生活に役立つお金の知識と情報です。
※本サイトは広告を掲載しています。

イベントリスクとは

記事作成日:2017年8月8日
最終更新日:2021年6月29日

イベントリスクとは

イベントリスクとは何かについてです。イベントリスクとは、投資・資産運用において用いられる言葉で、突発的な出来事や事件(イベント)によって投資している資産の価格が変動するリスクのことをいいます。イベントリスクが投資家の間で意識されると、投資家はリスク回避的な行動をとるため、株式などリスク性資産は価格が下落する可能性が高まります。

スポンサーリンク

投資におけるイベントリスクとは

イベントリスクとは、政治情勢の変化、自然災害の発生、経済的な危機、社会的な重大事件の発生など突発的な出来事や事件(イベント)によって投資している資産価格が変動するリスクを意味します。

全く予期されていなかったイベントに限らず、発生が予想されていたイベントであっても、結果が想定されていたものと異なっていた場合も特定の資産の価格変動を招く恐れがあります。

企業経営におけるイベントリスクとは

イベントリスクは企業経営などの場面においても用いられることがあります。例えば、航空業界はイベントリスクが大きいというような文脈ですが、地域紛争・テロ活動や政治情勢の不安定化、感染症の発生などによって旅客輸送が落ち込む可能性があり、業績に影響を受けやすいというような意味になります。

イベントリスクの例

イベントリスクの例を紹介します。イベントの相場への影響はイベントの内容によって異なります。

政治的なイベントリスク

政治的なイベントリスクについてです。時期が事前にわかる選挙のようなイベントもあれば、突発的に発生するクーデターなどもあります。

選挙

選挙は政権交代や政権の弱体化を招く恐れがあるため、投資家の警戒を招く場合があります。大統領選挙、議会選挙、重要な地方選挙は要注意となります。また、国の重要な政策をめぐる国民投票も近年では注目を集めることがあります。

政権の弱体化

国民の不満、社会情勢の不安定化により政権が弱体化すると政策遂行が困難となることがあり、投資家の失望から株価下落などを招く恐れがあります。選挙の敗北や与党の分裂、連立政権の解消などによって議会で少数与党となるような場合にも議会での主導権の喪失により政権が弱体化する場合があります。

政権交代

政権が交代すると、経済政策や外交政策などが大きく転換する可能性があるため、投資家の行動に大きな影響を与える可能性があります。投資家に親和的な政策をとるかどうかで資産価格への影響が変わってきます。

クーデター・革命

クーデターや革命が発生すると政治体制が大きく変わることになるため資産価格の大きな変動をもたらす恐れがあります。また、クーデターや革命は失敗に終わっても政治情勢の不安定さを示す出来事になるため、投資する場合には警戒が必要になります。

反政府運動・内戦の発生

国内での政治的な緊張の高まりや社会的な不満の高まりによって、反政府運動が活発化したり、内戦が発生したりする場合があります。反政府運動や内戦は国内の経済活動の停滞を招くばかりでなく、周辺諸国にも影響を与える可能性があり、投資家の投資資金の流出を招く恐れがあります。

テロ活動

テロ活動が活発化すると、社会不安の増大や地域における緊張の高まりへの警戒感から投資家心理を冷やす場合があります。

地域紛争・地域的な緊張の高まり

民族的・政治的・宗教的な立場の違いから地域紛争が発生する場合があり、資産価格の変動をもたらす場合があります。実際に戦争にならなくても外交的な緊張は投資家心理の後退につながることがあります。

国家指導者の死亡・引退

重要な国家指導者の死亡や引退は政治的な混乱を引き起こす場合があり、投資家にとって警戒材料となることがあります。政治的な不安定化が懸念された場合には、資産価格の下落に至る場合があります。

経済的な危機によるイベントリスク

経済的なイベントリスクは予兆がある場合も多いですが、突然問題が明るみになる場合もあります。

金融危機

金融危機とは、金融機関の不良債権の増大や経営破綻などによって金融システムへの不安が高まり、取引先の債務不履行を警戒して融資や取引を手控える動きが広がることによる、経済的な危機を意味します。金融危機が発生すると2008年の世界金融危機(日本ではリーマンショックと呼ばれます)のような世界的な混乱を招く恐れがあり、資産価格の急落につながることがあります。

通貨危機

通貨危機とは、経済の低成長、財政赤字や経常赤字、外貨準備の不足、対外的な債務の増大などを背景にして、通貨が急速に下落して、輸入物価の急上昇などによって引き起こされる、経済的な危機を意味します。1990年代後半のアジア通貨危機が有名ですが、周辺諸国に連鎖的に波及して、地域・世界規模で混乱を招く恐れがあり、資産価格が急落する場合があります。

