ニフティ・フィフティとは
記事作成日:2020年7月29日
最終更新日:2021年6月18日
ニフティ・フィフティ(Nifty Fifty, Nifty 50)とは、1960年代から1970年代にかけて米国株式市場で人気がある大型の50の成長株の事を意味します。ただし、公式に50銘柄のリストがあったわけではありません。
ニフティ(nifty)とは「素敵な」、「素晴らしい」といった意味があり、フィフティ(fifty)とは「50」という意味があります。ニフティ・フィフティ(Nifty Fifty)とつなげると「素敵な50」という事になりますが、ニフティ・フィフティでの50は50銘柄のことを意味し、素敵な50銘柄ということになります。
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ニフティ・フィフティの特徴
ニフティ・フィフティは、当時の米国経済で大きな役割を果たしている銘柄群であり、実勢があった上で、更に今後も長い期間にわたって高い収益を上げ続けることが期待されていたことから株価が押し上げられ、下落する直前の1972年には高い株価収益率(PER)の銘柄群となっていました。
ニフティ・フィフティの下落
ニフティ・フィフティは1970年代初めの上昇相場をけん引しましたが、インフレや金融引き締め、1971年のニクソンショックによるブレトン・ウッズ体制の崩壊の影響、ドルの切り下げ、第一次石油危機などを受けた1973年から1974年の下落相場で大きく値を切り下げ、長い期間にわたって低迷しました。ニフティ・フィフティの下落は、特にインフレによって金融引き締めが意識されるようになった相場環境が大きく影響したと考えられます。
ニフティ・フィフティ相場とは
ニフティ・フィフティによる相場の特徴として、経済を代表するような少数の大型の成長性が高い銘柄が投資家の高い期待によって買われて、株価上昇をけん引するということが挙げられます。また、投資家の高い期待によって少数の銘柄群が買い進められることによって、相場を引っ張る少数の銘柄群が株式市場全体よりも遥かに高い株価収益率(PER)となることが挙げられます。
一方で、1970年代の相場の教訓として、投資家の期待を集めていたニフティ・フィフティもインフレによって金融引き締めが行われるような環境に至ると株式市場全体が軟調なる中で下落していったことから、いかに成長性が高く有望な銘柄群とはいえ行き過ぎた株価は下落し、株価収益率(PER)は市場の平均並みに結局落ち着くと考えることもできます。
ニフティ・フィフティの教訓を株式投資に活かすなら
銘柄による成長期待が大きく異なっていて、特に有望な一部の銘柄に投資家の人気が集中し株価の上昇が続いている場合、その大きな流れに乗ろうと考えるかもしれません。相場が崩壊するまでは株価上昇の恩恵を享受できるかもしれませんが、行き過ぎた株価収益率(PER)は何かのきっかけで調整してしまうかもしれません。
特に、金融緩和を背景として株価が堅調に推移している場合、インフレなどの何らかの環境変化によって金融引き締めが意識されるようになると、好調だった有望な銘柄の株価が一瞬で急落してしまう恐れがあります。
株価収益率(PER)が行き過ぎていないか、金融引き締めの兆候がないかを警戒することが大切になると考えられます。
まとめ
- ニフティ・フィフティとは、米国株式市場で1960年代から1970年代に人気を集めた大型の成長株の50の銘柄のことを意味します。
- ニフティ・フィフティは過去の実績と今後の成長期待から投資家の人気を集め株価が押し上げられ高い株価収益率(PER)となっていましたが、相場の下落局面で株価は下落しました。