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システマティックリスクとは

記事作成日:2017年8月8日
最終更新日:2021年8月5日

システマティックリスクとは

システマティックリスクとは、個別銘柄の値動きのうち、市場全体の価格変動の影響による価格変動リスクのことをいいます。株式や債券などの個別銘柄の価格変動は、個別銘柄の要因による価格変動だけでなく、株式市場全体、債券市場全体の影響による価格変動が含まれています。つまり個別銘柄の価格変動には市場全体の要因と個別銘柄の要因があるということになります。このうち市場全体の要因による価格変動をシステマティックリスクといいます。

システマティックリスクは、システマチックリスク、市場リスクと呼ぶ場合もあります。システマティックリスクとは、現代ポートフォリオ理論で用いられる概念で、個別銘柄の要因に対応する言葉がアンシステマティックリスクです。

  • 個別銘柄の値動き=市場全体の影響によるもの(システマティックリスク)+個別銘柄の要因によるもの(アンシステマティックリスク)

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システマティックリスクの例

システマティックリスクは市場全体の影響による個別銘柄の価格変動リスクですが、市場全体の価格変動要因となるリスクということになります。

米国株価や中国株価など主要な株価指数の値動き、国内や海外の金利の動向、米ドルやユーロなど為替レートの動向、米国や欧州、日本、中国など主要国の金融政策、国内や海外における経済・財政政策、自然災害の発生、政権交代や政変、選挙の投開票、地域紛争の発生、大規模なテロ活動の発生、政府や中央銀行の要人の発言、重要な経済指標の発表、粉飾決算や企業不祥事の発覚、著名な企業の決算発表、著名な企業の破綻、著名な企業によるM&Aや組織再編、経済危機・金融危機・債務危機・通貨危機の発生、などが株式や債券の市場全体に影響を及ぼす要因の例になります。

システマティックリスクは銘柄分散では軽減できない

システマティックリスクはその資産クラスにおける銘柄に対する分散投資では軽減することができません。国内株式を例にすると、国内株式の銘柄にどれだけ分散投資を行っても、国内株式全体の価格変動リスクはどの個別銘柄にも含まれるため、避けられないのです。

ある資産クラスのリスクは銘柄分散によって、個別銘柄に起因するリスクは分散効果により軽減できますが、システマティックリスクは軽減できないのです。

別の資産クラスの資産に投資して分散する必要がある

特定の資産クラスの資産のシステマティックリスクを軽減したいのであれば、その資産クラスの中の銘柄で分散投資を行うのではなく、別の資産クラスの資産に投資して分散することが必要になります。国内株式であれば、国内債券や外国債券など異なった資産クラスの資産に投資することでリスクの軽減を狙うことになります。

システマティックリスクは収益の源泉でもある

システマティックリスクは株式投資などにおける収益の源泉でもあります。価格変動があるからこそ株価が上昇したり、下落したりするわけで、株式の購入時は株価が下落すれば損失になりますが、上昇すれば収益になります。システマティックリスクは、リスクという言葉が付いていますが、収益の源泉でもあります。

まとめ

  • システマティックリスクとは、個別銘柄の価格変動リスクを市場全体の影響を受けた価格変動リスクと個別銘柄の要因による価格変動リスクに分けた場合に、市場全体の影響を受けた価格変動リスクを意味します。
  • システマティックリスクは、その資産クラス内で銘柄分散を行っても軽減できません。資産クラスを変える必要があります。

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【システマティックリスクとはの記事は終わりです】

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