通貨当局による通貨切り下げ・通貨切り上げも資産価格の変動を招く恐れがあります。

財政危機・債務危機

財政危機・債務危機とは、経済の低成長、税収の落ち込み、歳出の増大などによって、国家財政が悪化し、国債の元本や利子(クーポン)の返済が遅れたり、行われなくなったりすることによって、あるいはその懸念によって引き起こされる経済的な危機を意味します。国家の債務不履行はこれまでたびたび繰り返されていますが、国債投資をしている投資家は直接的な影響を受ける可能性があります。

社会的なイベントリスク

社会的なイベントリスクは突然顕在化することが多いですが、事前に何らかの兆候がある場合もあります。

自然災害

地震・火山の噴火・水害・台風(ハリケーン)などによる自然災害の発生は特定の国・地域の経済活動に深刻な悪影響を及ぼす可能性があり、資産価格の下落を招く恐れがあります。また、保険会社の経営悪化が懸念され、保険会社の株かが下落することもあります。

感染症(病気)の発生

今まで確認されていない病気の発生、重大な影響があると考えられている感染症の発生により、経済活動が影響を受ける場合があります。感染症等の発生により人や物の移動が制限されたり、移動を自粛したりする動きが広がることで経済・企業業績への悪影響が懸念され株価等の下落を招く恐れがあります。

天候不順

エルニーニョ現象、ラニーニャ現象、インドのモンスーンの雨量などが有名ですが、天候の不順によって農産物が大きな影響を受ける可能性があり、農業国の株価などに影響を与える場合があります。世界的な農産物の高騰につながった場合には、各国の経済を通じて株価などの資産価格に影響を与える可能性があります。

労働紛争(ストライキ)の発生

大規模なストライキの発生によって、工場や鉱山などの操業が困難となり、特定の企業の株価に影響を与える可能性があります。また、場合によっては国、世界規模で影響を及ぼす場合もあります。

企業の経営破綻

有名な企業が経営破綻することで、経済への影響や連鎖的な破綻が警戒され、経営破綻した企業の株価だけでなく、他の資産価格の下落を招く恐れがあります。

会計不祥事

有名な企業において粉飾決算などの会計不祥事が発覚し、投資家のリスク回避姿勢を招くことがあります。また、会計不祥事に端を発した規制強化が企業のコスト増につながると意識される場合もあります。

資源の輸出規制

民族主義・国家主義的思想の高まり、自国産業の保護、貿易相手国に対する威嚇などを目的として、資源の輸出規制が行われる場合があります。原油や鉱産物、木材など様々な輸出規制の例がありますが資源の輸出規制により世界経済が影響を受ける場合があります。

規制強化

突然の規制強化の動きが資産価格に影響を与える場合があります。金融に対する規制強化、資本の移動に対する規制強化などは特定の企業・業種にとどまらず、広範な影響を及ぼす可能性があります。

工場火災

工場などの火災や爆発事故の発生が資産価格に影響を与える可能性があります。重要な商品を提供している工場が被災した場合には、事故の影響は特定の企業にとどまらず、国・世界規模で影響を及ぼすこともあります。

著名な経営者の死亡・引退

著名な経営者(カリスマ経営者)が死亡・引退した場合には、その企業の業績に影響を与える可能性があり、株価の下落要因となる場合があります。

イベントリスクの対応方法

イベントリスクが意識された場合、イベントが顕在化した場合には、投資家がリスク回避的な投資行動をとるため、株価などのリスク性資産の価格下落を招くことがあります。しかし、混乱や影響が一時的なものであって、経済に深刻な影響を及ぼさない場合や、影響を及ぼしても回復が見込まれる場合には、イベントリスクを背景とした価格下落時は買い場となることもあります。

イベントリスクが意識された場合、イベントが顕在化した場合には、イベントの影響が一時的なものなのか、持続的なものなのかを見極めることで投資機会を発見できる場合があります。

まとめ

  • イベントリスクとは、突発的な出来事や事件(イベント)によって投資している資産価格が変動するリスクのことです。
  • イベントリスクが実際に発生すると、リスク回避的な動きから、株価などが下落することがあります。しかし、イベントリスクの影響が一時的なものとみなされる場合には、買い戻されることがあり、イベントリスクによる資産価格が一時的なのがどうかの見極めが重要になります。

スポンサーリンク

【イベントリスクとはの記事は終わりです】

「資産運用|お金を増やす」のページに戻る



SNSでシェア・ブックマーク・後で読む

Twitter Facebook LINE はてな Pocket
最近よく読まれているページ
家計・節約のおすすめページ

ページの先頭へ