リターンリバーサル(効果・現象・戦略)とは
記事作成日:2019年2月26日
最終更新日:2021年6月16日
リターンリバーサルとは、過去に収益率(リターン)が低かった資産や銘柄がある時点から収益率が高くなり、収益率が高かった資産や銘柄の収益率が低くなるような、リターンの逆転現象であるリターンリバーサル効果(減少)を意味する場合と、価格の反転を狙って投資を行う逆張り的な投資戦略を意味する場合(リターンリバーサル戦略)があります。
リターンリバーサル(return reversal)のリターン(return)は収益率、リバーサル(reversal)は逆転を意味し、合わせると「リターンの逆転」という意味になります。
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リターンリバーサル効果(現象)とは
リターンリバーサル効果あるいはリターンリバーサル現象とは、収益率がこれまでの傾向から逆転する現象のことを意味します。それまで収益率が低くパフォーマンスが悪かった資産あるいは銘柄がある時点を境に収益率が高くなりパフォーマンスが良くなる現象、または、収益率が高くパフォーマンスが良かった資産あるいは銘柄がある時点を境に収益率が低くなりパフォーマンスが悪くなる現象です。リターンの良い・悪いが逆転することを意味します。
リターンリバーサル効果(現象)は、短期で観測される場合もあれば、長期で観測される場合もあり、資産レベルでも銘柄レベルでもみられます。リターンリバーサル効果(現象)は、過去の経験から発生することは分かっていても理論や法則からは説明が難しいアノマリーであるとされています。
例えば、これまで株価の値上がりが続いていた銘柄は、どこかの時点で値下がりに転じるというような形です。理論や法則で説明するのは難しいですが、経験的にそうなる事象であるとされています。
他にも、割安な株式であるバリュー株がこれまでパフォーマンスが良かったのに、ある時点を境にパフォーマンスが悪くなり成長性が期待されるグロース株のパフォーマンスが良くなるといったようなことや、景気敏感株(シクリカル銘柄)と安定株(ディフェンシブ銘柄)のパフォーマンスが逆転するようなことも例として挙げられます。
リターンリバーサル効果(現象)の反対の意味を示す言葉として、モメンタム効果という言葉があります。モメンタムは、過去の値動きの勢いがそのまま続くことを意味します。
逆張りの意味でつかわれるリターンリバーサル(戦略)とは
リターンリバーサルという言葉は「逆張り」戦略を意味することがあります。逆張りとは、価格の反転を狙って投資を行う戦略で、通常は株価など価格の下落が続いている時に、価格の反転上昇を狙って買いを入れる投資行動を意味します。売りができる場合は、値上がりしている時に、価格が反落するのを狙って売りを入れる投資行動となります。
思惑通り価格が反転すれば利益を得られますが、同じ流れが続き反転しなかった場合は損失を出してしまいます。
リターンリバーサル(戦略)の反対を意味する言葉として、トレンドフォローという言葉があります。トレンドフォローとは、相場の勢い・流れに追随して売買を行う戦略を意味します。
まとめ
- リターンリバーサル効果(現象)とはこれまでの収益率(リターン)の動きが逆転し、値上がりしていた資産や銘柄が値下がりに転じること、または、値下がりしていた資産や銘柄が値上がりに転じることを意味します。
- リターンリバーサルは、価格の反転を期待して売買を行う逆張りの投資戦略を意味する場合にも用いられます。