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安全資産とは・安全資産の例

記事作成日:2017年11月18日

安全資産とは、硬貨や紙幣などの現金、金融機関への預金や貯金、債券のうち国債(安全性や信用力が高い社債(債券)なども該当)、元本が保証される保険・年金などのように基本的に元本が保証される資産と、満期保有を前提としない債券のように元本割れの可能性があるものの相対的に価格変動が小さい資産(低ボラティリティ資産)が含まれます。すなわち、無リスク資産と価格変動が小さい資産を意味します。安全資産の種類・例と、各安全資産の特徴・リスクについて説明しています。

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安全資産の例

安全資産は通常「無リスク資産+価格変動が少ない資産」を意味しますが次のようなものがあります。無リスク資産は、収益・利回りがあらかじめ確定しているため、将来得られるお金(キャッシュフロー)があらかじめ分かっていて、その確実性が高い資産であるため安全です。価格変動が少ない資産(低ボラティリティ資産)は値下がりしても限定的なのでリスクが高い資産と比べると相対的に安全です。

  • 硬貨や紙幣などの現金
  • 金融機関への預貯金
  • 自国の国債など信用力が高い債券
  • MRFやMMF
  • 元本保証の保険・年金
  • 価格変動が少ない資産(例:満期保有を前提としない債券)

現金は代表的な安全資産でも紛失などのリスクがある

硬貨や紙幣の現金は現金として保有している限り、突然1000円が100円になるなどのように価格が変動することはありませんし、株式や債券と違って現金が破綻するというようなことはないため、価格変動リスク、破綻(デフォルト)リスクはなく、代表的な安全資産です。しかし、紛失などのリスクやインフレによる減価のリスクがあります。

現金は現物であるために紛失・損傷・盗難リスクがある

現金は実際に手元に現物があるため、落としたり忘れたりして紛失するリスク、火災などによって物理的に損傷するリスク、盗まれてしまう盗難リスクなどがあります。

現物資産特有のリスクですが、タンス預金などは存在自体を本人が忘れてしまうことさえもあります。間違って他の不要なものと一緒にゴミとして捨ててしまうこともあり得るのです。現金と言えども100%安全ということはなく、リスクがあるのです。

現金はインフレに弱い

手元に持っている現金は、金融機関に預けられているわけではないため利子は発生しません。配当金などもありません。現金は厳禁として保有している限り、自分からは勝手に増えてくれないのです。

しかし、物価上昇が起こると、現金の実質的な購買力は落ちてしまうため、資産としての価値は実質的に減少します。多額の現金を長期間保有していると、インフレの発生によって、実質的な資産価値が大幅に減ってしまうリスクがあるのです。

現金以外に価格の値上がりの可能性がある不動産や金などの実物資産はインフレの影響を受けて価格変動する可能性がありますが、現金はインフレによって価値が減るのです。

預金・貯金や保険は安全資産でも金融機関の破綻に注意

金融機関に預けておく預金や貯金は基本的に安全資産です。元本は保証されていて払い戻しを受ける時には元本に利子が付くため原本以上のお金が戻ってくることになります。

また、元本の保証がある保険・年金(個人年金保険)なども基本的に安全資産です。しかし、注意すべきこともあります。

預金・貯金は基本的に引き出しもしやすい

預金・貯金は引き出して現金化しやすいため、流動性という点でも安全度が高いと考えられます。一部の預金は途中で解約すると本来受け取れる利子が受け取れなくなど中途解約のペナルティがある場合もあるため注意が必要です。

低金利政策では利子はほとんど付かない

ただし、金融緩和によって市場の金利が低下している時は預金金利も大幅に低くなるため利子がほとんど使ないことがあります。基本的に元本割れを起こすことはありませんが、利子がほとんど使ないためATM利用手数料など各種手数料の支払いによって預金することによって結果的に資産を減らしてしまうことがあります。

マイナス金利が一般の口座に適用されれば元本割れもあり得る

日本の一般国民向けの預金ではマイナス金利の適用はありませんが、中央銀行がマイナス金利政策を実施し、金融機関が一般の預金者にマイナス金利を転嫁した場合にはマイナス金利で元本割れを起こす可能性が考えられます。

