グレートローテーションとは
記事作成日:2019年2月16日
最終更新日:2021年6月16日
グレートローテーションとは、金融においては多くの投資家が資産配分を変更し、債券などの安全資産と株式などのリスク資産の間で大規模な資金の移動が発生する大転換を意味します。通常は投資家のリスク回避姿勢が弱まりリスク選好姿勢が強まることで、債券などの安全資産から株式などのリスク資産へと資金が移動し、株価の力強い上昇が引き起こされるような局面を指すことが多いです。
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グレートローテーションが起こる理由・背景
投資家は、金融危機などが発生したり、景気が後退したりしている状況下では、株価の値上がりが期待できないため、資金を株式などのリスク資産から債券などの安全資産に移動させてリスクを抑えようとします。
しかし、危機の原因が取り除かれて危機が去る時や景気が後退局面から回復局面に移行する時、困難な事態を打開するために金融緩和や財政出動が行われる時などには、投資家の心理が改善し、リスクを取れるようになるため、債券などの安全資産から株式などのリスク資産に資金を移動させるのです。
そのため、相場の局面が変わる時にグレートローテーションが発生するのです。多くの投資家が資金を移動させるため、株価の上昇などが引き起こされ、株価の上昇が引き起こされることによって買い安心感が出てくるため、更に株式への資金移動が引き起こされるというような循環が発生します。
グレートローテーションの大きな波は利益を得る機会となる
投資では相場の大きな流れに乗ることで利益を得ることができます。いわゆる順張りと呼ばれる投資スタイルですが、債券などの安全資産から株式などのリスク資産への資金の流れが発生し、株価の上昇が引き起こされている場合には、リスク資産の価格上昇の波に乗ることによって利益を得ることができます。
市場は一度動き始めると短期間で勢いがついてしまうこともあるため、グレートローテーションのような大きな動きが起きている時に、今起きている株価の上昇は続かないのではないかというように警戒してしまうと、買い場を逃してしまい、出遅れてしまうことがあります。
逆張り的な考え方で相場の転換点を待つということも大切なのですが、相場が動き始めたら相場の流れに乗るということも大切なのです。
グレートローテーションが起こるためには経済情勢の改善見通しが重要
グレートローテーションが起こるためには、経済情勢が改善するという見通しが重要になります。経済的な裏付けがないまま、市場の需給要因、テクニカルな要因だけでは、株価の持続的な力強い上昇が引き起こされることが難しく、株価が上昇したとしてもいずれ力強さを失ってしまい、一時的、短期的なものに終わってしまいます。
逆に経済情勢の裏付けがあれば、投資家は安心してリスク資産に投資することができるようになるため、株式などのリスク資産の上昇が引き起こされやすくなり、かつ価格上昇が持続しやすくなります。
株式などのリスク資産の価格は経済情勢に裏付けられるため、株価などが力強く上昇するためには、経済情勢が良くなるという見通しが大切なのです。
まとめ
- グレートローテーションとは、債券などの安全資産と株式などのリスク資産の間で大規模な資金移動が発生することを意味します。
- グレートローテーションは、金融危機が去るような場面、景気が後退局面から回復局面に移行する場合、金融緩和や財政出動が行われる場合など、投資家心理が変化し相場の流れが変わる時に発生します。