ゴルディロックス相場(適温相場)・ゴルディロックス経済(適温経済)とは
記事作成日:2019年4月24日
最終更新日:2021年6月20日
ゴルディロックス相場(適温相場)とは、市場の値動きが過熱しすぎず、冷え過ぎておらず、丁度良い状態であることを意味します。株式市場を例に挙げれば、程よく緩やかに上昇が続いているような状態です。ゴルディロックスという言葉は経済など他の言葉と一緒に使われることがあります。
ゴルディロックス経済(適温経済)とは、景気が過熱しすぎず、冷え込み過ぎず、丁度よい適度な状態であり、程よい緩やかな経済成長が続いている状態を指します。ゴルディロックス経済は、単に丁度よい適度な状態であるというだけではなく、完全雇用が達成されていて経済的に安定している状態であると説明される場合もあります。
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ゴルディロックス(Goldilocks)の由来
イギリスの童話である「ゴルディロックス(Goldilocks)と3匹の熊」の物語ではゴルディロックスという少女が不在にしている3匹の熊の家を見つけ、家の中に用意された3つの粥、スープ上の食べ物(porridge)を見つけます。1つは熱過ぎ、1つは冷た過ぎたのですが、1つは熱過ぎず、冷た過ぎず丁度良い熱加減だったのでゴルディロックスが全部食べた、というくだりがあります。3匹の熊の物語のこの部分に由来して、「ゴルディロックス」という言葉は「熱過ぎず、冷た過ぎず、ちょうどよい適温な状態」(丁度良い適度な状態)という意味で用いられます。
なお、「ゴルディロックス(Goldilocks)」は「Gold(金)」と「Lock(髪)」から来ているとされています。
ゴルディロックス相場(適温相場)となる条件
ゴルディロックス相場(適温相場)となるためには経済や金融環境、物価、市場金利が丁度良い状況である必要があります。
ちょうどよい経済(ゴルディロックス経済)
経済については、程よい経済成長(ゴルディロックス経済)が続いていることが重要で、経済成長率が高すぎず、低すぎず、程よい状態であるとゴルディロックス相場となりやすいです。経済が好調過ぎると株価などは力強く上昇してしまい、相場の転換も早まってしまいます。経済の調子が悪い時には株価は上昇しません。
ゴルディロックス経済(適温経済)となるためには、金融環境、物価上昇率、金利が程よい状態であることが必要となります。
ちょうどよい金融環境
金融環境についても程よい状態であることが重要で、金融緩和が行き過ぎているとバブルのようになってしまいますし、金融引き締めが行き過ぎると投資家心理を冷やしてしまいリスク性資産は下落してしまいます。そのため、緩やかな金融緩和あるいは緩やかな金融引き締めのような状態となっているとゴルディロックス相場となりやすいと言えます。
ちょうどよい物価上昇率
金融環境が程よい状態であるためには、物価上昇率が程よく、極端なインフレでもデフレでもないことが必要となります。物価が上がり過ぎれば中央銀行は利上げなどによる金融引き締めを強化しますし、物価の伸びが弱くなれば金融緩和が行われる可能性が高まります。
ちょうどよい市場の金利
市場の金利も落ち着いていることが必要です。金利が上がり過ぎると企業の借り入れ金利が上がり設備投資などが手控えられるため、株価の上昇に水を差すことになります。金利が下がり過ぎると株価などが過熱しすぎてしまいます。
ゴルディロックス相場(適温相場)の注意点
株式市場などでのゴルディロックス相場(適温相場)では、上下の変動を伴いながらも緩やかな株価の上昇が続いていくため、ずっとそのような丁度良い相場展開が続くと錯覚しがちです。特に悪材料やリスク要因に対して鈍感になりがちなので、悪材料やリスク要因が出てきてもしばらく反応しないで株価の上昇が続くことがあります。
しかし、いつまでも丁度良い状況は続かず、ゴルディロックス相場の裏で経済や金融環境の悪化が起きていないか目を光らせておくことが大切です。株価の上昇が続いているとつい油断してしまいがちですが、株価は下がることもあるのです。
まとめ
- ゴルディロックス相場(適温相場)とは、株式市場などが過熱し過ぎず、冷め過ぎず、ちょうどよい状態であることを意味し、例えば株価の緩やかな程よい上昇が続いているような状況を指します。ゴルディロックス経済(適温経済)は経済がちょうどよい状態であることを意味します。
- 「ゴルディロックス」はイギリスの童話「3匹の熊」の熱過ぎず冷め過ぎずちょうどよい温度の粥(スープ)という表現に由来します。