また、マイナス金利ではなく、新たな手数料の徴収、既存の手数料優遇の見直しなどによって手数料を増やすことで、預金によって得られる利子よりも支払う手数料が多くなり、預金をすることで結果的に資産を減らしてしまうことが考えられます。

不況・大恐慌・金融危機の時は金融機関の破綻に注意

金融機関への預金や貯金は原則として元本が保証されています。しかし、預金・貯金をした金融機関が破綻した場合には、元本が保証されない場合があります。

日本ではペイオフが実施されているため、一定の預金等は預金保険制度によって1000万円と破綻日までの利息は全額保護されますが、一定の預金等は1000万円を超える部分が保護されません。また、預金保険制度によって保護されない預金等もあります。

景気が悪い不況・大不況の時や金融危機が発生した時は、経営体力がない金融機関は破綻してしまう可能性があるため、預金・貯金が必ずしも安全とは言い切れないことがあるために注意が必要です。保険も同様で保険会社が破綻した場合は当初の元本が保証されないことがあります。

国債は安全資産でもリスクがあることも

自国の国債であれば為替リスク等はなく、満期まで保有する前提であれば市場で金利変化による価格変動リスクの影響を受けることがなくなるため、基本的に国債は安全資産だということができます。

しかし、同じ債券であっても社債は必ずしも安全資産とは言えませんし、外国の国債は信用力が高くても為替変動リスクがあるため、その国と同じ通貨を採用していない国の投資家にとっては安全資産とはなりません。

同じ債券でも社債は安全資産でないこともある

債券は満期まで保有すれば、満期までに支払われる元本の償還金と利息(クーポン)の金額は基本的に確定しています(変動利付国債や物価連動国債、途中で償還される債券などを除く)。

そのため、債券は途中で売却しなければ、価格変動リスクは基本的にないため、安全資産ということができるのですが、債券によっては元本の償還や利息の支払いが疑わしい場合があります。

債券の発行体の財務状況が悪化している場合には、予定通りに利息の支払いや元本の償還を行えない可能性があります。そうなると満期まで保有しても予定していた支払いが受けられず元本割れしてしまう可能性があるのです。

信用力が低い債券、主に社債は安全資産とは言えないことがあるのです。また国家財政が破綻寸前の国の国債も安全資産とは言い難いです。

国も債務不履行(デフォルト)となることがある

もちろん国債であってもリスクが全くないということはありません。国も財政政策の失敗により政府の債務が増大すれば行き詰ってしまい、国債の利息(クーポン)や元本の償還金の支払いの遅延や不能を起こし、債務不履行(デフォルト)となることがあるのです。過去には世界中で様々な国の国債が債務不履行(デフォルト)を起こしています。

日本の財政状況も財政収支の赤字が長らく続いており、厳しい状況であり、将来にわたって国債は全くリスクがないとは言い切れない部分があるため、国債であれば必ず安全とは言えません。

外国国債(債券)は為替変動リスクがあり安全資産ではない

なお、外国の国債、例えば米国債は安全資産であると考えられますが、日本の投資家にとっては米国債は米ドル建てであるため、自国通貨の円建てではなく、投資をする場合には、為替リスクが含まれてしまいます。

そのため、米国債やドイツ国債など国際的に見て信用度が高い国債であっても、日本の投資家にとっては為替リスクがある分安全資産ではなくなってしまうのです。

金はリスク資産でも安全資産の側面がある

現代まで時代が変わっても普遍的な価値があるとされてきた現物資産である金は安全資産だと言われることがあります。金は価格変動リスクがあるため、安全資産ではなくリスク資産(リスク性資産)ですが、金融資産との対比では資金の逃避先として安全資産の性質もあります。

金は実物資産で価値がゼロになるとは考えづらい

株式や債券は発行元が破綻した場合などには価値がゼロことがあります(紙くずになると表現されますが、今の株券や債券は通常電子記録化されています。)。

しかし、今までのところ、実際の経済・社会で需要がある金の価値が完全になくなったことはないため、安全資産であると言われます。

また、金は物価上昇に伴って値上がりする可能性があるため、インフレにも強い資産と言われます。また、金融市場が混乱して金融商品が大きく値下がりするような投資家心理が悪化した場合には、金に投資家の資金が逃避する場合があります。

