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個別銘柄リスクとは

記事作成日:2017年8月8日
最終更新日:2021年8月5日

個別銘柄リスクとは

個別銘柄リスクとは、株式投資での個別銘柄の価格変動リスクを「市場全体の動きによる価格変動リスク」と、「個別銘柄の固有の要因による価格変動リスク」に分けた場合の、個別銘柄の固有の要因による価格変動リスクに該当します。

つまり、個別銘柄の価格変動リスクのうち、市場全体の価格変動をもたらすリスクではなく、特定の個別銘柄に価格変動をもたらすリスクのことをいいます。市場全体の価格変動をもたらすリスクは市場リスクと言います。個別銘柄リスクはアンシステマティックリスクとも言います。

  • 個別銘柄の価格変動=市場全体の影響を受ける部分(市場リスク)+個別銘柄の要因による部分(個別銘柄リスク)

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個別銘柄リスク・個別銘柄の価格変動要因の例

個別銘柄リスク・個別銘柄の価格変動要因の例についてです。

決算・業績見通し

企業の決算や業績見通しは個別銘柄の変動要因となります。業績が改善すれば上昇要因、悪化すれば下落要因となります。企業が発表するのではなく、証券会社などの見通しも変動要因となります。

信用取引などの需給要因

銘柄によっては信用取引で買い残や売り残が積み上がっていて、持ち高の解消のため株式の需給が緩む、あるいは引き締まることが想定される場合があります。特殊な需給の要因がある場合は個別銘柄の価格変動要因となります。

市場のテーマ・人気動向

銘柄によっては時価総額が大きい、知名度がある、市場で話題となっているテーマである、雑誌記事やニュースが原因で話題となっているなどの理由から、売買代金が大きくなり人気化することがあります。個別銘柄の需給動向の特徴が個別銘柄の価格変動に影響を与える場合があります。

配当の実施・増額・減額・取りやめ

企業の配当政策は個別銘柄の変動要因となります。企業が配当を新たに実施したり、再開したり、増額したりする場合には上昇要因となります。逆に配当を減額したり、取りやめたりした場合には下落要因となります。

株式や新株予約権の発行・株式や新株予約権の無償割当、株式の売り出し

企業が新たに株式や新株予約権を発行(増資等)する場合には、個別銘柄の価格変動要因になります。既存の株主の権利が希薄化されるため、通常は下落要因となりますが、下落要因とならない場合もあります。株式や新株予約権の無償割当も個別銘柄の価格変動要因になります。既存の株式の売り出しも需給悪化から株価下落要因となることがあります。

自己株式の取得

企業が自社株買いを実施し自己株式を取得することを発表した場合や自己株式を実際に取得した場合(自社株買い)は個別銘柄の価格変動要因となります。通常は上昇要因となります。

株式の分割・併合

企業が株式分割や株式併合を実施する場合は、個別銘柄の変動要因となる場合があります。株式分割や株式併合は理論上は株価に影響を与えないのですが、株式分割は上昇要因、株式併合は下落要因となることがあります。逆の場合もあります。

新規事業への参入

企業が新規事業に参入する場合には、個別銘柄の価格変動要因となります。事業の将来性が有望視される場合は期待が先行し上昇要因となりますが、企業の体力に見合ったものでない場合や有望性が見込まれない場合は望ましくないとして下落要因となることがあります。

業務提携の締結・解消

企業の業務提携の締結や解消は個別銘柄の価格変動要因となります。業務提携の締結は一般には上昇要因となりやすく、解消は下落要因となりやすい傾向がありますが、必ずしも決まった方向に動くわけではありません。

商品・サービスのヒット・人気化

企業が提供する商品やサービスがヒットし、ブームとなった場合には、個別銘柄の価格変動要因となります。通常はプラス要因となります。

新商品・新サービスの販売開始

企業の新たな商品やサービスの投入は個別銘柄の価格変動要因となります。業績にプラスだと判断されれば上昇要因に、マイナスだと判断されれば下落要因になります。

新技術の開発・特許の取得

企業が新たな技術を開発したり、特許を取得したりした場合には、価格変動要因となります。業績にプラスだと判断されれば上昇要因に、マイナスだと判断されれば下落要因になります。

重要な経営者・関係者の退任

企業の重要な経営者や関係者の退任は個別銘柄の価格変動要因になります。創業者の引退、主力製品の開発者の引退などが挙げられます。通常は下落要因となりますが、問題がある経営者が引退する場合は、将来の業績への期待から上昇要因となることがあります。

合併・会社分割・事業譲渡・事業譲受・株式移転・株式交換

企業の合併・会社分割・事業譲渡・事業譲受・株式移転・株式交換など組織・事業に関わる出来事は個別銘柄の価格変動要因となります。内容次第で上昇要因とも下落要因ともなります。

会社の買収・子会社の売却・設立

会社を買収する場合、子会社を売却したり、新たに設立したりする場合は個別銘柄の価格変動要因となります。内容次第で上昇要因とも下落要因ともなりますが、無理な買収は財務状況の悪化につながりやすく下落要因となることがあります。

事業からの撤退

企業の特定の事業領域からの撤退は個別銘柄の価格変動要因となります。事業のリストラ(再編)によって業績改善への期待が高まり株価上昇要因となることがあります。

自然災害の被災や事故の発生

企業の事業所が自然災害に被災した場合や爆発事故や火災などが発生した場合には、個別銘柄の価格変動要因となり、事業活動への懸念から下落要因となることがあります。大規模な自然災害の場合は、個別銘柄に影響がとどまらず、市場全体に影響を与える場合があります。

企業不祥事・粉飾決算・不正会計

企業で不祥事、粉飾決算や不正会計が発覚すると個別銘柄の価格変動要因となります。企業の不祥事・粉飾決算・不正会計は通常下落要因となります。情報漏えいなども下落要因となります。

訴訟の提起・判決・和解

企業に関して訴えが提起された場合には個別銘柄の価格変動要因となります。損害賠償責任が発生する可能性がある場合には、偶発債務等として認識されることがあります。

行政機関からの処分

企業が行政機関から処分を受けた場合には、個別銘柄の価格変動要因となります。金銭的な負担や事業活動の制限を受ける場合には、下落要因となりやすい傾向があります。

資金繰りの悪化

企業の経営状態が悪化し資金繰りが苦しくなると個別銘柄の価格変動要因となります。通常は下落要因となります。金融機関の支援を受けることになるような場合です。

バリュエーション

個別銘柄においてもバリュエーションは重要な価格変動要因となります。PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)、配当利回りなどから割安・割高感が判断されます。

テクニカル要因

テクニカル要因は個別銘柄の価格変動要因となります。テクニカル分析によって買いあるいは売りと判断されることが個別銘柄の株価を動かします。

まとめ

  • 個別銘柄リスクとは、個別銘柄の価格変動リスクのうち、個別銘柄固有の要因によってもたらされる価格変動リスクのことをいいます。
  • 個別銘柄の価格変動要因には、企業の決算・業績見通し、株式の発行、新商品・サービスの提供開始、企業不祥事、粉飾決算、経営者の引退などがあります。

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【個別銘柄リスクとはの記事は終わりです】

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