ショートカバーとは
記事作成日:2019年2月18日
最終更新日:2021年6月18日
ショートカバーとは、売りポジションを解消するために買いを入れることを意味します。ショート(short)とは「売り」を意味し、カバー(cover)は通常は覆う、代わりをするという意味がありますが、金融では「買い戻す」という意味があります。ショートカバーで「売りを買い戻す」という意味になります。
ショートカバーは、FX(外国為替証拠金取引)や信用取引、先物取引など、「売り」(いわゆる空売り)をすることができる取引がある場合に用いられます。
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ショートカバーが行われる場面
ショートカバーは、十分に価格が下がったため売りポジションの利益を確定させる場合、価格が上昇していて損失を限定させる場合、これ以上下がらないという相場観から諦めてポジションを解消する場合などに行われます。
マーケットの動きを示す場合に数多くの投資家が一斉に売りポジションを解消して買い戻しを入れるような場合には、ショートカバーの買いによって株価が上昇した、といったような表現が使われることがあります。
投資家が一斉にショートカバーをすると価格が急上昇する
ショートカバーを入れる理由は投資家によって異なりますが、多くの投資家がもうこれ以上株価などの価格が下がらない、これ以上は売りポジションを持っておくのは危険だと感じ、ショートカバーを一斉に入れると、短期間に多くの買い注文が入ることになるため株価などの価格は上昇します。
価格上昇を見て、他に売りポジションを持っていた投資家も損失を防ぐためショートカバーの買いを入れるため、買いが買いを生む状況となり、価格が急上昇することがあります。いわゆる売りの踏み上げと呼ばれる状態ですが、売りたい投資家が増えて、売りポジションが積み上がってくると、ショートカバーによって逆に価格が上昇することがあるのです。
ショートカバーと踏み上げの違い
なお、「ショートカバー=踏み上げ」とされることがありますが、厳密にはショートカバーによって引き起こされるのが踏み上げで、ショートカバーは踏み上げのように耐え切れなくなって損失を防ぐために買い戻す場合だけでなく、利益確定の場合などにも用いられるため、微妙に意味が異なります。ショートカバーは単に売りポジションを解消するため買い戻す行為を意味します。
ショートカバーは短期的な動きとなることも
ショートカバーは、売りポジションを解消するということになりますが、ファンダメンタル的な要因ではなく、テクニカルな要因となるため、ショートカバーによる買いが発生しただけでは相場の流れが変わったとまで言い切ることは難しく、短期的な相場変動に終わってしまうことがあります。
ショートカバーによって株価などの価格が上昇するのを見て、相場の流れが変わった、本格的な上昇相場が来たと思ったら、実は違うということがあるため注意が必要です。
まとめ
- ショートカバーとは、売りポジションを解消するために売っていた資産を買い戻す行為を意味します。
- 多くの投資家によってショートカバーが行われると、買い戻された株価などの価格が上昇し、上昇を見て更に別の投資家が損失回避のために売りポジションを解消し、さらなる買戻しによって一段と価格が上昇することがあります。