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テールリスクとは

記事作成日:2017年8月8日
最終更新日:2021年6月29日

テールリスクとは

テールリスクとは、投資・資産運用などで用いられる言葉で、極めて低い確率でしか発生しないけれど、実際に発生すると重大な資産価格の変化(下落)をもたらす可能性がある出来事・事象などによるリスクのことをいいます。

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テールリスクの意味

「テールリスク」は低頻度の出来事・事象によるリスクということになりますが、慣例上、特に大きな資産価格の変化をもたらすリスクという意味で用いられます。リスクは上昇と下落の両方向を示しますが、暴騰・暴落のうち、主に暴落のリスクを指す場合に用いられます。

テールリスクの語源

テールリスク

「テール」とは英語の「tail」から来ていて「しっぽ、尾ひれ」というような意味がありますが、確率分布をグラフ化した時に低確率で発生する事象はしっぽのような形に見えることから、資産運用においては低頻度で発生する出来事・事象という意味で用いられます。

また、英語の「tail」に由来するので「テイルリスク」と書かれることがありますが、通常は「テールリスク」と表記します。

テールリスクの具体例

テールリスクの具体的な例としては、世界的に影響が大きい政権交代・政変、地域紛争・戦争、大規模なテロ活動、地震など自然災害、原子力発電所事故、経済危機、金融危機、財政危機、債務危機、通貨危機、国家財政の破綻(デフォルト)、不正会計、企業不祥事等が挙げられます。

テールリスクは高い頻度でリスクが現実に発生している

テールリスクは低い確率で発生するリスクではありますが、テールリスクで懸念されたことは実際にしばしば顕在化・現実化していて、1000年に1度とか、100年に1度と言った頻度ではなく、さらに10年に1度よりも高い頻度で発生していると言えます。

近年の例を見ても、2008年には世界金融危機、2009年から始まり2010年頃を中心とする欧州債務危機、2010年以降の北アフリカや中東地域のアラブの春、2011年の東日本大震災・原子力発電所事故、そして2010年代半ばにかけての欧州や中東地域におけるテロ組織の活動活発化など様々な大事件・事象が発生しています。

リスクが低いと思い込んでいるからこそテールリスクになる

投資においてテールリスクがしばしば顕在化するのは、そんなことはありっこない、というような楽観的な見方が背景にあるかもしれません。自然災害など本当に偶発的な事象を除ければ、テールリスクは後から振り返ると、実際に発生するまでにいくつかの兆候があり、冷静に考えてみるとテールリスクが実際に発生するのはいわば必然、と言ったような場合さえあります。

投資の世界においては、慎重な判断が求められつつも、相場が良い方向に向かっている時は、市場は熱狂し、冷静さを欠きながら、楽観的な見方を持ってしまい、リスクに鈍感になってしまうことがあるのです。

そんなことが起きる可能性は低い、という思い込みが、実際に発生する可能性があるリスクを、低確率のテールリスクだとみなしてしまい、実際にリスクが顕在化した時に驚いてしまうことがあるのです。

テールリスクへの対処法

滅多に起こることはないものの、起こると大きな影響があるテールリスクにどのように備えておくかについてです。

テールリスクは本当に低い確率なのか慎重に見積もる

テールリスクは本当にテールリスクなのか、冷静にリスクを見積もることが必要です。実際には低確率のリスクではなく、中程度の確率、あるいは高い確率なのかもしれません。これまでにテールリスクと呼ばれたリスクの中には、実際には低確率ではなかったものがたくさんあったとみられます。楽観的な見方、油断がテールリスクと見誤らせてしまったのかもしれません。

テールリスクも意識して分散投資する

発生確率が本当に低いリスクについては、考えだしたらキリがなく、現実的でない部分があります。発生する可能性が低いリスクに全て対応するような投資を行っていたら投資効率が悪くなります。しかし、何も手を打たないのも損失を招く可能性があります。

そのため、テールリスクについても常に意識をし、簡単に対応できる場合には対応します。そして、簡単には備えることができないテールリスクについては、値動きが異なる資産クラスに分散投資を行うことで備えることになります。

テールリスクが実際に現実になってしまっても、値動きが異なる資産クラスの資産に分散投資をしておけば、損失が偏り過ぎるのを防ぐことができる可能性が高まります。

まとめ

  • テールリスクとは、発生する確率が低いものの、実際発生すると大きな資産価格の変化(損失)を招いてしまう出来事や事象によるリスクのことをいいます。
  • テールリスクは、しばしば現実に起こっています。テールリスクによる損失に備えるためには、テールリスクの発生確率を過少に見積もっていないかを見直すとともに、値動きの特性が異なる資産クラスへの分散投資によって損失を少なくすることが大切です。

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【テールリスクとはの記事は終わりです】

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