アンワインドとは
記事作成日:2019年2月20日
最終更新日:2021年6月16日
アンワインド(unwind)とは、「解く、ほどく、巻き戻す」というような意味があり金融では現在の行っている取引・保有するポジションを解消して、元の状態に戻すことを意味します。ポジションが整理されることをアンワインドと表現することもあります。
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アンワインドが用いられる例
アンワインドは、取引を解消し元の状態に戻る場合全般に用いることができますが、金融でアンワインドという言葉が良く用いられるのは金利が低い円を借りて金利が高い海外の外貨建て資産を購入して運用する「円キャリートレード(円キャリー取引)」を解消する時に、「アンワインドする」といったように用いられることが多くなっています。
例えば、投資家のリスク回避のため円キャリートレードをアンワインドする動きがみられた、といったように使います。
アンワインドが起きる背景・理由
アンワインドは既存の取引・ポジションを解消することですが、取引を開始した時、ポジションを構築した時から状況が変わったために巻き戻しが起きているということになります。
例えば、円キャリートレードであれば、円キャリートレードが不利になったため円キャリートレードを解消するということになります。日本の金融政策が変化し低金利でなくなる、利回りが高い海外の外貨建て資産のリスクが高まる、為替リスクが高まったため円に資金を戻そうとする、といったようなことが考えられます。円キャリートレードが望ましくない環境になったからこそ、取引を解消し、巻き戻す動きになるのです。
他にも市場環境が急変したようなときにアンワインド(巻き戻し)が引き起こされます。例えば、多くのファンドが特定の資産に投資していた時に、その資産の価格下落リスクが高まれば多くのファンドが資産の売却に動くため、アンワインドする、ということになります。
アンワインドの発生は相場の流れが変わっている可能性を示す
少数の投資家が取引・ポジションを解消するだけでは市場に大きな影響を与えないため、価格動向からアンワインドが明確に確認されることはありませんが、多くの投資家が同じ時期に取引・ポジションを解消しようとするからこそ市場の価格が動き、アンワインドが起きていると認知されることになります。取引・ポジションの状況を示す統計でも目立った動きが観測されることになります。
はっきりと観測されるほど多くの投資家がアンワインドに動いたということは、相場の流れが変わった可能性を示しています。円キャリー取引を例にとれば、円キャリー取引が活発でなくなり、今後の為替レートの動きに影響を与える可能性があるということを示しています。
「アンワインド」という言葉を目にすることがあるのであれば、相場の状況がこれまで変わっているサインかもしれないということを意識すると参考になるかもしれません。
まとめ
- アンワインドは、金融においては現在の取引やポジションを解消して、元の状態に巻き戻すことを意味します。
- アンワインドという言葉は、低金利の円で資金調達を行い、高金利の通貨建て資産で運用を行う円キャリートレードが解消されるときによく用いられます。