生活に役立つお金の情報です。

利上げとは・利上げの効果と影響

記事作成日:2018年5月4日

利上げとは、中央銀行が金融政策の対象としている政策金利を引き上げることを意味します。金利を引き上げることから利上げといいます。利上げを行うことを金融引き締めともいいます。中央銀行が利上げを行うことによって、その国の金利水準が全般的に上昇することにつながり、景気を冷やし、物価上昇を抑制する効果があります。

スポンサーリンク

利上げの効果

利上げには景気を冷ます効果、物価を抑制する効果、バブルの発生を防ぐ効果があります。

利上げの景気抑制効果

利上げが行われると、市場の金利が上昇し、銀行の貸出金利などが上昇します。貸出金利が上昇すると、借入金利が低くないと採算が取れないような設備投資が手控えられるほか、住宅ローン金利も上昇するため住宅の買い控えを見据えて住宅投資も手控えられるようになります。

投資の手控えによって企業活動が停滞することから、やがて企業や個人のマインド(心理)が悪化し、雇用・賃金情勢も厳しくなるため、家計にも波及し個人消費も低迷します。そのため景気が全般的に鈍化・悪化します。

利上げの物価抑制効果

一見、利上げは悪い効果しかないように感じられますが、経済が安定的に成長していくためには必要なものであると言えます。利上げには、景気を冷やすことによって急激な物価上昇を防ぐ効果があります。急激に物価が上昇すると(インフレ)、手持ちのお金の価値が下落し、社会不安を招いてしまう恐れがあるのです。

また、利上げは自国通貨高を招くことから、輸入インフレを防ぐ効果もあります。

利上げのバブル発生防止効果

また、利上げはバブルの発生を未然に防ぐ効果があります。景気が過熱すると、採算が取れない投資でもどんどんと行われてしまう場合があり、やがて不動産価格が暴騰する一方、不良債権が増大してしまう恐れがあります。

景気が過熱する前に利上げによって景気を冷ますことで、不良債権の発生を防ぎ、不動産価格の暴騰と暴落を発生させないようにするのです。

利上げによる金融市場への影響

利上げが行われると、金融市場(株価、金利、為替レート)にも影響します。

利上げの株価への影響

利上げが行われると、設備投資や住宅投資が手控えられ、企業部門から家計部門へと影響が波及することから、先行き景気が冷え込み、企業業績が悪くなる可能性が出てくるため、株価の下落要因となります。

利上げの金利への影響

利上げが行われると、利上げの影響が金利市場にも波及し、市場の金利が上昇します。金融機関が資金を調達する金利が上がり貸出金利(借りる側から見ると借入金利)も上昇します。

利上げの為替レートへの影響

相対的に金利が高い国の通貨は買われる傾向があるため、利上げが行われると通貨が買われやすくなるため、自国通貨高となります。日本であれば、利上げが行われれば円高ドル安傾向となります。

利上げは景気を減速させるため慎重に行われる

利上げは、物価の上昇を抑制する効果のほか、バブルの発生を未然に防ぐ効果があり、安定的に経済が拡大するために重要ですが、景気を減速させる効果があるため、慎重に行われる傾向があります。

特に、重要な選挙を控えた政府は中央銀行に利上げをしないように明示的あるいは黙示的に要請することがあり、政府に配慮して中央銀行の利上げが難しくなる場合があります。

中央銀行が利上げを急ぐ場合もある

ただし、中央銀行は、景気が悪化に備えて政策金利の引き下げ余地(利下げ余地)を確保しておきたいという考え、バブルの発生を未然に防いでおきたいという考えから、利上げを急ぐ場合もあります。

日本では、2000年代の金融緩和の解除(ゼロ金利政策の解除、量的緩和政策の解除)は結果的に急ぎ過ぎであって時期尚早だったのではないかという批判が出たこともあります。

日本の政策金利

日本では、2013年4月に「量的・質的金融緩和」が導入されるまでは「無担保コールレート(オーバーナイト物)」が政策金利となっていました。更に以前は基準割引率および基準貸付率(旧公定歩合)が政策金利として金融政策の変更対象となっていました。

2016年1月29日に「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」が導入されてからは日本銀行当座預金への適用金利(▲0.1%)が政策金利となりました。

そして、2016年9月21日に「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」が導入されると、イールドカーブコントロールとして短期金利と長期金利が金融政策の対象となりました。

短期金利としては「日本銀行当座預金の政策金利残高への適用金利」(▲0.1%)、長期金利としては「10年国債金利の誘導水準」(0.0%)が政策金利となっています。※金利水準は決定時のものです。

海外の政策金利

米国の政策金利は、フェデラル・ファンド金利(Federal Funds rate、FF金利)です。欧州のユーロ圏の政策金利はいくつかありますが代表的なものは主要リファイナンシング金利(Interest rate on the Main Refinancing Operations)です。中国の主要な政策金利には貸出基準金利(1年物)・預金基準金利(1年物)があります。

まとめ

  • 利上げとは、中央銀行が政策金利を引き上げることをいいます。
  • 利上げは、景気を冷やす効果、物価上昇を抑える効果、バブルの発生を抑える効果があります。金融市場への影響としては、株価の下落要因、金利の上昇要因、自国通貨高要因(日本であれば円高ドル安要因)となります。

スポンサーリンク

【利上げとは・利上げの効果と影響の記事は終わりです】

「資産運用|お金を増やす」のページに戻る

最近よく読まれているページ

関連コンテンツ

関連コンテンツ(一部広告を含む場合があります)

家計・節約のおすすめページ

ページの先頭へ