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地政学リスクとは

記事作成日:2017年8月1日
最終更新日:2021年6月29日

地政学リスク(地政学的リスク)とは

投資の場面において用いられる地政学リスク(地政学的リスク)とは何かについてです。地政学リスク(地政学的リスク)とは、影響が周辺の地域や世界に波及する可能性が高い政治的・軍事的なリスクのことをいいます。地政学リスクが意識されると投資家心理を冷やし、投資家はリスク回避的な動きをとる傾向があります。

地政学とは、地理と政治に関する研究・学問のことをいいますが、国家は地理的な条件・要因の影響を受けるため、国家の所在する場所・地理的な条件が政治や軍事の面にどのような影響を与えるのかが研究・学問の対象となっています。

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地政学リスクとは(地政学的リスクとは)

地政学リスク(地政学的リスク)とは、発生あるいは深刻化した場合に、周辺の広域的な地域あるいは世界の政治・経済・軍事などに大きな影響を及ぼす可能性がある特定の国や地域が抱える政治的・軍事的な問題のことをいいます。

大雑把には、地政学リスクとは、影響が特定の国にとどまらず周辺の地域や世界に波及する政治的・軍事的なリスクと理解しておけば良いと考えられます。

例えば、戦争、地域的な紛争、内戦、大規模なテロリスト活動、外交関係の緊張、反政府運動、政治的混乱、核やミサイルなどの開発、軍隊の派遣による威圧などです。サイバー空間における対立も将来的には重要な地政学リスクとなる可能性があります。

地政学リスク(地政学的リスク)は、投資・資産運用以外の場面でも用いられる言葉ですが、一般的には投資に関する場面で用いられることが多く、投資家の視点から見て影響がある問題が地政学リスクとして認識されます。

地政学とは

地政学リスク、地政学的リスクの地政学(Geopolitics)とは、地理と政治の関わりについての研究・学問のことをいいます。国家は存在する場所が違ってくることで、経済、軍事、政治、社会、文化、宗教などの面でも影響を受けることから、地理的な要因・条件が国家の政治面を中心にどのような影響を受けるのかを明らかにすることを目的としています。

周辺国との関係が重要になることから、政治面に限らず、軍事面や経済面での影響についても研究の対象となっています。

経済の面では、農業に適した土地に国家が存在するのか、資源が存在しているか、陸路や海路などの交通の要衝になっているか、周辺の地域は栄えているかなど地理的な条件が影響します。

軍事の面では、周辺の国の軍事力、周辺国の民族や宗教の分布、陸路や海路など交通の状況、地形、防衛のしやすさなどによって国家は影響を受けます。大陸国家なのか、海洋国家なのかという分類が良くなされます。陸軍の国なのか、海軍の国なのかということです。

政治の面では、周辺の国の政治体制、宗教、経済力、産業、資源の有無、軍事力、などの影響を受けます。

社会・文化・宗教の面では、大陸に存在しているのか、島国なのかによっても社会・文化・宗教が異なってきますし、海岸に近い場所に位置するのか、内陸国なのかによっても社会・文化・宗教の様相が異なってきます。気候や標高、周辺の国の社会・文化・宗教などの影響も受けます。

地政学リスク(地政学的リスク)が顕在化した場合の影響

地政学リスク(地政学的リスク)が問題となる場合の影響についてです。

大規模な地域紛争の発生

特定の地域で外交・軍事の面で緊張が高まった場合には、周辺の国を巻き込んだ大規模な地域紛争となる可能性があります。数次にわたって行われた中東戦争の例があります。

中東地域には産油国が多く、原油の供給の面からも大きな問題となりました。第1次オイルショック、第2次オイルショックが有名です。テロ活動を契機として周辺地域が不安定化するような場合もあります。

類似する政治体制の国への政治的混乱の波及

2011年を中心として活発化した北アフリカ地域から中東地域における反政府運動、いわゆるアラブの春は、チュニジアにおける反政府運動がエジプトやリビア、シリアなど類似する政治体制、宗教的・文化的背景を持つ国に広がっていきました。

