ショート・ショートポジションとは
記事作成日:2018年9月1日
最終更新日:2021年6月17日
金融や投資におけるショート(Short)とは、保有していない資産を売ること、取引を売り→買い(戻し)の順番で行う場合の最初の売りのことを意味します。例えば株式を購入し、その後売った場合の売りはショートとは言いません。信用取引、金融デリバティブ取引(先物取引など)、FX(外国為替証拠金取引)で良く用いられます。売りから取引に入ることを「ショートする」というように表現します。
ショートの反対はロングで、ロングは買いから入る取引で、一般的に良く行われる取引です。
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投資のショートポジションとは
ショートポジションとは、売りから入った取引の残高があることを意味します。例えば、信用取引である株式を100万円で空売りした場合、100万円のショートポジションがあるというように表現します。FXでも同様の表現をし、ドルの売りから取引を行った場合、ドルのショートポジションがあるというように表現します。ショートポジションのことを単にショートという場合もあります。
ショートは対象資産が値下がりすると利益に
ショートは売りの対象としている資産が値下がりすると利益が出ます。例えば、ある株式を信用取引で100円空売り(ショート)した場合、80円になった時に買って決済すれば、手数料や税金を考慮しない場合、100(売却価格)-80(購入価格)=20円の利益となります。売りから取引を開始するショートは、取引の対象とする資産が値下がりしそうな時に行います。
ショートは対象資産が値上がりすると損失に
ショートは売りの対象となった資産が値上がりすると、逆に損失が発生します。例えば、ある株式を信用取引で100円空売り(ショート)した場合、120円に値上がりしてしまうと、買い戻した場合、100(売却価格)-120(購入価格)=▲20円の損失となります。一般的には値上がりすると嬉しいはずなのですが、ショートしている場合は損失が出てしまい嬉しくないのです。
ショートは理論上損失額の可能性が無限大
ショートは、保有していない資産について売りから取引を開始しますが、特殊な取引を除き、理論上損失額の可能性が無限大となります。どういうことかというと、例えば100円の株式を空売りした場合、理論上株価はどれだけでも上昇する可能性があるため、株価が上昇した場合の損失がどれくらい膨らむか限界が分からないのです。
ロング(買いから入る取引)であれば、基本的に0円が下限となるため、100円の株式を買うロングの場合には、100円が損失の上限となります。
ただ、実際には無限に価格が上昇することはないため、損失が無限大になるというよりも、想定上に損失が膨らむことがある、ということになります。
ロングもショートもできることが望ましい
投資では、ロング(買い)だけしかできない場合、投資機会を逃してしまうことがあり、望ましくありません。金融商品の価格は値上がりすることもあれば、値下がりすることもあり、価格が上昇しないと利益が得られないロングしかできない場合、相場が弱い局面では眺めているしかなくなってしまいます。
しかし、ロングもショートもできるのであれば、相場が上昇していても、下落していても、利益を上げる機会があります。唯一の弱点は、相場が動かない時ですが、相場が上下に動かない場合はオプション取引で利益を上げられる可能性があります。
まとめ
- 金融や投資におけるショートとは、保有していない資産について売り(空売りなど)から取引に入ることを意味します。また、売りの残高がある状態であるショートポジションを意味する場合もあります。
- ショートは、対象資産が値下がりすると利益になり、値上がりすると損失になるため、ロングと組み合わせることで、投資機会を広げることができます。