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経済危機とは

記事作成日:2018年7月5日
最終更新日:2021年9月7日

経済危機とは

経済危機とは、深刻な景気後退(不況)、株価などの金融資産の暴落、不動産などの実物資産の下落、銀行などの金融システムの機能不全、貿易活動の停滞、通貨価値の下落、急速な物価の上昇(インフレ)、生活物資の不足、失業者の大量発生、企業の連鎖的な倒産などによって経済活動が大幅に停滞して経済が危機的な状況に陥ることを意味します。大恐慌と呼ばれることもあります。

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経済危機の種類・要因

経済危機には次のような種類・要因のものがあります。

行き過ぎた経済活動の反動による景気後退

経済危機は、景気が良い時に経済活動が行き過ぎてしまうことの反動によって景気後退に陥ることで引き起こされることがあります。例えば、過剰生産、過剰在庫、過剰投資、過剰債務などが該当します。

景気が良いからといって楽観的な見通しに基づいて生産活動を活発化させたり、過剰な在庫を抱えたり、過剰な設備投資を行ったり、過剰な借り入れをして運転資金や投資資金としたりしても、市場の規模には限りがあり、思った通り商品が売れずに過剰生産、過剰在庫、過剰投資、過剰債務などとなることがあります。

過剰生産、過剰在庫、過剰投資、過剰債務となってしまうと、大幅な値下げを強いられるため売り上げが減少し経営が悪化したり、新たな投資をする余力がなくなってしまったり、資金繰りがつかなくなって倒産してしまったり、利息負担によって何年も苦境が続いたりしてしまいます。

過剰生産、過剰在庫、過剰投資、過剰債務などになると企業の経済活動が鈍化して、景気後退が発生し、景気後退が深刻化すると経済危機・大恐慌に至ることがあります。

経済政策の失敗による景気後退

政府の経済政策の失敗が景気後退を引き起こし、経済危機へと至ることがあります。政府が財政収支を改善しようと緊縮財政政策を行い、政府の歳出を削減したり、増税を実施したりすると、個人消費が冷え込み、企業活動の停滞を招き、景気後退となることがあります。

また、公的部門が肥大化し非効率な資金の流れができてしまったり、過剰で効果が薄い公共投資が行われたりすることによって、経済の活力が削がれてしまうこともあります。

他には、政府の規制強化によって企業や個人の経済活動が制限されてしまい、経済成長が阻害されてしまうこともあります。

保護貿易主義による貿易活動の停滞

世界各国が自国産業の保護や経常収支の改善などを目的として、他国からの輸入品に対して高い関税を課したり、輸入規制を行ったりすることによる保護貿易主義が経済危機を招くこともあります。

保護貿易主義は一見自国産業の保護・育成につながるようにも見えますが、国際貿易の停滞を招き、非効率な生産体制を生み出す要因となってしまうこともあるため、経済活動にとってマイナスとなることがあるのです。

1920年代の世界恐慌後の保護貿易主義に基づくブロック経済が国際貿易の停滞を招き、一部の国の経済が危機的な状態に陥ったことが第二次世界大戦を引き起こす要因の1つになったことが知られています。

金融政策の失敗などによるバブルの発生

金融政策の失敗が資産価格の高騰とそれに続く資産価格の急落を引き起こすことによって経済危機が引き起こされることがあります。実体からかけ離れて株価や不動産価格が高騰することをバブルと呼びますが、中央銀行による金融政策の失敗によってバブルが引き起こされることがあります。

中央銀行は、景気を刺激するために金融緩和を実施した後は過度なインフレやバブルの発生を防ぐために適切なタイミングで金融引き締めを実施することが望ましいと考えられますが、景気の腰を折り、世論から批判されることを恐れるあまり、金融緩和をやめることができず、金融引き締めが遅れてしまい、バブルを発生させてしまうことがあるのです。

バブルが発生すると、人々は借金をしてでも値上がりを期待して株式や不動産に投資をするようになってしまい、一度バブルが発生すると株式や不動産などの資産価格の下落によって大量の不良債権が発生してしまい、銀行システムの機能不全を引き起こしてしまうことがあるのです(金融危機)。

金融危機・金融システム危機・銀行危機

景気後退による連鎖的な倒産、主要な取引先の経営不振、過剰融資による融資の焦げ付き、株価や不動産などの資産価格の下落などによって銀行の経営が悪化し、金融システムの機能が低下することによって金融危機(金融システム危機・銀行危機)が発生し、経済危機となることがあります。

2008年の世界金融危機(日本ではいわゆるリーマン・ショックと呼ばれる経済危機)は、信用力が低い人向けのサブプライムローンが組み込まれた証券化商品のリスクが顕在化し、大幅な価格下落が発生したことが引き金となっていますが、証券化の技術によってリスクが分かりづらくなり、実態以上に高く評価されてしまったことが要因です。

金融機能が低下すると、銀行が融資をすることが困難となり、貸し渋りや貸し剥がしが発生し、企業の経済活動が停滞し、深刻な景気後退へと結びついてしまうことがあるのです。

通貨危機・国際収支危機

特定の国の通貨価値が急激に下落する通貨危機によって経済危機が引き起こされることがあります。大幅な経常収支の赤字を抱える国の外貨準備の減少などによる対外的な支払い能能力への懸念から、投資家などが特定の国の通貨を一斉に売り込むことによって急激に通貨価値が下落し、経済の混乱が引き起こされることがあります。

通貨価値の下落によって、輸入品の価格上昇を招くため急激なインフレが発生することがあります。また、外貨建てで債務を抱えている場合には債務が膨張してしまうため、支払い・返済が困難となることがあります。通貨価値の下落によって銀行などの金融システム機能が低下してしまう場合もあります。

財政危機・債務危機・ソブリン危機

特定の国の財政状況への懸念から経済危機に至る場合があります。政府債務によって特定の国の財政状況が悪化すると、国債の利払いや償還が遅れる、あるいは行われなくなるとの懸念が生じ、信用不安から金利の上昇を招き、経済の混乱が引き起こされることがあります。

2010年代前半の欧州債務危機では欧州の一部の国の財政状況の悪化を背景に信用不安が生じ、欧州で財政状況への懸念が強い国を中心に金利が上昇し、経済活動の停滞を招きました。

まとめ

  • 経済危機とは、経済活動が大幅に停滞して経済が危機的な状況に陥ることを意味し、大恐慌と呼ばれることもあります。
  • 経済危機は、過剰生産や過剰投資、経済政策の失敗、保護貿易主義、金融政策の失敗とバブルの発生、金融危機・金融システム危機・銀行危機、通貨危機・国際収支危機、財政危機・債務危機・ソブリン危機などによって引き起こされます。

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【経済危機とはの記事は終わりです】

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