自律反発・自律反発狙いの買いとは
記事作成日:2018年10月29日
最終更新日:2021年6月18日
自律反発、自律反発狙いの買いとは何かについてです。自律反発とは、落下したボールが地面に衝突して弾性で自律的に反発するように、株価など市場で取引が行われる金融商品の価格が大幅に下落した後に、特に反発する材料などが何もなくても、自律的に値上がりして反発することを意味します。自律反発は、株価などは上昇または下落の一方向だけに動くことは珍しく、上昇あるいは下落が行き過ぎると警戒感が出てくることなどによって生じる株価などの特性の1つです。
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自律反発の意味
自律反発とは、急激に下落した株価などの金融商品の価格が、特別な反発材料や上昇要因がなくても、下落し過ぎることへの警戒感から株価が自律的に反発して上昇することを意味します。自律反発は、落下したボールが地面に衝突すると弾力によって自律的に反発するような状態を株価などの金融商品の価格に当てはめて表現したものです。
自律反発は必ずしもトレンドが転換したことを意味せず、下落トレンドの中で急速な下落の後にいったん少し反発して上昇するような場面で用いられます。
自律反発が起きる原因・理由
自律反発が起きる原因としては、株価などの下落が続いた場合、下落し過ぎてどこかで反発するのではないかという警戒感が広がり、出遅れ、買い逃しを防ぐために、買いを入れる投資家が出てくること、株価などが大幅に下落すると自律反発による値上がりを期待した買いを入れる投資家が一定数いること、大幅に株価などが下落すると売りポジション(信用売りなど)を持っていた投資家が利益を確定させるために買い戻しをいれることなどが挙げられます。
自律反発狙いの買いの意味
自律反発狙いの買いとは株価が大幅に下落した局面で、自律反発の値上がりを期待して買いを入れることを意味します。自律反発による上昇は長く続かないこともあるため、短期的な値幅を狙った売買となることもあります。株価などの自律反発の特性を利用した投資戦略の1つということになります。
株価などの金融商品の価格は、上昇か下落の一方向がずっと続くということは珍しく、行き過ぎを警戒してどこかでいったん逆の動きをすることがあるため、大きく株価などが値下がりしたときは、買い向かい自律反発による利益を狙うことがあるのです。
自律反発は戻り売りや損切りのチャンスとなることも
急激な下げの局面でも、ある程度下げると、一旦自律反発をして値を戻すことがあります。値を戻した場面が、底値からの反発なのか、短期的な自律反発なのか判断が難しいですが、自律反発して値を戻した場面は、戻り売りや損切りのチャンスとなることがあります。
株価などの先行きが不透明な中では、自律反発の局面が訪れた場合、戻り売りで利益が確定できれば一度確定し、利益が確定できない場合は損切りに踏み切ることも、一つの投資判断となります。
自律反発で値を戻した後、下落局面が再開してしまうこともあり、自律反発で値が戻った場合には、絶好の戻り売りや損切りのチャンスとなることがあるのです。
下げトレンドの場合は自律反発が短命に終わる場合もある
大きく株価が下落した後に、自律反発で株価が戻ると、底を打った、トレンドが反転したと思うことがあるかもしれません。しかし、下落の大きな流れができてしまっている時は、大幅な下落の後、一旦自律反発したからといって、上昇が続くわけではありません。
自律反発によって値が戻るのは一瞬で、すぐに値を消してしまうことがあるのです。戻り売りを待ち構えていたり、損切りのチャンスを狙ったりしている時は、自律反発による戻りが長く続かないことがあるので注意しましょう。
急激な下落トレンドでもいったん自律反発することがある
株価などが急激に下落している局面でも、一旦株価などが反発することがあります。一方的な下落トレンドになっているようでも、大幅に下落した後は、一旦反発することがあるのです。
日本でもバブル崩壊後に大幅な株価下落に見舞われましたが、株価は下落局面の中でも何回か自律反発をする場面がありました。2008年の金融危機(日本ではリーマンショックと呼ばれます)後の株価下落でも、大幅な下落の後、一旦株価が自律的な反発をすることがありました。
まとめ
- 株価などの自律反発とは、株価などが大幅に値下がりすると、下落し過ぎへの警戒感などから買い注文が入り、特定の買い材料などが発生しなくても、自律的に反発する、値上がりする現象を意味します。
- 株価などは上昇あるいは下落の一方向に動き続けることは珍しく、どっかでいったん逆の動きをすることがあるため、株価が大幅に下落していると、自律反発による短期的な値上がりを狙って買いを入れる投資家がいます。