約定日と決済日に関するT+0、T+1、T+2、T+3とは
記事作成日:2018年4月19日
最終更新日:2021年9月2日
株式・債券(国債・社債など)・金融デリバティブなどの金融取引において、T+0、T+1、T+2、T+3などの言葉を用いることがあります。T+0、T+1、T+2、T+3などの「T+数字」は約定日(取引日)と決済日の関係を示したもので、約定日(取引日)から何日後に決済日が到来するかを示しています。このTとは「Trade Date」(約定日・取引日)の「Trade」から来ています。
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T+0とは
T+0(Tプラス0)とは、約定日と決済日が同じ日であることを示していて、取引が行われた即日に決済が行われます。金融取引においては、極めて例外的な場合を除いてT+0は行われていません。日本では国債取引のT+1化に合わせて、GCレポ取引のT+0化が進められ、T+0取引が行われています。
T+1とは
T+1(Tプラス1)とは、約定日の翌営業日に決済が行われる取引です。日本の国債はこれまでT+2の取引でしたが、2018年5月1日より「T+1」化され、決済期間が短縮化されました。決済までの期間が短くなることで決済リスクを低減することができ、決済リスクを恐れて相互不信に陥るようなリスクを軽減することにつながります。
T+2とは
T+2(Tプラス2)とは、約定日の翌々営業日(2営業日後)が決済日となる取引です。日本の株式の取引は以前はT+3でしたが、2019年にT+2へと移行し、決済までの期間が短くなりました。また、国内債券の社債などは2020年に決済期間が短縮されT+3からT+2に移行しました。
T+3とは
T+3(Tプラス3)とは、約定日の3営業日後が決済日となる取引です。日本ではかつて、株式の取引がT+3でした。決済期間が長いと決済が約定通り行われるかリスクを意識しないといけない場合があります。
債券の発行条件で対国債スプレッドを示すT+10bp(T+○○bp)
債券ではT+1、T+2、T+3などの表現の他に、T+5bp、T+10bp、T+20bpなどの表現を目にすることがあります。この場合は約定日と決済日の関係を示しているのではなく、国債に対してどれくらい金利が上乗せされているか(スプレッドがあるか)を示しています。
T+5bp、T+10bp、T+20bpなどのTはTreasury(主に米国債を指す)から来ていて、対国債スプレッドとなります。Treasuryは基本的に米国債を指しますが、日本の発行体がT+10bpのように表現した場合は、日本国債に対するスプレッド(利回り格差)を示しています。
対国債スプレッドは、T+10bpの他にG+10bpのように「G+○○bp」で表現することがあります。
S日、S-1日、S-2日は決済日を示す
T+0、T+1、T+2、T+3に対して、S日、S-1、S-2という表現があります。このSは「Settlement Date」(決済日)の「Settlement」(決済)という言葉から来ています。Sは決済日、S-1は決済日の1営業日前、S-2は決済日の2営業日前になります。
まとめ
- T+0、T+1、T+2、T+3とは、取引日(約定日)から何日後に決済日(受渡日)が来るかを示していて、T+0は取引日に即日決済日となり、T+1は取引日の翌営業日が決済日となります。T+2は取引日の2営業日後(取引日を1日目とすると3日目)、T+3は取引日の3営業日後(取引日を1日目とすると4日目)が決済日となります。
- 取引日(約定日)から決済日(受渡日)までの期間が短くなると決済リスクが減り、金融市場のリスク軽減につながるため、これまで決済期日短縮化がすすめられてきました。