そのため、金融資産との対比で考えた場合に、金は現物資産として一定の価値が保持されるため、安全資産として資金の逃避先になりえます。

金は価格変動リスクがある

ただし、金自体は常に市場で価格変動あり、価格の変動幅も比較的大きく、価格変動リスクは大きい資産です。価格変動の面から見れば決して安全資産ではありません。元本割れを起こす可能性は普通にあります。そのため、金はどちらかと言えばリスク資産(リスク性資産)と言えます。

金にも一応換金性の問題がある

また、金は現物資産なので、金自体ではモノやサービスを購入するのは困難です。物々交換で金を支払い手段として受け入れてくれる可能性はありますが、現金に換金しないといけないため、現物を換金する流動性の問題があります。通常は金の換金性は高いので問題はありませんが、金の商品価値に疑問符が付いた場合には換金しづらくなるリスクが全くないとは言えません。

金融資産の下落が想定される場合は実物資産の金に資金が逃避することも

とはいえ、金は通常の金融資産とは異なった特性があるため、金融資産が大幅に値下がりした場合には、資金の逃避先として安全資産としての性質が一部あるとは言えます。

日本円は安全資産(安全通貨)と言われる

日本円は安全通貨と言われることがあります。もちろん日本円はドルやユーロなどの外国通貨に対して為替変動リスクがあるため、厳密な意味では安全資産ではありません。

しかし、通貨・外国為替の取引では、日本円は安全通貨なので投資家のリスク回避姿勢が強まると円が買われるということが言われます。日本では、慢性的な巨額の財政赤字により政府債務残高が積み上がっていて、通貨として必ずしも安全とは言い難い側面はありますが、投資家の不安心理が高まると円高になる傾向があります。

過去の経常黒字の累積により対外純資産が膨大

日本は輸出による貿易黒字を背景とした経常黒字の累積によって膨大な対外純資産を築いています。巨額の対外純資産は海外で利息や配当金などでお金を生み出しますが、平常時・危機時のいずれにおいても国内に還流するとドルなどの外貨売り・円買いとなるため円高圧力となります。

特に危機発生時は自国に資産を戻そうとする動きが出る場合があるため、経常黒字によって対外純資産の積み上げがある国は通貨下落が起きづらいため、相対的に安全通貨となっていることが考えられます。

政治的に安定していて地政学リスクと無縁だった

日本円が安全資産とされていた理由の1つに政治的に安定していてかつ地政学リスクとは無縁だったことも挙げられます。日本でも政権交代は過去に何度も起きていますが、議会制民主主義という体制自体がリスクにさらされるようなことは戦後なかったと言えますし、島国であることもあって大規模な地域紛争とも関わりなく長い時間が過ぎました。

そのため、地政学リスクの影響を受けづらい国・通貨であることが安全通貨と認識されるに至った要因の1つになっていると考えられます。ただし、21世紀においては東アジア地域で地政学的リスクが高まる可能性があるため、日本円の安全通貨としての位置づけが変わる可能性もあります。

物価上昇率が低いと通貨高になりやすい

物価と為替レートにも関係性があります。物価の上昇は購買力の低下により通貨価値の下落に結びつきます。そのため、物価上昇率が高い国では通貨価値の下落が、低い国では通貨価値の上昇が発生しやすくなります。

日本では長い間デフレが継続していましたし、なかなか物価が上昇しないため、物価の面から買い安心感があり、いざという時はとりあえず物価が上昇しづらい日本円に逃避しておけば意図せぬ通貨下落を被る可能性が低いと無意識的・経験則的に認識されている可能性があります。

参考:物価と為替レート

物価と為替レートの関係

まとめ

  • 安全資産とは元本が保証されている(元本割れを起こさない)資産を意味し、現金、預貯金、国債などが該当します。
  • また、安全資産に、相対的に価格変動リスクが小さい資産を含める場合があります。

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【安全資産とは・安全資産の例の記事は終わりです】

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