

インフレ

財政危機・債務危機・ソブリン危機によって通貨下落が発生する輸入品価格が上昇しインフレとなることがあります。また、財政危機・債務危機・ソブリン危機に対応するため中央銀行が通貨(紙幣・硬貨)発行残高を増やすことによって、紙幣・硬貨の価値が目減りし、急激なインフレを引き起こすことがあります。

金融危機

財政危機・債務危機・ソブリン危機によって信用不安が高まると、金利が上昇し、資金調達が難しくなるため、民間金融機関・金融システムへの不安を引き起こし、金融危機(金融システム危機・銀行危機)へと発展することがあります。

景気後退

財政危機・債務危機・ソブリン危機によって、金利の上昇や急激なインフレ、金融危機が発生すると深刻な景気後退を引き起こすことがあります。

金利の上昇は借り入れコストの増大によって投資の手控えが発生しますし、急激なインフレは家計の実質的な購買力が低下するため消費の減少につながります。金融危機が発生するとお金の流れが悪くなり、経済活動全般が停滞します。

財政危機・債務危機・ソブリン危機の例

財政危機・債務危機・ソブリン危機の例としては、2008年の世界金融危機後に、2009年以降2010年代前半に深刻化した欧州債務危機が有名です。

まとめ

  • 財政危機・債務危機・ソブリン危機とは、国などの債務が増大することで、信用不安が高まり、経済や社会の混乱が引きこされることをいいます。
  • 財政危機・債務危機・ソブリン危機によって、金利上昇、通貨下落、インフレ、金融危機などが生じ、経済活動を停滞させます。

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【財政危機・債務危機・ソブリン危機とはの記事は終わりです】

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