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フォワードガイダンス・時間軸政策とは

記事作成日:2018年7月31日
最終更新日:2021年9月6日

フォワードガイダンス・時間軸政策とは

フォワードガイダンス(forward guidance)とは、中央銀行が示す先行きの金融政策の方針のことを意味し、通常は一定の条件を満たすまで現在の金融政策を続けることを約束し、金融政策の効果を高めるために用いられます。単なる利下げなどでは対応できないような深刻な景気後退・金融危機の発生時に非伝統的な金融政策手段の一種として行われることがあります。フォワードガイダンスは、日本銀行やFRB(連邦準備制度理事会)、ECB(欧州中央銀行)など、主要な中央銀行の金融政策において採用されています。フォワードガイダンスは日本では時間軸政策と呼ばれることもあります。

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フォワードガイダンスの種類

フォワードガイダンスによって示される金融政策を続ける一定の条件には、暦上の一定の時点が到来するまでとするパターン、インフレ率が物価目標を達成するまでとするパターン、失業率などの経済指標が一定の水準に達するまでとするパターン、時期・期間を明示せず抽象的に表現するパターンなどがあります。

フォワードガイダンスの意義

フォワードガイダンスによって、金融政策の方向性を示すことで金融政策の効果を高める狙いがあります。金融政策の先行きが不透明で市場参加者が誤った思い込みをしてしまうと、市場の金利などが中央銀行の意図しない動きをしてしまい、金融政策の効果が十分に発揮されないことがあります。

例えば、中央銀行は金融緩和をしばらく継続しようと考えているにもかかわらず、市場が金融緩和の解除が近い、金融緩和の出口が近いと誤解してしまうと、市場の金利は上昇し、金融緩和の効果が打ち消されてしまいます。

市場が中央銀行の意図を読み誤らないように金融政策の継続を約束する、継続に責任を持つ(コミットする)ことで金融政策の効果を浸透させようとします。

フォワードガイダンスが効果を発揮する条件

フォワードガイダンスが効果を発揮するためには、中央銀行が市場から信認されている必要があります。市場が中央銀行を信認しておらず、金融政策が突然変更されるかもしれない、フォワードガイダンスが守られないかもしれないと思われてしまうと、フォワードガイダンスは効果を発揮しません。

中央銀行の総裁が市場で信用されていない場合、中央銀行の金融政策が市場で評価されていない場合、フォワードガイダンスを守れるような環境ではない場合には、フォワードガイダンスは信用されず、効果を発揮することができません。

時間軸政策とは

時間軸政策とは、フォワードガイダンスと同じ意味で、一定の条件が満たされるまで現在の金融政策を継続することを約束して、金融政策の効果を高めようとする政策です。

時間軸政策は今では当たり前に行われていますが、かつて日本銀行がゼロ金利政策を行う際に、時間軸政策を打ち出し、金融緩和が続くということを明示することによって、金融緩和の効果を高めようとしたことが有名です。

まとめ

  • フォワードガイダンスとは、中央銀行が現在の金融政策を一定の条件を満たすまで続けることを約束することを意味し、金融政策の効果を高める狙いがあります。
  • フォワードガイダンスが効果を発揮するためには、中央銀行の金融政策が市場から信頼されていることが重要となります。

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【フォワードガイダンス・時間軸政策とはの記事は終わりです】

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