欧州地域では欧州連合(EU)による政治的、経済的な統合に向けた動きが続いていましたが、域内の経済格差や移民の問題などを背景に、反EUの動きが欧州地域全般に広がり、各国で政治的混乱をもたらすような動きもありました。

資源供給の混乱

人類の経済・社会活動にとって重要な資源の供給が停滞するような事態も地政学リスクとなります。産油国・産出国での問題と輸送ルートの問題があります。

産油国・資源国における混乱

原油を産出する産油国で地域紛争や内戦、反政府運動、テロ活動が発生すると、原油などの資源供給に影響を与えることがあり、周辺の地域だけでなく、世界的に影響を与えることがあります。

特に産油国が多く存在する中東地域での地域的な紛争、内戦、反政府運動、大規模なテロ活動は世界経済に大きな影響を与える可能性があります。中東地域では、イスラエルとアラブ諸国の対立、宗派間の対立、テロリストの活動などによって政治情勢が不安定になりやすく、地政学リスクが警戒されやすい地域です。

特定の国家だけの政治的な混乱や内戦であれば、周辺の国や地域に大きな影響をもたらさないことも多いですが、原油や天然ガス、鉄鉱石、銅鉱石、レアメタルなどの鉱物資源、農産物などの主要な輸出国である場合には周辺の国や地域に直接的に政治的に混乱が波及しなくても、世界経済に大きな影響を与えることがあります。

重要な交通の要衝での緊張の高まり

交通の要衝となる地域での緊張の高まりが資源供給への懸念を高めることがあります。ホルムズ海峡やマラッカ海峡などは原油などの資源を積んだ船が行き交う海上交通の要衝となっていますが、周辺の国で軍事的な緊張が高まると海上交通が遮断され資源の運搬に支障が出て供給が困難になることが想定されます。

地政学リスクと株価・金利・為替・原油価格の関係

一般的に地政学リスクは世界あるいは広域的な地域に政治的・経済的な混乱をもたらすため、投資家心理に悪影響を与えます。実際に地政学リスクが顕在化することがなくても、地政学リスクが意識されることがマイナス材料となることがあります。ただし、実際の市場の動きは異なった動きとなることもあります。

地政学リスクの株価への影響

地政学リスクが意識されると、投資家心理を冷やし、リスク回避的な行動を促すため、株価は下落しやすくなります。地政学リスクによって特に影響を受けやすい地域の株価は大きく下落する可能性があります。

地政学リスクの金利への影響

金利は、投資家の資金の逃避先となるかどうかによって状況が変わってきます。リスク回避的な動きをする際に選好されやすい安全資産となる米国やドイツなどの先進国債券は地政学リスクが意識された際に買われ、金利が低下しやすくなります。一方で、地政学リスクの影響を受ける可能性がある国やリスク性資産の色彩が強い資源国や新興国の債券は売られ、金利が上昇しやすくなります。

地政学リスクの為替レート・通貨への影響

通貨は、有事のドル買いという言葉があるように、地政学リスクが意識された場合に、資金の逃避先となることがある米国のドルが上昇しやすくなります。またスイスフランや日本円も安全資産として買われることがありますが、地政学リスクの内容にもよります。

地政学リスクの原油価格への影響

地政学リスクというと、中東や原油供給に関するリスクであることが多いことから、地政学リスクの内容にもよりますが、原油の供給不安から原油価格が上昇することが良くあります。一方、中東や原油供給と無関係のリスクである場合には、通常原油価格に大きな影響を与えないと考えられます。

ただし、世界経済の後退をもたらす場合は原油需要の減少が連想され原油価格下落に結びつく可能性もあります。

まとめ

  • 地政学リスク(地政学的リスク)とは、影響が特定の国にとどまらず周辺の地域や世界に波及する政治的・軍事的なリスクです。地政学とは地理と政治に関する研究・学問です。
  • 地政学リスクが意識されると、投資家の心理を冷やすため、株価は下落、逃避先の国の金利は低下、ドルが上昇という動きになりやすい傾向があります。

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【地政学リスクとはの記事は終わりです】

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