狼狽売り(ろうばい売り)・パニック売りとは
記事作成日:2017年9月22日
最終更新日:2021年6月18日
狼狽売り(ろうばい売り)、パニック売りの意味と、狼狽売り・パニック売りへの対応方法です。狼狽売り・パニック売りは資産運用・投資で用いられる言葉で、何らかの相場材料を受けて株価が急落した時に、慌てふためいて売りを出してしまうことをいいます。狼狽売り・パニック売りは基本的に同じ意味で使われ、大きな意味の違いはありません。
スポンサーリンク
狼狽売り(ろうばい売り)とは
狼狽売り(ろうばい売り)とは、何らかの相場材料を受けて株価などの相場が大きく短期間で急に下落した場合に、急落を見た投資家が驚いてしまって慌てて売り注文を出すことです。
狼狽売りが相次ぐと、相場の下落が加速してしまい、悪循環となってしまうことがあります。「狼狽」は「ろうばい」と読み、うろたえる、あわてるというような意味があります。
パニック売りとは
パニック売りは狼狽売りとほぼ同じ意味です。狼狽売りと同じように、パニック売りとは何らかの相場材料を受けて株価などの相場が大きく短期間で急に下落した場合に、投資家がパニックになって売り注文を出すことです。
パニックとは個人や集団が不安によって混乱した状態、錯乱した状態を意味します。パニック売りは、狼狽売りとは違って、「行き過ぎ」た売りという印象が混じることがあります。ただ、基本的に違いはないと考えて良いでしょう。
狼狽売り(ろうばい売り)・パニック売りへの対処方法
狼狽売り(ろうばい売り)・パニック売りへの対処方法についてです。
狼狽売り・パニック売りは一時的な場合もある
狼狽売り・パニック売りは、一時的な下落の後すぐに相場が戻ることもあれば、下落したまましばらく戻ってこない、あるいはさらなる下落が続く、ということがあります。一時的な下落かどうかの見極めが重要になります。
下落が一時的な場合には、下手をすれば1日もしないうちに相場が戻ってしまうことがあります。もし急落した時に売ってしまうと上昇相場から振り落とされてしまって利益を得る機会を失ってしまう可能性があります。
しかし、下落が一時的でない場合もあります。下落が一時的でない場合には急落してすぐに損切りをしておかないと損失が膨らんでしまうことになります。
狼狽売り・パニック売りが絶好のチャンスとなることもある
狼狽売り・パニック売りが発生すると株価などの相場が急落します。高値圏に相場がある時には高くてなかなか買えなかった場合でも狼狽売り・パニック売りによる急落で買い場到来となることもあります。
売られている原因を確認する
急に相場が下落している時には、ほとんどの場合は何か明確な原因があります。中にはまとまった売り注文が出た、先物が主導して下落したといったような確認が難しい原因で急落することや、本当に明確な理由がなくたまたま売りが重なって勢いがついて急落をすることもあります。
しかし、多くの場合はニュース・事件・事故・要人の発言や経済指標の発表など何らかの原因があります。急落しているのを見て急いで売ることが大切な場合もありますが、原因を探れるようであれば原因を確認しましょう。
下落の原因が一時的な現象か見極める
狼狽売り・パニック売りの原因が明らかになった場合には、一時的な影響にとどまるのか、影響がしばらく続くのかどうか検討します。確かに売り材料としてショックは大きいけれど、実際の影響は限られているような場合や、一瞬で影響が収まりそうな場合には狼狽売り・パニック売りが一巡すれば、株価などの相場が戻る可能性があります。
急落するまでの相場の地合いを確認する
狼狽売り・パニック売りが始まるまでの相場の地合い、投資家心理は強気だったか、弱気だったかということも重要な要素になります。投資家心理が強気で堅調であった場合には、急落が一時的なものとなる可能性が高まりやすいです。
一方で、投資家心理が弱くになりかけていたような場合、不安交じりであった場合には、急落をきっかけに一気に弱気相場入りしてしまう可能性が高いと考えられます。
自分が狼狽しない・パニックにならない
狼狽売り・パニック売りで相場が大きく下落している時には自分が狼狽しない、パニックにならないことが大切です。焦ってしまって、とにかく売らなきゃ!と思ってしまったり、早く売らなくていいのかと悩んでしまったりすると、冷静な投資判断を下せなくなってしまいます。一緒に狼狽しない、パニックにならないことが大切です。
判断できないのであれば売却も
狼狽売り・パニック売りの先読みができない、判断が付かないという場合には、リスクを避けるために下落している資産・銘柄を一旦売却してしまうことでリスクが回避できます。
よく分からないまま様子見を続けて損が膨らんでしまうのを避けたいのであれば、戻る可能性にかけるよりもいったん売却して、相場が落ち着いたらまた買い直すという対応も考えられます。
資産の一部を売却する方法も
狼狽売り・パニック売りの後の相場展開が読めない場合には、急落している保有資産・銘柄の全部ではなく一部を売却して様子を見るという方法もあります。
保有しているリスクを減らしつつも、全部は売らないという折衷案になります。相場が戻った場合には、機会損失が少なくなります。
普段から損切りの基準を決めておく
狼狽売り・パニック売りで冷静さを失なわずに理性的な判断ができるようになるためには、普段から売り、損切りの基準・目安を決めておくことも有効です。自分の判断の軸ができていれば、相場の変調時にも焦らずに冷静に対応できるようになります。
まとめ
- 狼狽売り・パニック売りとは、何らかの相場材料を受けて株価が急落した時に、慌てふためいて売りを出してしまうことです。
- 狼狽売り・パニック売りが発生した場合には、自分が狼狽しない、パニックにならないで、冷静に原因を把握し、下落が一時的なものになるのか、しばらく下落相場となるのか見極めることが大切です。