ドレッシング買い・お化粧買いとは
記事作成日:2017年9月19日
最終更新日:2021年6月17日
ドレッシング買いとは何か、お化粧買いとは何かについてです。ドレッシング買い・お化粧買いとは、投資・資産運用の場面で用いられる言葉ですが、月末や期末など投資の区切りとなる時点の株価などを引き上げるために行われる買いのことです。月末や期末の相場の動きを説明する言葉として用いられることがありますが、実際どの程度ドレッシング買いやお化粧買いがあるのかは不明です。ドレッシング買いやお化粧買いは期末の買いと表現されることもあります。
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ドレッシング買いとは・お化粧買いとは
ドレッシング買いとは、月末・期末など投資の区切りとなる時点の株価などを引き上げるために行われる買いのことを言います。ファンドや企業、年金基金などが、自ら保有する株式の評価額を引き上げて、少しでも良く見せたいという思惑から行われる投資行動であると言われています。ドレッシング買いはお化粧買い、期末の買いとも言われます。
ドレッシングとはサラダを食べる時に使うドレッシングではなく、着飾るというドレッシング(dressing:dressの現在進行形)から来ています。
ドレッシング買い・お化粧買いが発生しやすい時期
ドレッシング買いは相場の区切りとなる月末などに発生しやすいと言えます。特に投資家にとっては四半期ごと、半期ごと、年ごとなどが区切りとなるため、四半期末、半期末、年末などに発生しやすいと考えられます。
また、日本の場合は年度ごとの区切りとなるため日本で言えば年度末となる3月末に発生しやすいと考えられます。日本では企業の決算も3月末が区切りとなる場合が多いです。
ドレッシング買い・期末の買いは検証が難しい
日々の売買代金などは情報が開示されているため、売買の多い、少ない、を検証することは可能ですが、売買の意図までは分からないため、実際に株価引き上げを狙ったドレッシング買いがどの程度あるのかは検証が難しいと言えます。
実際にドレッシング買いを行っても、月末・期末を経過してしまうと下落する可能性があるため、リスクを伴った投資行動であり、実際に広く行われているかどうかは不明です。
また、相場を動かすだけの買いを入れられる投資家は限られるため、ドレッシング買いによって望む相場の動きを実現できるのか不透明な部分もあります。
投資家がドレッシング買い・期末の買いを意識する影響
期末にドレッシング買いがあるかもしれない、株価水準を引き上げるような投資行動が行われるかもしれないと投資家が広く認識することで、逆にドレッシング買いのような期末の株価上昇を現実のものとしてしまう可能性もあります。
実際には存在しない事であっても、存在すると広く考えられることで存在を前提とした投資行動をとることになるからです。ドレッシング買いが意識されれば、ドレッシング買いの流れに逆らうような投資行動を手控えようとする可能性があります。
逆にドレッシング買いを意識して利益を得ようとすれば月末や期末の上昇を狙って売りを仕掛ける可能性もあります。ドレッシング買いの動きを狙って売ろうとする投資家が増えれば、ドレッシング買いの動きは実現されない可能性が高まります。
まとめ
- ドレッシング買い・お化粧買いとは、月末や期末など投資の区切りとなる時点の株価などを引き上げるために行われる買いのことで、株価やファンドの成績などを少しでも良く見せたいという心理が背景にある投資行動です。
- ドレッシング買い・お化粧買いによって実際に株価を引き上げるためにはそれなりの規模の資金を投じる必要があるとみられること、投資行動の意図は外部から分からないことなどから、実際にドレッシング買い・お化粧買い、期末の買いといったことがどれだけあるのかは不明です。