打診買い・打診売りとは
記事作成日:2017年9月19日
最終更新日:2021年6月17日
打診買いとは何か、打診売りとは何か、についてです。打診買いと打診売りという言葉は、資産運用や投資の場面で用いられる言葉です。打診買いや打診売りは、「打診」という言葉と「買い」・「売り」が組み合わさった言葉ですが、打診買いとは買いを予定している場合に、一部の資金だけで先に買いを入れて市場の相場の動きを探ることです。打診売りは打診買いとは逆の意味です。
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打診とは
「打診」という言葉には、漢字が示す通り、打って診察するという意味があります。具体的には、医師が手・指や医療器具で患者の体を叩き音によって内臓の様子を探り診察するという意味があります。ビジネスなどでは、最終的な提案に至る前に前もって提案を予定していることについて相手に伝えることで、考え方や反応を探るという意味があります。
打診買いとは
打診買いとは、予定している買いを入れる前に、資金の一部だけで買いを行って市場の反応を探るという意味です。打診買いの後で市場が想定通りの動きとなった場合には本格的な買いを入れることになります。
もちろん自ら買いを入れなくても市場の様子を見ることはできるのですが、相場の底値や転換点など買いの機会を逃したくないという心理も働き、実際に買いを入れることがあります。
機関投資家のファンドマネージャーなどは「相場が転換しそうなので打診買いを入れ、動き出したので本格的に買いました」というような形で表現します。
もし、打診買いを入れていなければ、相場が動き出してから買うことになり読みが鋭いとは評価されづらいですが、一部の資金で打診買いを入れることで、先回りして買っていたアピールできる可能性が高まるのです。仮に読みを外しても資金の一部であれば損失は限定的です。
打診買いによる相場の反応
相場が閑散としている、元々の成立する売買の代金が少ない場合、投入する資金量が多い場合などは、打診買いを入れたことによる板情報や、売買の成立情報が他の投資家の投資行動に影響を与える場合があります。買いが入っているから、自分も買ってみようかとなることがあります。
打診買いが行われる相場局面
打診買いは、相場が下落して底値に達している可能性が高い局面、相場が膠着しているが相場が動きだしそうな局面、相場のレンジを突き抜けそうな局面などで行われます。相場が動き出しそうだが、相場の先行きの動きに強い自信が持てないという場合に打診買いが行われます。自信があるなら本格的に買いを入れます。
打診売りとは
打診売りとは、打診買いの反対で、予定している売りを入れる前に、部分的に売りを入れて市場の反応を探るという意味です。打診売りの後で市場が想定通りの動きになった場合には、本格的な売りを行うことになります。
現物の売却を予定している場合に一部だけ先に売ってしまうということもありますし、先物などで売りポジションを持つ場合に少しだけ先に売りポジションをもつということもあります。
まとめ
- 打診買いとは、買いを予定している場合に、一部の資金だけで先に買いを入れて市場の相場の動きを探ることです。
- 打診買いは、相場の先行きに自信が持てないけれど、相場が動き出しそうな時に行われます。