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ヘリコプターマネーとは

記事作成日:2019年3月15日

ヘリコプターマネーとは、ヘリコプターが空からお金をばらまくかのように、中央銀行や政府が対価を取らないで紙幣を大量に刷って家計などに供給する政策のことを意味します。ヘリコプターマネーは金利を下げる金融政策が陥る流動性の罠(金利が低下しすぎたことによって金融緩和の効果が失われてしまった状態)を克服する非伝統的な金融政策の一つの方法として提唱されることがあります。疑似的なヘリコプターマネーとして政府が発行した国債を中央銀行が引き受け保持し続ける方法(財政ファイナンス)、無利子永久債を発行して中央銀行が引き受けて保持し続ける方法なども考えられます。

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ヘリコプターマネーの特徴

ヘリコプターマネーは対価なしでお金が大量に供給されるという点、家計などに対して直接的に供給しようとする点、金利ではなくお金の量的な手段である点などが特徴となります。

ヘリコプターマネーと量的緩和政策の違い

量的緩和では中央銀行は国債などの資産を買い上げることによって対価としてお金を金融機関などに供給します。しかし、金融機関が融資を増やさない限り家計や企業資金は行きわたりません。また、融資が投機に用いられてしまい、不動産バブルなどを発生してしまう恐れがあります。

ヘリコプターマネーは紙幣を大量に刷り、直接家計に供給するため、金融機関による融資が行われるかどうかとは関係ありません。また、家計に幅広く供給するため投機だけではなく、消費も喚起することができると考えられます。

ただし、ヘリコプターマネーは中央銀行や政府は対価を取らないで紙幣を供給するため、中央銀行の財務健全性が損なわれる、元の状態に戻すことが難しくなるいう点が量的緩和と異なります。

ヘリコプターマネーのメリット

ヘリコプターマネーは景気刺激効果や物価を押し上げる効果があることがメリットになると考えられます。

消費喚起等による景気刺激効果がある

ヘリコプターマネーではお金をばらまくため、お金を受け取った人は消費行動が活発化し、個人消費が喚起される可能性があります。政策金利の引き下げや量的緩和では、金融機関が融資を活発に行うことで設備投資や個人消費が喚起される仕組みですが、ヘリコプターマネーは現金を直接配るのでお金をたくさん使ってもらえる可能性が高まるのです。

お金が使われることによって経済をお金が巡るようになり、景気が刺激される可能性があるのです。

デフレを克服しインフレを起こす可能性がある

ヘリコプターマネーでは、お金を大量に供給するため、お金の1単位当たりの価値が薄まります。そのため、同じものを買う場合に従来よりもより多くのお金が必要になります。つまり、インフレが発生するのです。

ヘリコプターマネーを行うと、デフレが続いていた場合には、デフレを克服できる可能性があります。供給する資金の量を上手く調整できれば、適度なインフレを引き起こすことができる可能性があります。

金利引き下げや量的緩和の効果がない場面で効果が期待できる

ヘリコプターマネーは政策金利の引き下げや量的な緩和で効果がない場合に効果が期待される非伝統的な金融政策となります。政策金利を引き下げてゼロ近辺になった場合、マイナスの政策金利に引き下げる限界が訪れた場合、国債などの資産買い入れによる従来型の量的緩和によっても金融緩和効果が得られづらくなった場合でも、ヘリコプターマネーは効果が期待できる場合があるのです。

他に打つ手がないといった場合に、ヘリコプターマネーへの政策手段としての期待感が高まるのです。

ヘリコプターマネーのデメリットや問題点

ヘリコプターマネーのデメリットや問題点としては、通貨切り下げにつながるリスク、インフレにつながるリスクなどを挙げることができます。

通貨供給量が増えるため通貨切り下げにつながるリスクがある

ヘリコプターマネーが実行されると、大量のお金が市中に供給されることになります。そのため、国外の通貨との比較では、通貨1単位当たりの価値が薄まってしまい、価格下落につながってしまいます。ヘリコプターマネーは自国通貨切り下げに結びつく恐れがあり、通貨が切り下げられると海外からの輸入価格が上昇するためインフレを引き起こす可能性があります。

ハイパーインフレにつながるリスクがある

ヘリコプターマネーが実行されるとお金が大量に出回ることになるため、お金が大量にあることでお金の価値が薄まる、つまり単位当たりの価値が薄れて少なくなってしまいます。今までの10万円とお金が大量に発行された状態の10万円では、今までの10万円の方がありがたいのです。

お金が大量に発行された状態では、単位当たりのお金の価値が薄まるため、より多くのお金を受け取ららないとつり合いが取れなくなり、ハイパーインフレを招く恐れがあるのです。

中央銀行の信認や財務健全性が低下する恐れがある

ヘリコプターマネーにおいて中央銀行が紙幣を大量に刷る場合には、対価を受け取られないでお金を供給すると、中央銀行が供給したお金(中央銀行にとっての負債)の裏付けとなる資産がないため債務超過の状態に陥る恐れがあります。

つまり、中央銀行は何の裏付けもなく紙幣を発行するため、その紙幣の価値が疑われた場合、お金の価値が一気に失われてしまい、インフレや金利上昇などの混乱を招く可能性があります。

政府の財政規律が喪失し信認が失われる恐れがある

ヘリコプターマネーが行われることによって、政府の財政規律が失われてしまい、政府に対する信頼が損なわれてしまう恐れがあります。ヘリコプターマネーを用いれば望むだけお金を供給できるため、財政面において自らを律する必要が薄れてしまうのです。

その結果、国債投資が減ってしまい、需給のバランスが崩れて、金利が急上昇してしまう恐れがあります。

元の状態に戻すことが難しくなる

量的緩和のように対価を受け取って資金を供給している場合、対価として受け取った国債などの資産を市場で売却することによってお金を受け取り資金を吸収することができます。資金供給が行き過ぎてしまった場合は、元に戻すことが比較的容易にできるため調整が可能です。

一方でヘリコプターマネーとしてお金を供給すると、供給されたお金は残り、資金吸収のために売却できるような対価となる資産を受け取っていないため元の状態に戻すのが容易ではなくなります。

上手くいっている間は良いのでしょうが、問題が生じてヘリコプターマネー政策を修正しなければいけなくなった時に困難に直面する可能性があります。政策の調整ができない恐れがあるのです。

まとめ

  • ヘリコプターマネーとは、政府や中央銀行が対価を受け取ることをしないで、大量に紙幣等を発行し家計などに直接的に供給する政策のことを意味します。
  • ヘリコプターマネーには景気を刺激する効果、物価を押し上げる効果等のメリットがあると考えられます。一方で通貨切り下げのリスクがある、中央銀行や政府の信認が損なわれるリスクがある、といったようなデメリットがあります。

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【ヘリコプターマネーとはの記事は終わりです】

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