換金売りとは
記事作成日:2017年9月21日
最終更新日:2021年6月17日
換金売りとは何かについてです。換金売りとは、何らかの理由で資金が必要になった場合に、保有している資産を売却して現金化することです。換金売りは、投資・資産運用の場面で用いられる言葉で、相場動向を示すニュース記事でも、「新規株式公開(IPO)を控えた換金売りから株式市場は調整含みの展開となっています」といったように使われます。換金売りが出ると相場が崩れる原因となることがあります。
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換金売りとは
換金売りとは、何らかの理由で資金が必要になった場合に、保有している株式・債券・通貨などの資産を売却して換金することをいいます。また、単に資産を現金化する場合にも換金売りという言葉が用いられます。
換金売りではとにかく現金にすることが目的になるため、売値をあまり気にせずに売却する場合が多くなります。換金売りが行われると、相場の下落要因となることがあります。
換金売りの理由・種類・タイプ・パターン
換金売りの理由には他の資産を購入するための換金売り、追い証発生による換金売り、企業の資金確保の換金売り、リスクを減らすための換金売りなどがあります。解約対応のヘッジファンドの換金売りもあります。
他の資産を購入するための換金売り
他の資産を購入するために換金売りが行われる場合があります。株式から債券へシフトする場合、国内資産から海外資産へシフトする場合など様々なパターンがあります。また、同じ資産の中での投資対象の変更の場合もあります。
例えば、大型の新規株式公開(IPO)や既発行株式の売り出しを控えているような場合に、換金売りを行って新規株式公開(IPO)銘柄などを購入するという投資行動が見られます。
大型の新規株式公開(IPO)が相次ぐような場合には、株式市場では換金売りが相次いで、一時的に需給が悪化し株価が軟調に推移することがあります。
追証発生による換金売り
個人投資家が信用取引を行っている場合、値動きが予定と反対になると、追い証(追加の担保差し入れ義務)が発生し担保金の追加差し入れのため換金売りが発生することがあります。
例えば、相場が急落した場合に、株価が大幅に値下がりすると信用取引で追い証が発生するため、保有している現物株式を換金売りして担保にするということです。ただでさえ相場が荒れているのに追い証による換金売りで下落に拍車がかかってしまうことがあります。
企業の資金確保の換金売り
法人の場合には、何かの支払いのために資金が必要になった場合など事業資金などを確保するために換金売りが行われる場合があります。経営が苦しくなって資金繰りで必要となった場合、債務の支払い時期が近づいている場合、税金の支払いに必要な場合などが考えられます。
リスクを減らすための換金売り
重要な相場イベントを控えている場合、大型連休を控えている場合などには、保有資産をいったん現金化してリスクを回避するために、換金売りが行われることがあります。とりあえず現金化しておけば、値下がりすることがなくなるからです(インフレによる実質的な価値な低下を除いて)。
解約のための換金売り
ヘッジファンドが解約を受け付けると、解約された部分の資産を顧客に返すために換金売りを行うことになります。一定の期間内に換金しなければいけないため、ヘッジファンドの解約が集中すると、市場にまとまった売りが出て相場を崩すことがあります。
まとめ
- 換金売りとは、何らかの理由で資金が必要になった場合に、保有している株式・債券・通貨などの資産を売却して換金することをいいます。
- 換金売りではとにかく現金にすることが目的になるため、売値をあまり気にせずに売却する場合が多く、相場の下落要因となることがあります。